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緑の王国編5火の王国編へ続く


長老との話 長老の家に着いた。長老の家は、不思議な魔法がかけられているお陰で悪魔との攻撃を受けなかった。家は、赤と茶色のレンガの家だ。 中では、暖炉があり、火がメラメラ燃えていた。温かい。小刻みに鍋がグツグツ揺れていた。 「誰じゃ???若き三人よ」 長老は言った。 「長老様。フェイシアです。」 「そなたは知っておる。隣に居る二人?見たことがない。説明せよ」 「ケインです。」 「フロルです。」 長老は、目をぱっちりと開けた。 「チームの名前を聞かせなさい。」 「チームの名前?」やべ、決めてなかった。カスパールから大分前に決めろって言われてたのに。 「それが、長老様。決まってなくて」フェイシアは弁解する。 長老はケインを見つめた。腰にかかっているのは水の剣か? 「水の剣を持っているようじゃな。精神耐久値も非常に高い。運動神経も良さそうに見える。そして、なんと、勇気に満ちておる。」 長老は考えたあげく、こう答えた。 「青龍の勇者団でどうじゃ。」 ケインは、それだ!と思った。 フロルもフェイシアも、渋々承諾した。*承諾(しょうだく) 「二人目の男は、フロルか。うむ、賢く、知性に溢れておる。冷静で沈着。素晴らしい。」 「どうして僕の事がわかるのですか?」 「長年、わしのように生きていれば人を見通す力は備わるのじゃ。 さて、勇者、風使いの英傑、幻術の姫君、どこに行くべきか。今は 悪魔たち、不死鳥の悪き海賊がこの世界には、わんさかいるわけだ。 それらを倒さねば、我々人間の未来はないも当然じゃ」 少し、長老は間を置いてこう言った。 「何か、いい手はないかの。使い魔の黒猫を捕まえるのが先決かもしれぬ。使い魔とは、悪魔が使役(しえき)している存在のことを指す。使い魔は悪魔に絶対服従する特性をもっている。」 「噂には聞いておると思うが、黒猫は名前を奪う。」 「でも、どうやって名前を奪うのですか?」 「黒猫に触られると、名前が奪われる。触らないように 注意せねばならぬ。名前を奪われれば、ナターシャに操作 されるという訳だ。やっかいじゃ。」 「分かりました。」 「悪の女王ナターシャの場所は、もちろん火の王国の果てにある。」長老は言った。  第3巻 緑の王国編 終わり         第4巻 火の王国編へ 続く。

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