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「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」Bunkamura ザ・ミュージアム
神奈川県・箱根にあるポーラ美術館の印象派の絵画コレクションを中心とした展覧会が東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催。
テーマを「甘美なるフランス(ラ・ドゥース・フランス、La Douce France)」とし、構成は以下のとおり。
1. 都市と自然―モネ、ルノワールと印象派
2. 日常の輝き―セザンヌ、ゴッホとポスト印象派
3. 新しさを求めて―マティス、ピカソと20世紀の画家たち
4. 芸術の都―ユトリロ、シャガールとエコール・ド・パリ
新規性がないというか、テーマや構成は建前上あるものの、日本で人気の、日本でも名前の知られている、主に印象派の画家の絵をだいたいの時系列に沿って並べただけ、という印象がぬぐえない。
もっと具体性のあるテーマに絞るとか、何かに着目するとかはできなかったのだろうか?あえてぼんやりとしたテーマ設定で、なんとなくフランス印象派が好きという層にアプローチできれば、という企画意図なのかな。まあ、紹介されている画家の絵を見たいのだ、という欲求は満たすのかもしれないが。
この企画展に限らず、こういう安易な美術展が日本ではますます増えている気がする。それで客が入ればまだいいという話なのかもしれないが、これは入るのかどうかも微妙?(もちろんコロナ禍の影響はあるが)
マリー・ローランサンの絵は印刷やウェブで見ると、「ちょっとしたイラスト」みたいに見えがちだが、実物を見ると、色の微妙なニュアンスとかが見えてくる。女性同士の組み合わせとか、いろいろと想像を誘う。人物たちの読み取りづらい表情も魅力的。
ラウル・デュフィの「パリ」や、画家の名前や作品名は忘れたが、最後の展示室にあった女性を描いた大きな絵とか、よかった。マティスもなぜか少し好きなので、久しぶりにじっくり見られてうれしかった。
展覧会情報
【開催期間】2021年9月18日(土)~ 11月23日(火・祝)
※9月28日(火)、10月26日(火)は休館
【開館時間】10:00~18:00(入館は17:30まで)
※金土は夜間開館あり
【入館料】一般:当日1700円、前売1500円
【主催】Bunkamura、TBS、公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館