大人なんてクソ食らえ
いつしか、期待しない生き方ができるように努力するようになった。
自分が傷つかないようにも、気をつけるようになった。
そんなにしてまで、何を守りたいんだか。
私は寂しがり屋だ。
どこからどう見てもそうは見えないように頑張ってみてはいるが。
だから、ちょっとしたことで傷ついたり、悲しくなったりする。
平たく言えば気にしいだ。
反対にちょっとしたことで嬉しくなったり、楽しくなったりもするのだが、
今のところその出番は少ない。
就活はまともにしなかったから自己分析はいまだにし終わっていないが、
唯一わかっている”寂しがり屋” という弱点を庇うように
期待する生き方をやめられるように頑張るようになった。
自分にも、人にも、物にも、環境にも期待しない。
特に2つ目は要注意だ。
人は裏切る。
約束は忘れられ、破られる。
信じて期待していた分だけ、いや、その152倍は淋しい気分になる。
私はその感情が苦手だ。
胸のあたりが重くてたまらないから。
「一緒に行こう」は、カッコ覚えていたら、が付く。
「ずっと一緒にいよう」は、カッコ好きでいる間は、が付く。
「絶対会いに行くから」も、上に同じかな。
だから私は期待しない、を選んだ。
今連絡をとっている人だって、いつかは顔も想い出せなくなる。
今一緒にいる人だって、いつかはいなくなる。
絶対なんてない。
あったものが変わらずずっとそこにあると期待してしまわないように、
そう信じることにした。
んだ。一時は。
でも、なんだか無機質な日常が流れ出した。
まるでもう星へいってしまった愛すべき人の心電図のように、
嫌にまっすぐなんだ。
何を見ても、誰と話しても、何を語っても、何も感じない。
何も感じないようにしているから。
ただ、ずっとちょっと泣きそうなだけ。
わかってるんだ本当は。
強がる人ほど、誰かに頼りたい。
余裕でいたい人ほど、大声で叫びたい。
1人でいたがる人ほど、誰かにそばにいてほしい。
期待しないようにする人は、誰かに何かに期待したい人。
寂しくないふりをする人は、悲しくて泣いて崩れそうなほど限界な人。
大人ぶって余裕そうにして、傷つかないように自分を守るのも飽きた頃に、
ちゃんと傷ついて、ちゃんと泣いて、ちゃんと悔しがれる子供みたいな大人になろうかどうしようか、
今日はそんなはざまで眠ることにしようかな。
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