夏の花キョウチクトウ ~猛毒をものともしない虫たち~
キョウチクトウの花が咲き始めました。白い一重とピンクの八重の花が多く、夏の訪れを知らせてくれます。大気汚染や潮風にも強いのか、千葉県の海沿いの幹線道路沿いによく植えられています。花言葉は、「注意」「危険」「用心」とのこと。命にかかわるほどの強い毒を持っています。
花はとても複雑。分解してみても、なにがどうなっているのやら?
ねじった毛糸のようなものが雄しべの一部(付属体)で、雌しべはこの奥に隠れています。こんな複雑な花にやって来る虫は少なく、受粉が上手くいかないのか、実はあまりできません。
猛毒のキョウチクトウを食べるスゴイ虫がいたー!
キョウチクトウアブラムシ
葉や茎に黄色いアブラムシがびっしりついています。とても目立つ色をしているのは、キョウチクトウの汁を吸い、体に毒を体にためているからです。見ていると、ときどき、みんなで仲良くお尻をフリフリします。なんとおもしろい!何をしているの?ツンツンとした2本の角状管からフェロモンを出して、警戒をしているのでしょうか。
キョウチクトウアブラムシを食べにテントウムシやヒラタアブがやって来ます。テントウムシはダントツでダンダラテントウが多いようです。毒を持つアブラムシを、幼虫も成虫もモリモリ食べています。お馴染みのナミテントウやナナホシテントウはあまりやって来ません。
オサヨコバイ
宇宙人のような顔をしている面白いヨコバイがいました。なんて愛嬌のある顔でしょう。南方系のヨコバイです。
花が食べられており、覗いてみると小さな蛾の幼虫がいました。
キョウチクトウの花はこれからが本番。カンカン照りの夏の太陽のもと、花は咲き続けます。猛毒キョウチクトウを巡る虫たちの戦いを、汗をかきながら観察することにしましょう。楽しみだなー!
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