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リテピ花写

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季節の花は生活に潤いを与えてくれます。心を豊かにしてくれる美しい花たち。 名前も知らなければ、その生態なども知らないまま。ちょっとは知りたいな、そんな私的な関心の記録です。週に1…
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リテピ花写80 ゲンノショウコ 飲むと効果がすぐにでる医者殺し 心を強く持って憂いを忘れる可憐な小さな花

7月から10月にかけて、草むらに 小さなピンクの花が咲いています。 花びらが5枚で筋が入っています。 この小さな花、ゲンノショウコ。 昔から、下痢止めや胃腸病に効果がある薬草です。 なぜ、ゲンノショウコ? 煎じて飲むと薬効がすぐに表れるから 「現の証拠」と呼ばれます。 飲みすぎても便秘もしない整腸生薬です。 そのため、医者いらず、医者殺し、医者泣かせとも呼ばれています。 医者にとって物騒な名前ですね。 西洋でも、「一日1個のリンゴで医者いらず」と言われ、 リンゴが健康食品

リテピ花写79 ワルナスビ  騙されたらだめですよ ナス、ジャガイモそっくりの花

ジャガイモそっくりのワルナスビ。 誰が付けたのかいやらしい名前ですね。 実は、あの植物博士の牧野富太郎氏が名付けたのです。 至る所にとげびっしりあり、毒もあって、家畜に被害を与え、ナス科のためナスの連作障害となり、繁殖力があり駆除しきれない始末の悪さから「悪茄子」と付けたのです。 全草がジャガイモの芽の毒、ソラニンを含むため食用にはできず、家畜が食べると場合により中毒死することもあります。また、果実もおいしそうに見えるので、子供などが口する危険性もあります。 アメリカ原産の

リテピ花写78 ハナセンナ 宇宙を舞うアンデスの乙女

アンデスの乙女。素敵な名前を持っている黄色い花。 はじめて見たときは、変わった形をした可愛い花だなと思って写真を撮りました。花は約3㎝程度の大きさで、花びらは黄色く、上に3枚、下に大きさの違う2枚の、計5枚の花弁がドーム状に咲き、その中のしべも大きく湾曲したりと独特の形をしています。 木いっぱいに咲き誇る姿は、まさに花言葉通り、「輝かしい未来」を象徴するような華やかさを振りまいています。 名前は、ハナセンナ、流通名はアンデスの乙女、以前はカッシアと呼ばれていたマメ科の花なん

リテピ花写77 モミジアオイ 紅いプロペラ 派手さと温和 好かれるその容姿

ハイビスカスに似た赤い花。モミジアオイ。 北米東南部のフロリダなどの湿地が原産で、 ハイビスカスと同属。だから、よく似ています。 沼地でよく自生するので、沼ハイビスカスとも呼ばれます。 7~9月の花期には、15~20cmくらいの大きな5枚の花弁を、朝に咲かせて夕方にはしぼむ。でも蕾が次々と咲きます。 花弁は色鮮やかで表面に光沢があり、細く重なりません。 葵に似た花と葉が手のひらのような細いモミジ(カエデ)の形からモミジアオイと呼ばれ、紅蜀葵(コウショッキ)の別名もあります。

リテピ花写073 ブーゲンビリア 南国の情熱の花は魂の花?

日本では暑い時期に見かけるようになるブーゲンビリア。 南国の花ですね。 昔々、日本が南方を占領していた時、 兵隊がブーゲンビリアの花を見たことが、 復員した後に語られていたらしい。 ことを何かで聞いたことがありました。 原産地は中央アメリカ及び南アメリカの熱帯雨林。 オシロイバナ科ブーゲンビリア属に属する常緑樹で、 赤い花やピンク、紫、オレンジ、白、黄色など種類がたくさんあります。 日本では夏の花のイメージですが、暑い国では 年中咲いています。 といっても、赤やピンクの色の

リテピ花写071 コエビソウ 赤いさやから白い花 私はひょうきんなおてんば娘?

街や公園などで見かけるコエビソウ。 橙色の形がエビのように見えることから、 コエビソウと呼ばれています。 別名は、ベロペロネ。形が矢のように見える?ことから ギリシア神話に登場するベロスの矢とペロネの帯から付けられました。 ベロペロネ、発音するとなんだか可愛い名前ですね。 エビのような形の部分は花ではなく苞(ホウ)で、 淡い緑色から赤褐色に変化していきます。 その先っちょから出ている斑点のついた白いものが花で、 すぐに散ります。白い花が咲いているときに出会えてよかった。

リテピ花写070 ネジバナ 花はねじれても心はひとすじ雑草ではなく小さなラン 一期一会の連続に感謝

適度に湿っていて、日当たりのよい低草地によく生えている小さな花。 クネクネとらせん状にねじれて咲いているネジバナ。 可愛いですね。 よく見ると小さな花はランなんですね。 日本や中国、韓国が原産といいますが、広く世界中で咲いています。 万葉時代から愛でられ、歌にも詠まれ、 花言葉は思慕。 あなたと逢うことがなかったら、こんなに恋しく思うだろうかという 思慕の思いを詠った万葉集の歌から付けられたそうです。 クネクネとねじれているのはそんな女性(男性もか)の思いを あらわしてい

