とあるJKの日常譚 # 18 受験期の支え②祖母のグラタン
受験勉強を本格的に始めた中学1年生の冬から中学3年生になるまでに、偏差値は55から68まで伸びていました。
本番の3月には、偏差値は目標の71まで届くだろうと思っていました。
しかし、中学3年生の夏。
原因不明の吐き気が私を襲いました。病気などではないと医師に言われました。
吐き気はそこまで強くありませんが、常に胸がムカムカしたりモヤモヤしたりしてとても気分が悪いものでした。
それからというもの食欲はほとんど無く、給食もほとんど食べず、中学3年生の春には43キロあった体重は、40キロまで減っていました。
なんとか冬まで持ちこたえ、成績もキープすることが出来ていました。
しかし、12月。
再び吐き気が私を襲いました。
医師によると、後鼻漏という症状。
本当は鼻から排出される鼻水が喉に落ちてくることで、鼻と喉の間のあたりの不快感や、咳、吐き気を催すというものです。
夏からの症状が治りきっていなかった事に加えて後鼻漏まで。
体重は、春:43キロ、夏:40キロ、冬:36キロと、とんでもない減り方をしました。
常にある不快感のせいで、食欲もなく、学校にも行けず、塾にも行けず、勉強も手につかず、成績は急降下しました。
これが、中学3年生1月の出来事です。
ある日、そんな私を見かねた祖母が、私のためにグラタンを作ってくれました。
ホワイトソースのマカロニグラタンです。
暖かくて優しい味がしました。
それから、何故か祖母のグラタンだけ食べられるようになり、1月から2月まで、祖母のグラタンで私は生きていました。
そのおかげで少しずつ食べられるものも増え、入試直前には成績も偏差値もV字回復。
合格したのです。
今でも、体調を崩すと祖母がグラタンを作ってくれます。
今はまだ、体重40キロと完全に回復したわけではありません。ですが、祖母のグラタンがなければ、私はきっと第一志望高校に合格していなかったでしょう。
祖母のグラタンは、今でも私の心の支えです。