時々田んぼしごと
わが家は田んぼがある。義父は他界し夫が引継いでなんとか続けている。繁忙期は私も手伝う。家のまわりは一面田んぼに囲まれていて、のどかな眺めはとても気に入っている。
今年はとくに異常な暑さと、稲刈り間近には局地的豪雨が続いて予定通りに稲が刈れなくて。天気予報見ながらハラハラと過ごすのも年々ひどくなってきた。私の出かけたい用事もこの頃はなにも予定を入れれなくなるから余計に記憶に残る。
農作業は重労働だし体もきついけれど、すごくイヤでもなく。泥に触れたり風を感じたり、水の冷たさや日陰のありがたみを感じたり。田んぼで食べるおにぎりがものすごくおいしかったり。自然の前には日頃の悩みも消えていくようなデトックス作用があって。
時々のお手伝いだからという大前提があって、そんなにイヤじゃなくわりと楽しんでいます 笑
そんなとき、田んぼ仕事をするたびにふと思い出す元同僚に言われていた言葉があって。
生まれも育ちも東京という都会の彼が中途入社してきて
「へぇー、いまどき時給自足ってすごいですね」
「災害時、食べ物があるのはすごい強みですよねー」って言われて、それがなんだかぜんぜんよくは聞こえなくて 笑
そして田植えと稲刈りの頃になると彼は毎年決まったように同じ言葉を言い、そのほかの言葉はないのも面白かった。たぶん8年くらい続いたと思う。
あれはなんだったんだろう。
なんでいつも思い出すんだろう。刷り込まれてしまってる。きっと悪気はないんだと思う 笑。 でもやっぱり私はその度に同じことを感じていたから言い方なのかな、、なにかが引っかかってずっと残ってしまった 笑
でも最近、お米を研ぎながらまたその言葉を思い出した。自然災害がどんどんひどくなってきて家にお米があることに安心できるなぁと思ったとき。もしかしたらあの言葉は本音で言っていたのかな、、、なんて思った。
この夏の終わりの米不足騒動のときも、友人たちからまだお米買えるかなと連絡があって、とても感謝された。令和の米騒動のニュースにびっくりした。
言葉っていうのは本当に面白くもあり怖くもある。受けとる側の心持ちでどっちにも変わるんだなぁと今更ながらに思うし言葉は重い。気をつけないといけないな、ホント。
米づくりで思うこと
今年も夫は田んぼ仕事をがんばった。昨年の反省点を改善しながら去年よりも一年間がんばっていた。
なので私もザリガニと戦った。
そういうと笑い話みたいだけど、ザリガニが畔道に穴をあけて水が抜けてしまう田んぼが一枚あって。夫の帰りを待つと真っ暗になってしまうから毎日穴を探しては塞いで水をためて、また翌日穴があいての繰り返し。
ニュースでもザリガニの被害は流れてくるし、ネットで全国でザリガニに悩まされてる農家さんの記事を見るたび
がんばってる方たちがいる!と励まされて修行のような毎日を過ごし、、水路の水の調整も自転車で毎日まわる。
そう、ザリガニの頃も田んぼを放っておけないから遠出もできなくなる。朝田んぼの水を見て、夕方には帰ってくる生活。夫はグチも文句もこぼさず淡々と田んぼ仕事をする。同じことを毎日淡々と続けるのはなかなか大変なことで、そんな夫を尊敬している。
今年は弟も二日間の稲刈りを手伝いにきてくれた。最愛のねこ息子のえび蔵が旅立ってしまった翌日からの稲刈り、本当に助けてもらった。
近所の人ともそう。私たちは近所ではすごく若手なので助けてもらいながら手を貸してもらいながら生きている。大先輩のみなさんが気にかけて声をかけてくれるのも本当にありがたい。そうやってまわりまわっていることも教わったりする。
苦労も多いしあと何年やれるんだろうと思うけど、お米だけじゃない得られるものはとても大きくて。そして自分たちで作ったお米は安心だし美味しい。
農作業、奥が深いです。今日もお米を研ぎながら感謝する人たちの顔を思い出す。しあわせだなぁって思った。