意外性のある言葉、探してる。幻を探すみたいに。つかめない世界が、必死に手を伸ばしてもやっぱり触れないんだ。幻なんて、つかめもしなければ触れもしない。 水姫は、静かに歩いた。 幻の中を。辺りは湖で綺麗な場所。 白い霧が湖を覆い尽くしてる。 「誰も私を探せない。見つけれない。」 光っている。それも美しく。小さな光が少しずつ大きくなるんだ。 でも誰? 水姫も光を放っていたが、もう一人光を放っている人が居る。オケアノス。水の王。シャーロット水姫の父。 「お、お父様。来てらっしゃったんですか?」 「シャーロットよ。探したぞ。我が娘。」 水姫は目をパチンと瞬きした。 「水の剣と鞘はどうした?」 「そ、それが・・・・・。」 幻の剣と鞘 「悲しみの果てに私はあの剣を持った」 「光栄だとは思わなかったのか。」 オケアノスは聞き返す。 「私は、あの剣があまり好きじゃなかった。」 「誰かに渡したということか?」 「はい。」 オケアノスは厳しい表情をする。 「馬鹿なシャーロットめ。」 「剣と鞘はこの水の王国で救うであろうあの人に渡した。」 「誰に渡した!教えんか!」 「ケイン。」 「そ、そやつはどこに居る!」 「彼はあそこに居る。空の王国に居る。」 水晶玉をさすった水姫。 オケアノスは怒りに震わせた。 水姫はまるでオケアノスを無視するかのように、水晶玉に夢中になる。ケインは仲間と居る。フロル、レイナと一緒に。 「フロル?誰か知らんぞ。レイナ?待て。レイナだと?天使の光騎士団団員、空姫レイナか?」 「はい。父上。」シャーロット水姫は頷く。 オケアノスは、パニック状態に陥った。 「何と言うことだ!よりによって敵国の女に・・。」 「レイナは違います。レイナは・・・・、敵じゃない。味方だ。」 「詳しく説明しろ!」 「ルドルフ王の事をご存じですよね。彼は凶悪な犯罪者。レイナはルドルフ王を倒そうとしている。そしてレイナは水の王国と空の王国の同盟を望んでいる。手紙にそう書いてありました。 「おおおぅ、そうか。それならいいんだ。」オケアノスは言う。 秘水 場面は変わり・・・・、ケインの視点へと突入する。 集中する。自分の体には常に血が流れてる。呼吸、生きている鼓動。 赤い血が皮膚の中に張りめぐされている。 眼、美しいと俺はよく言われた。 必ず、我、剣を持つ者。 剣を捌けるのは、自分の力。 なぜ、剣を俺は持った? 殺める道具は本当に悪い物か? ケインは自分の事を責めた。 水の剣は俺と共に存在してる。 俺は、何を求めて歩いてる? 水姫の鞘、どうして・・・? 俺を導いたんだ? ナビゲートしたんだ。水の王国は。 終わろうとしてる。 悪魔の襲来によって。 君が救うんだ。世界が終わらないために。 死を乗り越えるのではなく、ありったけの生を大事にする。 最大の賭け 「じゃあさ、自分に賭ければいいじゃないか。」 ケインは自分に話す。もう一人の自分との対話がはじまる。 「そうだ。」 「生きてるって勝負と共に居るって。」 「楽しいことや幸せなことって儚いんだ。」 「俺、ちゃんと自分と向き合いたい。」 「ちゃんと・・・。」 「しっかり自分と向き合いたいんだ。」 「誰かの行動なんて読めない。」 「未来は誰にもわからない。」 「限りある世界で生きてる。」 「ただ。これだけは言える。性格が運命を握っていて、勇気だけが世界を新しい物に変えれる。」 「はじめの一歩がいかに大切かということ。」 「それで終わりじゃない。」 「続きがある。」 「物語のほとんどはハッピーエンドで終わる。」 「現実は?」 「そうはいかない。」 「始めは誰でもうまくいくと思う。」 「でも、そこから、どう行くかはわからない。」 「本当に。」 「大抵の人は、勇気を踏み出さずその世界に満足する。」 「俺にとってリスクが大切なんだ。」 「リスク・・・・・。」 「なにか大きな物を手に入れる時、何かを捨てないと前に進めない。」 ケインは眼を開けた。勇者の目に変わっている。 本当の勇者、選ばれし水の王国の勇者とは そう、 まちがいなく、 ケインだ。 水の剣を持ち、幾度なる試練を乗り越えて来た。 ケインは覚醒する。 水の剣が3段階目の扉を開けた。 剣が・・・・・、七変化の剣の第3形態 ヒッポカムポス(神獣)降臨!!! 水の剣が光っている。美しい水色に光り、 この上なく美しく輝いている。 神獣の模様が、剣全体に描かれ 水の王国史上、最強の剣に変化した。 神獣の水剣 第3形態 解放!!!!!! 行くぞ!!!悪魔を倒すんだ!!平和な世界をつくるために。