リテピ花写068 南半球の桜? 青い花が涼しい 気品と威厳 世界三大花木 ジャガランダ 紫雲木

遠くに青い花。あれは何? 近づいてみると、見たこともない花。 調べると、ジャガランダとある。 ノウゼンカズラ科・キリモドキ属。 原産国はアルゼンチンやブラジルなどの熱帯アメリカ。 別名、キリモドキ(桐擬き)と呼ぶそうな。 確かに、ノウゼンカズラのような花の形。キリモドキとも呼ぶ. そうこれより大きいが、桐の花にも似ている。 桐の花よりきれいだが。 日本では紫雲木と呼ばれるジャガランダの青紫の花が満開に咲く様子は、 ピンク一色の満開に桜に似て、青紫一色で、 南半球の桜と呼

リテピ花写067 ウチワサボテン 食べられる健康野菜だった 乾燥を生き抜く独特の進化 

公園でサボテンの花を見つけました。 他の花を撮っていたところ、何か黄色い花が見えたので、よく見ると、なんとウチワサボテンでした。まさかこんなところに。誰が植えたのだろう。と思いながらも、さっそく撮影。植物園以外でなかなか見ることができない貴重な花です。 サボテンは2,000種類以上もあり、ウチワサボテンだといっても特定の種類の名前でなく総称で、その種類は300もあります。 もともと乾燥地域で生き延びるために、水分を蒸発させる葉を棘のようにして胴体の茎で光合成をし、内部に水

リテピ花写066 ヤマボウシ 空に向かって飛んでいけ 友情をはぐくみ

初夏になると咲き始めるヤマボウシ。 漢字で書くと山法師。 真ん中の丸い頭状のものが小さな花の塊で、 花びらに見える白いのは葉が変化した総苞片なんですね。 丸坊主を比叡山延暦寺の法師、 白い総苞片を頭巾に見立てて山法師と名付けられました。 名前はヤマボウシですが、心地よい初夏にヤマボウシを見ると、 気持ちよく空に飛んでいこうとしている仲良し群団に見えます。 風に揺れるさまは、まさに飛び立とうとしているようです。 ヤマボウシの花言葉は、友情なので、 青空に白い蝶のように群れ

リテピ花写065 アカシアと呼ばれているのにアカシアじゃなかったの? アカシアの蜂蜜もニセ? ニセアカシアはハリエンジュ

白い藤の花のように咲き、あたりに甘い香りを漂わせるニセアカシア。 これで、横に這うつたに沿ってぶら下がっていたら藤そのもの。 よく似ています。 この木、ハリエンジュは、ニセアカシアと呼ばれています。 一般的にはアカシアで通っています。 歌や通りの名前、蜂蜜でよく聞くアカシアはこの花なんですね。 でも、本名はニセアカシアなんです。 そう、明治時代に持ってこられたときに間違って アカシアと付けられました。 後で本当のアカシア(ミモザ)が出てきたのです。 そこでニセアカシアと呼

リテピ花写064 ツツジはツツジでも、ミツバツツジ。山に咲く薄紫の可憐な花

クロスバイクで出かけ、山道を歩いていると、薄紫の可憐な花の姿。 山ツツジのミツバツツジ。 都会の公園や庭にも多いヒラドツツジと比べて、 山や雑木林にひっそりと可憐な華やかさを見せてくれます。 園芸種はほとんどなく、都会で見る機会は少ない。 というよりも見たことがないですね。 色は薄紫色が多いのですが、 中にはオレンジ、ピンク、白、赤色もあるようです。 葉より先か、同時に咲くので、 細い枝に花だけが咲いたようで、美しさがひときわ目立ちます。 枝先に三枚の葉がつくことからミツ

リテピ花写063 ブルーじゃないけれど、ネモフィラだよ

各地でネモフィラまつりが開催されています。 一面に広がるブルーの光景は、 まるで青い水面を眺めているようなさわやかな気分になります。 ところが、見てください。黒色。 白い縁取りが、可愛い印象を与えていますが、 青とは全然感じが違いますね。 これもれっきとしたネモフィラです。 ネモフィラには、5つほど種類があります。 一般的なブルーは、インシグニスで2センチ程度の花が横に広がり、 広い所では見事な景観を作り出します。 この黒いのは、ペニーブラックと呼ばれる品種で、 花は

リテピ花写062 知らなかった。レンギョウも多様 桜とのコラボが美しい

桜が満開になる少し前、 黄色い小さな花が枝に一杯に咲いているレンギョウ。 明るい黄色で、あたり一面に春の雰囲気を演出してくれています。 枝がそれぞれの方向に延び、 黄色いぼうぼう頭のようになっています。 いち早く春を告げる花として愛されるレンギョウ。 あの彫刻家で詩人の高村光太郎の愛した花で、 命日は連翹忌とも呼ばれています。 中国原産のレンギョウの花の名は漢字で連翹と書き そのまま発音しています。が、実はこれがまちがいだったのです。 中国ではもともと漢字の連翹は、 トモ