客家の里 東方美人
またの名を、白毫烏龍茶とか、膨風茶ともいう。
台北から、新幹線とバスを乗り継いでたどり着いた老街には、このお茶を専門に扱うお茶屋さんが、少なくとも2軒あった。
生産者でもある店の主が、自分と製茶工場が掲載された英文の雑誌を見せてくれた。お店の奥にいた息子さんも紹介してくれた。家業を手伝っているのだという。主は、お茶を売ることよりも、農家として生産する方が好きだと言っていた。
お茶についてのやりとりは、英語も日本語も通じず、主がスマホに台湾華語を喋り、日本語に訳されたものを私が読む形式で、ああ、私に台湾華語が話せたらと、少し寂しかった。
もう、台湾で、かつて日本語を話していた人たちは現役ではなくなっているのだろう。
「じゅうご・びょう」
主がお茶の抽出時間だけ、日本語で言った。
え?!間違ってない?ほんま?短すぎんかな?でも、15秒だそうで、淹れてくれたお茶は、ほのかな甘みと、確かに東方美人の香り。水色(すいしょく)はもちろん淡い。
紅茶に近い発酵度でも、こういう淹れ方もありなのか。台北のお茶屋さんでも、試飲させてもらった青茶がとても淡く、新たな風味発見だった。
宵越しのお茶は飲むなというが、東方美人茶の店の主は、「昨日も日本人が来てくれて・・・、○○さん、台北に住んでる人、知らない?その人と飲んだお茶がこれ」と淹れてくれたのは、まさに、宵越しのお茶。それもありなのか。お味は・・・まあ、良しとしよう。
さて、台湾を思いつつ、東方美人を淹れたこの日は、6月13日でした。
お昼は、サンバルペーストで焼き飯。マレーシアを思い出すナシレマの味。
夜は、ヒレカツ。おやつはチョコレート。
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