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データビジュアライゼーションにて為替介入金額の推定に関する服部先生の方法を検証

本文の位置づけ:
服部孝洋先生の文章を基に、データビジュアライゼーションを追加し、服部先生の予測方法を直感的に検証すること。

主な内容:
1.服部方法論の紹介:日本銀行当座預金を中心に、日本銀行と民間の予測の差異を比較することで為替介入規模を推測。
2.覆面介入日に日本銀行と民間の予測差異が一番著しく、服部先生の方法がデータによって検証される。
3.服部方法論はあくまで概算方法用であり、注意深く応用しましょう。

1.服部方法論

為替介入の規模≒「財政等要因にて日本銀行当座預金の変動金額」に関する日銀の予測 - 「財政等要因にて日本銀行当座預金の変動金額」に関する民間短期資金会社の予測

上記のキーボードは「財政等要因にて日本銀行当座預金の変動金額」にあります。外為介入がない場合、日銀予測と短資予測は近いはずですが、突然の外為介入がある場合、その差異は顕著に大きくなります。

したがって、服部先生の方法を以下の三ステップ法で簡略化できます:

  • 方法論のフレームワーク:外為介入金額 ≈ 日本銀行予測 - 民間予測

  • 何を予測するのか:日本銀行当座預金の変動を予測する

  • 具体的な変動内容:財政などの理由による変動

2.データビジュアライゼーション

覆面介入前後の1ヶ月間データ(日銀予測 vs 短資予測)

財務省が4月29日と5月2日に覆面介入を実施したと広く認識されていますので、服部先生の方法に基づき、介入前後1か月間の短期資金会社の予測データを抽出し、それらと日銀自身の予測値との差額を求めました。

折れ線は米ドルと円の為替レートの推移を示し、右側の軸は1ドルが交換できる円の額を表しています。数値が高いほど円の価値が低いことを意味し、つまり円安です。

棒グラフは日銀予測と民間予測の差額の絶対値を示し、左側の軸の単位は億円です。データの絶対値が大きいほど、両者の差が大きいことを示します。

4月と5月のデータを総合的に見ると、全体的に円安の傾向が見られますが、覆面介入日に大幅な円高(折れ線が急に下がる、1ドルが交換できる円の額が減る、つまり円高)が見られました。同時に、覆面介入日(オレンジ色の棒グラフ)の短資予測と日銀予測の差額が一番著しいです。セントラルデータによると、財務省は2日間で合計9.17兆円を買い入れたとされ、上田八木データでは外為介入規模は約8.52兆円とされています。

3.注意事項

財務省が5月31日に公表した実際の外為介入規模は9.8兆円であり、服部先生の方法による推定結果は実際の数値と大きくかけ離れてはいません。

しかし、これはあくまで大まかな推定方法に過ぎないことに注意が必要です。外為介入がなかった日でも、両者の差額が2兆円を超えることがあります。服部方法論を唯一の予測方法として使う場合、精度は高くありません。財務省の発言や為替レートの実際の動向を総合的に考慮することで、外為介入の規模を大まかに推定することが可能になるでしょう。


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