光の王編５幻術合戦

光の王編５幻術合戦　 深い夜の世界にウィルは居る。最果ての森に一人居る。 他には誰もいない。本当に。暗い。穴が下に開いて、ひたすら 落ちていく。下を見ると口を開いたオオカミが待ちかまえている。 怖い。怖い。そんなの怖い。十匹もいる。 「幻術、回復光魔法、聖なる杯。光よ、舞え。」 オオカミが去って行く。逆にオオカミが温かい目に変わる。 「さすが、ウィル。」ボス・デビルは笑う。 「ウィルに幻術は効かない。物理的攻撃での戦いになる。」 二人は剣と盾をかまえた。背中に負った盾を左手に、右手に剣を。 剣と盾をかまえた白い勇者と黒い悪魔の王が、物語の中心として舞う。ありきたりな物語が希望なんだ。