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緑の王国編3敵襲


ゴーグの店へ ラベンダーとローズは、ゴーグの店に三人を案内する。 店がいっぱい並んでいて、時々声をかけられた。賢くて美しいフェイシアは人気者に間違いないようだ。小さな通りを抜けると、赤い店があった。焦げくさい匂いがする。キン、コン、カーンとハンマーで叩く音が響いた。店の奥で職人さんたちが一生懸命武器を作っている。ゴーグは店の店主だ。 「いらっしゃい。良い武器揃ってるぞ。」 「良い盾はありますか?ゴーグさん。」フェイシアは聞く。 「そりゃあ、持つ奴によって変わるが・・・、」 「俺が盾を買う。」ケインは言った。 「おおお、君が盾を買ってくれるのか。体格から言って、騎士の盾がいいな。」 ゴーグさんは、倉庫から三つ盾を持ってきた。 「色はどれがいいかい?」 一つ目の盾は、白くて紋章がついてるデザインだ。値段は110G 二つ目の盾は、青い盾。水色の竜が描かれてる。 値段は90G 三つ目の盾は、金色の盾。赤い炎が描かれてる。 値段は130G どれも素晴らしい盾だった。ケインは全部かっこよくて喉から手が出るほど欲しい。すごく迷った。 ケインは迷ったあと、二つ目の盾を見つめる。 「俺、この青い盾が気になる。」 「青龍の盾だ。気に入ったなら、試し持ちしてもかまわんぞ」すぐにゴーグは答えた。 ケインと青龍の盾は、相性がとても良いみたいだ。持った瞬間に、清らかな力を感じる。 「ゴーグのおじさん。90G払うぜ。」 「毎度。ありがとう」ゴーグは大きな手で、ケインから90Gを受け取った。 ゴーグの店を出た後、双子のラベンダーとローズはお花を持っていた。「これ、あげる。」フロルは、ローズから花を受け取った。 「お兄さんにも、これ」ケインは、ラベンダーから花を貰う。 フェイシアはにっこり笑った。 「ありがとう。お花は綺麗よね。私にはないの?」 「フェイシア様。タンポポ、拾ってきた。」 「まあ、綺麗な黄色いタンポポ。」 「お花って燃えるの?」ローズは不安そうにフェイシアに聞いた。 「燃えるけど、どうして?」 「やっぱり。ええええーん。」ローズは泣いた。 「どうしたの?ローズ?説明して。」 ローズは泣きながら言う。 「不死鳥の悪い人たちが、火で私達の国を燃やそうとしてるんでしょ。そうお役人のひとから聞いたの」 ラベンダーも涙ぐみながら話す。 「実は、昨日の夜、盗み聞きしたんだ。お役人の人が、マルク父さんと話してるの聞いちゃったの」 ケインとフロルとフェイシアは、悲しみにくれているローズとラベンダーを励ました。 「俺らが、不死鳥の魔海賊を倒す。そのために来たんだ。」 ケインは格好よく言った。 「僕が居れば大丈夫。風使いの神ホルスとは僕のこと。必ず、不死鳥の悪い奴らを根絶やしにしてやるから」 フロルも格好よく言ってみた。 「ね。大丈夫でしょ。緑の王国を火で燃やされたりしないから安心して。そのために騎士団がいるんだから。」 ローズとラベンダーは泣き止んだ。 「もう、夜遅いから帰りなさい。」フェイシアは優しく言った。 「うん。」 「ありがとう。勇者と風使いとフェイシア様。」 そう言って、ローズとラベンダーは家に帰った。 ケインとフロル、フェイシアは夜なので、宿屋に泊まることにした。ケインとフロルは、二階の男性部屋の一室に入った。二つベッドが置かれている。二人部屋だ。 フェイシアは、女性部屋の一人部屋に入る。 三人は物思いにふけりながら、夜をすごした。窓から、星がキラキラ見える。月が美しい。 眠る前にフロルは、ケインに話しかけた。 「なあ、ケイン。レイナとフェイシアどっちが好きだ?」 「そりゃあ、俺はレイナに決まってるだろ。フロルはフェイシアに脈ありなんだろ?見ただけでわかるぞ。」 「うん。僕、フェイシアにべた褒めさ。あんな美しくて賢い人はじめて見たから。ケインは、レイナのどんな所が好きなの?」 「強くて、頼もしいことだな。俺には、三つ上の姉が居る。レイナは姉の性格とは違うが、まっすぐな瞳が好きだ。」 「え?ケインって姉が居るの?知らなかった。名前はなんて言うの?」 「アルメイサ」 「そっか。」 「俺、もう寝るからな。起こすなよ」 「お休み」 一方フェイシアは、一人部屋で休んでいた。月や星を見ながら、新しい旅の始まりを嬉しく思った。白いベッドに入ると、すぐに眠った。 朝、目が覚める。 朝日が美しい。 三人が朝食を食べている最中だった。外から、声が聞こえる。 「敵襲だ!敵襲だ!!!早く、安全な所へ逃げて!!」 「敵襲ですって?」フェイシアは目を丸くする。 「俺たちの出番だな。しかし、朝早くからかよ。ちょうど良い、この青龍の盾を早く使いたかったんだ。フロル、戦闘準備!」 「ここは、すぐに民を守ることが優先だ。」フロルは言う。 いきなり、宿のドアが開いた。 「ケイン!フロル!フェイシア!助けて!」双子のローズだ。 「ラベンダーが敵に捕まったの」 「俺が今、助けに行く。マルク父さんはどうしてる?」ケインは言った。 「もう戦ってるよ!」ローズは叫んだ。 フロルは外へ出て、すぐに風魔法浮遊術を使う。上空から辺りを観察した。黒い悪魔達が、リーフガーデンに侵入していた。緑の王国の魔術師や騎士達が、黒い悪魔と戦っている。魔法の大戦争だ。 黒い悪魔のリーダー4人。ルシファー。サタン。ベレフェゴール。アスモデウス。凶悪で強力な魔法を使う。 いつもの綺麗なリーフガーデンが朝なのに、不吉な町へと化していた。フロルとケイン、フェイシアはあまりの町の変わりように驚いた。 悪魔が黒い炎で家を燃やしている。不幸な表情をする人間達をみて、笑っている。最悪の光景だ。

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