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Mooncake 月餅を作る

3か月に1回、マレーシアのクアラルンプールに通って勉強していた数年間。郊外のキャンパスへの拠点駅はモールに隣接しており、食糧確保、息抜き、日本にはないお店での買い物などにとても便利でした。中秋節が近づくと、特設コーナーが設けられ、まるで、バレンタインの日本の百貨店のよう。

それまでに、いや、今に至っても、一番おいしかった月餅は、中国茶の先生のお宅でいただいた小さなもの。あんには、いろんな素材がぎゅっと詰め込まれていました。それまで月餅に抱いていた固定観念を吹き飛ばしてくれた美味なる経験。

その固定観念とは、「1個が大きくて一人ではもちろん、二人でも無理」「大きいくせに甘すぎる」「味が単調」「パサパサして、お茶がいくらあっても足りない」と、手が伸びないお菓子でした。お土産でいただくと『困ったな』。

しかし、中国茶の先生宅でいただいたちっちゃい月餅との出会いから、がらっと印象が変わりました。でも、カナダ留学を機に生活が変わり、中国茶から遠のいたと同時に、中国菓子とも縁がなくなっていました。

ただ、その月餅の味は忘れていなかった。いつか、あれと同じようなものを探したい。いや、なければ、自分で作れないか・・・。今では、中華街などでも、小さいサイズの月餅を見かけるようになりましたが、当時は、ずしりと重いものばかり。ただ、本来の月餅が大きいことには、家族で切り分けて食べるという意味があったのだと思います。

そして、時を経て、台北の老舗餅店「犁記」(餅=菓子)を訪れたとき、平らな円形の月餅はどうやら中国式で、台湾のそれは、こんもり丸いのだと知りました。玉のように丸くてかわいい。いろんな味があってどれもおいしそう。アヒルの卵の塩漬け、鹹蛋(しぇんたん)が入っているものは、あんこの甘さとほどよいしょっぱさのバランスが絶妙でした。

月餅の写真が見つからない代わりに、お店の外観だけでも。忠孝新生駅と松江南京駅の中間くらい。

さて、いよいよ、let me try! 作ってみました、台湾の月餅。中はこしあんです。アジア系食材店で探したけどなかった塩漬け卵。ネットではなく、実物を見て買いたかったので、あんこだけにしました。

最近、台湾製のお菓子の型が手に入ったので、同じレシピで、再度作ってみました。こちらは厚みが薄い分、サクッと仕上がり、おいしかったです。

次回は、クルミや松の実を入れてみたい。木の実を入れるのは中国北方伝来の作り方なのだとか。

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