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浮気した元カノと再会してW不倫してる話①

「みんなまだまだ足りない事だらけだ。それは僕もだ。だけどその足りない何かを埋めていくのが人生だと僕は考える。」(八代学)

漫画『僕だけがいない街』より。
主人公の担任教諭のセリフで、少しネタバレになるが、彼の異常性と用意周到さは不倫中の身としては参考になる事が多い。
元カノと別れて浮気した話は以下から。↓

初めての彼女が元カノになって、浮気相手になって、そして自然消滅した。

それから数年後。僕は結婚して妻と2人、仲睦まじく暮らしていた。

大学時代の同窓会に参加した時、たまたま元カノが結婚して子どもを産んだと聞いた。

その時期は不倫をテーマにしたドラマや漫画が流行っていた。
世間では不倫は文化というか、一つの流行のように扱われていた。

そんなことを免罪符に、僕は久しぶりに元カノに連絡をしてみた。

※イメージ

10年近く連絡を取ってなかったのに、意外にもすぐに返信があった。

「お久しぶりです!ありがとう。ちなみに子どもは●歳になったよ〜」

それから少しラリーを続けて、偶然にもハマっているアニメやゲームが被っていたこともあり、1ヶ月ほど他愛ないやりとりを続けた。

「久しぶりに会ってみたいかも!笑」

彼女の方からそう言ってきた。
「かも!笑」に彼女らしい懐かしさを感じつつ、会う段取りを決めた。

旦那さんや子どもはどうするのか聞くと

「旦那には言えないよ笑、子どもは保育園に預けるからお迎えの時間までなら大丈夫!」

そんなこと言われたら期待するじゃないか。


約束の日、妻にいってきますと声をかける。
笑顔で僕を見送ってくれる妻。なぜか罪悪感は無かった。

仕事に行くふりをして、普段と同じ時間、同じ服装で家を出る。

いつもと違う電車に乗りファストファッションのお店で適当に服を買う。
靴まで売ってくれているのは本当にありがたい。

トイレでスーツから着替えて、不要なものはコインロッカーに投げ込む。
世の中には自宅での挙措だけでなく、ネクタイの結び目から旦那の浮気を見破る妻もいるらしいので細心の注意を払う。

この日のためにバレずに浮気する方法を考え抜いてきた甲斐もあって、約束よりだいぶ早く待ち合わせ場所に着いた。

カフェに入り、横並びのカウンター席で待っていると、程なくして彼女がやって来た。

数年ぶりに会った彼女は、時間が止まっていたかのようだった。
まだ大学生で通じるんじゃないかと、本気でそう思った。

「久しぶり!全然変わんないね!」

それは君も一緒じゃないか。笑う時に細くなる目も、血管が透けるほど白い肌も、少し早口で喋るクセも。


それからお互いの空白を埋めるように、何でもない話を延々とした。

元カノは学生時代から付き合っていた彼氏とは別れ、職場で知り合った人と結婚したらしい。

今の旦那さんは元カノが初めての恋人らしく、他の女性を知らないとのこと。
ごめんね旦那さん。

「内緒で元カレに会ってるなんて知ったら旦那死んじゃうかも。」
「あのまま付き合ってたら、あなたと結婚してたと思うよ。結構ずっと好きだったし。」
「もうすぐ子ども迎えに行かなきゃ。話し足りないし、また今度会おうよ。」
「あんまり頻繁じゃない方が良いよね。奥さんにバレないようにしないとだもんね。」

ゾッとするほど淫欲を掻き立てるような事を次々言うなぁと思った。

その日は昔話に花が咲いたのでお茶だけで解散した。もちろん指一本触れてない。

ただ、来月ここでまた会おうと約束した。

つづく。

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