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アラビアンナイトー三千年の願いー 感想

本記事は、【2023.3.3】にシティヘブンネットの写メ日記に掲載された「アラビアンナイトー三千年の願いー」のネタバレ感想または考察を再掲したものです。

公開日:2023年2月23日(日本)
監督:ジョージ・ミラー
原作:A・S・バイアット『The Djinn in the Nightingale's Eye』


タイトルの映画は

アラビアンナイト 三千年の願い


こちら。日比谷TOHOシネマにて鑑賞しました。

期待以上の映像と、期待以上の物語に大満足して帰ってきました。
「アラビアンナイト」は客引きのための苦肉の策みたいな邦題なのかなと思っていたため、中身がアラビアンナイトではないのかもと疑って見に行きました。
実際は、そこそこ適切な人に届く邦題だったので嬉しかったです。物語はほぼアラビアンナイトの組み合わせになりますので、ネタバレというネタバレもないのですが一応ネタバレ線ひきます。

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まず、最大のネタバレとしては「マッドマックスではない」というところになるのかなと思います。
みんな期待したよね、イドリスが戦うの見たかったよね。わたしも野蛮な期待を抱いていきました。
また、この手の劇中劇構造の映画でよくある、ティルダが1人何役もやるような演出はなかったです。
見たかったよね、コスプレしまくるティルダ。そういうの期待したよね。

いまのところ「どういう映画ではなかったか」しか書いてないんですけど、前半は人知を超えた美しさの二人がバスローブでお菓子食べながらお喋りしている映画でした。最高かよ。最高です。もう来てよかったと思いました。

気づけば、わたしも長年恋人がいないんですよね。人と触れ合うのは大好きだし映画も本も楽しいし、今で十分幸せです。他人の人生で満足できる口です。だからお兄様たちの悩みや愚痴を聞くの、とっても楽しいよ。

だから、願いを聞かれたときに今の安寧から足を踏み出すことが怖くて、願いなんてない、というアリシア(ティルダ)に大変共感しました。自分の欲望と向き合うのが一番怖いよね、わかるー!って感じです。

『あれがほしい』等の物欲だったらかわいいもんだけど、欲望の対象は大抵富だけではおさまりません。美貌や名声への渇望、権力欲、肉欲、食欲、知欲と人により様々です。私の場合は知欲と食欲と肉欲に身を滅ぼすタイプかなと思います。まとめるとマッツ版のハンニバルになりたかった人生でした。

話は脱線しましたが、後半では物語が現代に引き寄せられてアリシアが決断を迫られます。それがまたいいんだわ!!(突然の大声)
唐突なラブストーリーって叩かれてたのをうっかり見ちゃいましたが、わたしにはしっくり来ました。ここまでずっと他人の物語で感情を味わって来た彼女が、自分の物語をはじめるのは、とてもロマンティックで自然な流れだと思いました。

なおかつ「愛される」ことだけではなく「愛する」ことを望むというのは大変業が深いですよね。わかるー!愛せるもんなら、愛したいですよね。結婚していたけれど、少しずつ愛せなくなってしまったし、愛されることも望まなくなって無関心になってしまった彼女の願いとしてこんなに業が深いものがあるだろうかと思います。「一人で生きていける」というのは自分の問題でしかないんだけど、ここまでやれてしまったらもうどうしょうもないんですよね。一人でも、すごく楽しく生きて行けちゃうから。

こう1人が長いと、気付けば、インパクトドライバーまで使いこなせるようになっちゃいましたし(余談)

愛しか語りたくないのよ、という台詞もよかったし、、、(しみじみ)

この映画のとても素晴らしいところは、友人と見に行くと、軽率に「3つの願い、なににする」とお喋りできるところかなと思います。これを見るとどうしても考えずにいられないのではないかと思います。かくいうわたしも考えたのですが、マッツになりたいは冗談として、アリシアと同じく「欲望」と呼べるレベルの深いものはなにひとつ浮かばなかったです。そしてそのことに、ショックを受けました。わたしも人と行けばよかったなぁ。


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