空の王国編4 ムーンソード 闇魔の剣には特殊な魔法が施されている。なんと、夜になると光るのだ。(*夜でなくても暗闇なら必ず光る)しかも月のような、白っぽい黄色に。その剣の美しさは、世界七大美(せかいななだいび)に選ばれるほどだ。 よって闇魔の剣は、月の剣とも呼ばれる。悪魔の長は、この不思議な剣を代々守ってきた。月の剣が水の王国の武器店になぜ売られていたのだろうか。人間の盗賊が月の剣を奪った。しかし、不安にかられる剣のため、月の剣を武器店の店主に安価で売ったのだ。 ケインも一人になった。馬を連れて。 ケインはくたくただった。辺りが暗いので、地図も正確に読めない。 フロルのように煌びやかなものは持っていません。 ケインの闇魔の剣が光った。 闇魔の剣 別名 月の剣 夜のように暗くなると、その剣は光る。 「す、すげええええ。」 剣の光で、地図も見える。 「よっしゃ。夜だけど剣が光ったぞ。地図の線に沿って行けばいいんだな。」 今の魔法地図は、自分の位置がわかるように名前が記されてる。 そして目的地の印を赤い×で書くと、その方角を矢印で示してくれるように作られている。ケインもフロルの場所に向かう。再会はすぐそこに。 赤いドラゴンの討伐(フロル戦) 赤いドラゴンが目の前に居る。 大きな足、鋭い爪、強靱な顎。 そして、恐ろしい尻尾と炎。 口から火を吐いては、力強く翼をはためかせた。 大きな翼だ。青い目をしている。全身が赤い。フロルは恐怖を感じた。「僕、こいつに勝てるのか?」 空姫は縄で縛られている。 赤いドラゴンは、火をフロルに向かって吐いた。 フロルは浮遊術を使う。 フロルの体が浮く。 風の玉を使って攻撃。 赤いドラゴンは尻尾を振って風の玉を防ぐ。 ほとんど攻撃が効かない。 それよりも強い魔法、風の大玉で放つが駄目だ。 堅い鱗のせいで風魔法が効かない。ほぼ絶望的。 赤いドラゴンは機敏で強かった。足で大きく動くと、もうその隙にはドラゴンクローでフロルに攻撃する。フロルは避けたが、ほっぺたから血が流れた。 「ケイン、来てくれ、お願いだ。」 「呼んだ?」 フロルは振り向いた。ケインの声だ。 友との再会を喜んだ。 しかし、すぐに切り替えて戦闘を開始する。 流れるように、左手で剣を振る。赤いドラゴンはうめき、攻撃をさらに繰り返した。 残った右手で水の剣を握り、ドラゴンに突いた。 「ケイン!頼りになるぞ!空姫の縄を切ってやれ!」 ケインは走った。 「いま、助けるぞ!」 ケインはすぐに縄を切った。 縄を切ると翼を持つ姫は目を大きく開けた。 「ありがとう。私、空姫のレイナ。属性は回避。あなたたちは誰?」 「俺はケイン。あそこに居る風使いがフロルだ。」 「感謝します。今度は私が貴方たちを救います。」 ドラゴンの戦闘 フロルとケインは自分たちを持っている全ての力を尽くして戦った。 しかし、どの攻撃もなかなか効かない。レッドドラゴンは強くフロルとケイン程度の魔法ではかすり傷くらいしかできない。 「もう無理だよ。レッドドラゴンにかなう訳ないだろ。」 レイナは楽しそうに笑ってる。このピンチでどうかしてる。 フロルもケインもそう思った。 「私の弓で射ってくれよう。最強、千年の弓で。」 レイナは弓を持った。 夜の月明かりが眩しく映った。 なんとも勇敢な女性。空姫レイナ。今、矢は放たれる。 背中にある翼をはためかせ、空を飛ぶ。ケインとフロルは、興奮した。すごい!翼で空を飛びながら戦闘するなんて、カッコいい!!! ドラゴンは炎を口から吐いた。 間一髪。レイナは避ける。 レイナが放った矢は、ドラゴンの右手に当たった。 急所を外してしまう。ドラゴンは右手を負傷すると怒り、尻尾でレイナを攻撃!!!緊張感が走る。レイナは華麗に避けた。 レイナは地上に戻る。足で着地した。 もう一度、ドラゴンは尻尾を振ってレイナに攻撃する。 「後ろに二歩下がり、右に四歩ずれる。」レイナは心の中で言った。ものの見事に回避した。 足で少し飛びあがると、レイナはまた空を飛んだ。 そして・・・、ドラゴンの左目に矢を放つ。 当たった!!!!すごい当たった!!!フロルもケインも熱狂していた。 ドラゴンは左目が見えないようだ。 「うーん、これで、終わり。」レイナはドラゴンの胸に矢を放った。 急所にあたったようだ。 赤いドラゴンは倒れた!!!レイナの勝利!! 「ありがとう、レイナ。助けてくれて感謝だ。」フロルは言う。 「え~~と。そんなこと言ってくれるの。嬉しいよ。貴方たちが最初に私を助けてくれたんだけどね。」 レイナの表情は爽やかだ。 「天の森も楽しかったなあ。もうすぐ朝日が出る。よっしゃ!」ケインは胸を踊らせて言う。 「さっき、王様から通告があったわ。危険人物が二人入ったって。 貴方たちのことでしょ。」 「げっ!!」ケインは言った。 「危険人物!!」フロルも、まずいと思った。どうしよう。 二人の辛い表情をみて、レイナはニコッと笑った。 「大丈夫。私が居るから。私を助けてくれたでしょ。恩人よ。私の鳥を今、呼ぶからちょっと待ってて。」 レイナは口に手を構えて、口笛をふいた。数分後、鳥がやってくる。 腰にかかっているポーチから紙とペンを取り出した。声を出しながら レイナは文字を書いた。 「王様へ。お尋ね者のフロルとケインは私を救いました。安全でいい人です。彼らの罪をお許しください。レイナより」 鳥は口に手紙を加えると、まっしぐらに飛んでいった。 「もう大丈夫よ。空の王国の町に行っても大丈夫よ」レイナ言う。 ケインはレイナと握手した。 「ありがとう。レイナ。」 ケインとの握手が終わると、フロルもレイナと握手する。 「本当に助かった。レイナ。」 行こう。新しい物語を探しに。 三人は新しい冒険にでかける。 次回、空の王国の町と首都につづく。