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【改正】特急「うずしお」岡山乗り入れ廃止の理由と考察

毎年3月に行われるダイヤ改正ですが
2025年3月のダイヤ改正の詳細が発表されています。

岡山駅

JR四国もダイヤ改正の詳細を発表しましたが
特急「うずしお」の岡山乗り入れが廃止されることが
私の中で一番印象に残りました。

今回は特急「うずしお」の岡山乗り入れが
廃止になる理由を解説し、今後の運行について
私の考察を述べていきたいと思います。

※記載している運賃は2024年12月時点のものです。


1.特急「うずしお」について


特急「うずしお」は徳島県の徳島駅から
香川県の高松駅までを結ぶJR四国の特急列車で
1日2往復が高松駅を越えて瀬戸大橋を渡り
岡山県の岡山駅まで運行されています。

岡山に乗り入れる列車は宇多津(香川県)〜岡山間で
特急「南風」と連結して走ることも特徴です。

かつて運行されていた急行「阿波」
瀬戸大橋の開通で特急「うずしお」に

1988年に瀬戸大橋の開通により
鉄道で本州に乗り入れることができるようになると
かつて高松〜徳島間で運行されていた急行「阿波」を
特急に格上げするかたちで運転を開始しました。

キハ185系(左)・2600系(中央)・2700系(右)

現在「うずしお」に使用されている車両は
キハ185系・2600系・2700系の3種類ありますが
2700系の使用がほとんどです。

2000系(現在は廃車)

老朽化した2000系の置き換えとして
当初は車体傾斜装置に空気ばね方式を採用した
2600系を量産しようとしましたが試験走行時に
土讃線のカーブが連続する区間において
空気ばね制御に用いる空気容量の確保が課題になり
2600系の量産を中止しました。
2600系をベースに制御付き自然振り子装置を採用した
2700系を製造・量産しました。

これにより試作車に終わった2600系は
2700系の誕生により高徳線の特急「うずしお」に
使用されるようになりました。

2.「うずしお」の岡山乗り入れが廃止される理由

「うずしお」の岡山乗り入れが廃止される理由として
乗務員の不足利用客の低迷が結論です。

これまでJR四国は乗務員の不足により
特急列車だけでなく普通列車も本数を減らしているため
乗務員不足の深刻さを感じます。

乗務員が不足しているJR四国にとって
岡山乗り入れの「うずしお」を残すことは
厳しいと考えたのかもしれません。

利用客の低迷に関しては道路網の発達
影響を及ぼしていると考えられます。

香川県と岡山県に掛かる瀬戸大橋

四国は高速道路が整備され
本州と四国を結ぶ橋が開通されたことから
車での移動が主流となっています。

実際、本州と四国を結ぶ高速バスが多く運行されており
徳島〜岡山間を結ぶ路線も運行されています。

徳島〜岡山間の高速バスと「うずしお」を比較すると
所要時間は、高速バス約3時間
「うずしお」約2時間
「うずしお」の方が1時間短いですが
運賃は、高速バス3400円(通常料金)
「うずしお」4940円(自由席)と
高速バスの方が約1500円安いことが分かります。

1時間長く時間をかけて約1500円安く移動するか
約1500円課金して1時間短く移動するか
みなさんならどちらを選択しますか………?

また快速マリンライナーの存在も
利用客が低迷している理由と考えることができます。
快速マリンライナーは高松〜岡山間で運行される
唯一乗車券だけで瀬戸大橋を渡ることのできる列車で
1時間に1〜2本の頻度で運行されています。
「うずしお」は1日2往復を除き
徳島〜高松間で運行される列車であるため
岡山に乗り入れる「うずしお」に合わせるよりも
徳島〜高松間は「うずしお」を利用し
高松〜岡山間は快速マリンライナーを利用する方が
特急料金を抑えられることもあって
効率的な移動であると考えることができます。

3.「うずしお」の今後の運行

ダイヤ改正後は全ての「うずしお」の運行区間が
徳島〜高松間になります。

徳島〜高松間の需要は多いため
今後も「うずしお」は残っていくと考えられます。

しかし、高速バスとの競合や乗務員不足といった
課題にこれからも向き合っていかなければいけません。

特急王国と呼ばれるJR四国の代表列車である
「うずしお」が今後も運行し続けてほしいと思います。

今回の特急「うずしお」岡山乗り入れ廃止について
みなさんのご意見や感想などを
書いていただけると幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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