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映画 ボーンズ アンド オール 感想

本記事は、ルカ・グァダニーノ監督の映画「ボーンズ アンド オール」のネタバレ感想または考察を記載したものです。

公開日: 2022年11月18日 (アメリカ合衆国)
監督: ルカ・グァダニーノ
撮影: アルセニ・カチャトゥラン
原作者: カミーユ・デアンジェリス

クソコラを作りましたのでご査収ください。

ボーンズアンドオール ファンアート

amazon primeにて鑑賞しました。

公開当時優先順位が低めだったためあまり前情報なく「ルカちゃんの映画」と思って見ました。映画開始15分くらいで「あまりに音楽が良すぎる!誰なんだ」と思って調べたらナイン・インチ・ネイルズでした。そりゃいいに決まってるだろ!!

ルカちゃんったら、オルタナの神々を使って次々と赤字映画を作って。友人が自身のヒモのことを「本当にクズ男で金をせびってくるけど夜食に作るパスタだけはうまいから一緒にいる」と言っていたことを唐突に思い出しました。

以下は本編のネタバレに抵触するため、未鑑賞かつ見る予定の方はブラウザバック。

向かい合ってるだけで美しい2人

R指定がついているため、過激なゴア描写やエロ描写を含むカニバリズム映画を期待した、、、という人はいなかったと思いますが、全然そういう映画ではなかったです。
マイノリティ同士の”連帯”の幻想や、社会から排斥された折に負った傷、自己嫌悪に言及した映画なんだなと思いました。こう書くとひどく味気なくつまらなそうですが、わたしは割と好きでした。

ルカちゃんの映画は、とてつもない演技力とセクシーさを兼ね備えた俳優さんや、細やかなシーンのおかげで、"とある社会のとある構造を描いた社会風刺"にとどまらずちゃんと生きた人間に見えてくるのが好きなところです。
例えば、ボーンアンドオールでみんなが一番名前を憶えていたのは「サリー」なんじゃないかと思います。自分で自分の名前呼ぶキャラは強い。

可愛いよ、サリー

映画の中で最もキツかったシーンは、旅の果て、マレンがやっと母親と出会うシーンでした。ひいいい、やめてよ、殺さないで。ナイトワークという排斥された職業の生き残り達と、自分の顔を交互に思い浮かべ、マレンと母親両方に自分を重ねました。うう。

排斥された同族であっても、同じ人間ではなく、環境が違うと当然抱える傷も、生きるために選択した信条も変わります。マレン母は、仲間と出会うことが出来ず、ただ、追い詰められてたんだなとキツい気持ちになりました。

ところで、この映画を見て「超似てる」と感じたアニメシリーズがあります。"ユリ熊嵐"というアニメで、「愛を諦める/人間食べる」を葛藤するものです。食べることと性が隠喩されているところも似ています。ボーンズアンドオールのような耽美さはないですが、とってもいい話なので、気になる人は是非見てみてね💜


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