プラスワン
こんばんは。ボーカルギターの上野貴広です。
今回が最終回の「OVERLAY FANTASY」セルフライナーノーツ。
1ヶ月ちょっとこのコーナーをやりましたが
僕自身も当時の気持ちを思い出して書いていたので一曲一曲を振り返って感慨深くなりました。
終わってしまうのが寂しいくらいです。
それでは最後の曲をやっていきましょう。
6.プラスワン
僕は子供の頃、街で沢山の人を見ると
「こんなに多くの人と同じ空間に居ても、この中の大半の人とは話す事もないし、関わる事もないんだ」
みたいな事を思って、その淡々とした事実にブルーな気持ちになったりしていました。
大人になった今では、
名前の知らない人達と口にせずとも同じ思いを共有している空間が好きだったりします。
夕陽の射す電車内、
イルミネーションを眺めている瞬間、
好きなアーティストを観に来たライブ会場、
きっとみんな同じ気持ちなんだろうと思えるんですね。
そこにひとりで居たとしてもきっと孤独ではないのかなと
そう思えた時に少し胸の中の端っこで温かい気持ちが芽生えたりして。
そんな気持ちがこの曲の根底にはあります。
楽曲「プラスワン」は2020年のクリスマスにリリースしました。(今アルバムの中では最年長)
元々は映画やゲームのエンドロールに流れていそうな雰囲気を意識して作った曲で、曲先でした。
2020年の自粛期間中にStella Polarisと並行して作りはじめ、片方に行き詰まったら気分転換にもう片方を進める、そんな方法で書いていきました。
この記事を書くためにLittle BluffのメンバーグループLINEを遡ってみたら2020年の5月にプラスワンのデモを共有していましたね。
懐かしい◎
2020年の冬に
「プラスワンとStella Polarisのどちらかをリリースしよう」
という話し合いが行われました。
「ステラは春の曲なので春に出したい」
僕はメンバーに伝えたところプラスワンのリリースが先に決まりました。
ちなみに遡っていて思い出した余談ですが
Stella Polarisの当時の仮タイトルは「凱旋歌」でした。
凱旋歌にならなくて良かった…。
話を戻しますね。
プラスワンを冬にリリースすると決めてからアレンジもクリスマスソングらしい音を足していきました。
プラスワンは曲先だったというのもあり、
やりたい事・出したい音がイメージから乖離する事なく正確に表現できました。
デモ以降のアレンジで追加した音色はこんな感じ。
①スレイベル
(ザ・クリスマスって感じのスズの音。記事の写真に写っているやつ)
②鉄琴
③タンバリン
④アコギ
⑤アコギ2
(曲の最後の歌の箇所で高めに鳴ってるチャカチャカしてるやつ)
これらはクリスマスらしさを出す為に後から足しました。
バンド史上最も洒落てて良い曲だと思います。
コードワークも展開の仕方も気に入ってます。
ライブでカップルや夫婦の人が居たら手繋ぎながら聴いて欲しい。
僕とも手繋いで欲しい。
なんなら3人並んだ親子のように真ん中に入るので両サイドから繋いで欲しい。
温もりと優しさが欲しい。
癒しも足りない…。
この曲がもっと評価されて欲しい…。
…いけないいけない。
幸せであってくれと思いながらステージから見つめておきます。
この曲は普通に過ごしている日々が
きっと誰かにとっては特別な日である事、
それは心ひとつ、気持ちひとつで気付ける事、
当たり前の日常がひとつの想いで色付いていく。
それが「プラスワン」という曲です。
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今回の小話
「OVERLAY FANTASY」のレコーディングの写真がありました。
せっかくなのでコメントを交えて掲載します。
※capo…カポタストの意
弦楽器の移調に使われる器具
ギターばかりになってしまいましたね。
僕のメインギターの黒い子、ボディが剥げてきてしまってますね。味が出てカッコいい!
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最後に。
2nd mini album「OVERLAY FANTASY」
セルフライナーノーツ
如何でしたでしょうか。
今回のコーナーの中に読んでくれた方が楽しめた内容だったなら嬉しいです。
冒頭の挨拶と重なってしまいますが、僕自身も今回のアルバムを振り返って色々なことを思い出せて楽しかったです。
これからも変わらずに一曲一曲大切に向き合って音を奏でていきます。
僕らが大切にしているLittle Bluffをどうかこれからもよろしくお願いします!