37.ゆらとこ
日々のエセー『まいにちとことこ』。
第37回は、「ゆらとこ」。夜の車窓について。
夜泣きしたときは、車のチャイルドシートに乗せて、夜にドライブをよくしたらしい。夜のドライブはゆりかごに揺られてるみたいで、ぼくはすっと眠ることができたという。
そのおかげか、乗り物酔いを経験したことはこれまでにほとんどないし、なにか乗り物に乗っていくのがすきだ。特に車とバス。電車もいい。でも、新幹線は身体に合わなかった。飛行機は高い。
夜に乗ると、ネオンの街並みが見えて、良い。帰りのバス、後方に座り、窓に目をやる。なんとなく感傷的。なんとなく「終わり」を感じる。
夜の車窓は、一枚隔てて、ぼくを世界から孤立させる。孤独とは違うその景色に、暮らしと営みを実感する。ぼくは、生きている。
生の心地よい「ゆらぎ」。
[2024.9.17]