場の量子論の計算には、幾つもの波を重ね合わせる計算が必要になるが、これは振動する関数の積分を行う事である。ところがこうした積分は、コンピュータは苦手である。
コンピュータで波の積分を計算する場合、一定の間隔で代表点をそこでの関数の値と代表点の間隔から面積を計算して足して行く。関数が滑らかな時は、この方法で良い近似になる。
ところが、場の量子論の計算では、振動周期の異なる様々な波を重ね合わせるので、周期が変化しながら正負の間を振動する関数も現れる。こうした関数を積分しようとして、一定の間隔で代表点を選ぶ方法で計算すると、誤差が極めて大きくなって、計算結果は全く信用できなくなる。(教科書より)