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お薬手帳アプリの注意点|インストール前に知っておきたいこと!

お薬手帳アプリの数あるメリットは、多くのサイト等ですでに紹介されています。でも、初めての人はどれを選ぼうか吟味しているうちに、フェードアウトなんてことも…。
せっかくインストールするからには、失敗したくないですよね。
そこで、今回は、薬剤師から見た、ほんの少しの「お薬手帳アプリのデメリット」について、ご紹介します。

1:多くのメリットの裏に少しのデメリット

まずお伝えしたいのが、お薬手帳をもつことは、デメリットよりもメリットのほうが多いということ。しかし、どんな便利なものにも、多少の不便さがあったりしませんか?
そんな少しのデメリットを上回るメリットを感じるから、ユーザーは増え、アプリ参入企業が増えてきているのでしょう。

【 ほんの少しの デメリット 】
① アプリによって機能が異なる
② 長い間さわらないと再ログインが必要
③ 端末を変えると、再度インストールが必要
④ 提供側の都合でサービス停止
⑤ バッテリーやパケット通信料が必要

これらの②~⑤については、どんなアプリでも同じことで、当然だという人も多いと思います。対して、①の機能について、詳しい説明をうけたことのある人は少ないかもしれません。

2:アプリによって異なる機能とは?

基本的な機能はみな同じ。差別化されたプラスアルファの機能以外は、無料で使えます。
基本的な機能というのは、たとえば、処方薬の情報をQRコードをつかって登録する機能や、処方せんの画像を薬局にむけて送信できる機能など。
これらは、備わっていてほしい最低限の基本機能といってもよいでしょう。

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↑NTTドコモさんが提供するお薬手帳アプリ「お薬手帳Link®」のTop画面を氏名の部分だけ修正したもの★氏名は本名で登録を★


対して、異なる機能というのは、たとえば、毎年の健康診断でわかる血液検査の結果値や、毎朝の血圧測定値をグラフ化できるものなどが該当します。

半分以上のアプリで備わっているものに、日本薬剤師会の提供する「e薬Link (イークスリンク)®」(公益社団法人 日本薬剤師会の登録商標   登録第5957355号)と呼ばれる閲覧サービスがあり、これは便利です。
これがあると、併用薬は ”ワンタイムパスワード” を発行する(アプリ内の機能をつかう)ことで、薬局側のパソコンにて一時的に閲覧してもらうことができます。
つまり、薬局の薬を受け取るカウンター上で、スマホ画面を見せなくてもよいのです。
ただし、薬局側でこの「e薬Link®」を導入している必要があります。気になる人は、薬局で聞いてみましょう。導入している薬局では、待合室などに次のロゴマークを掲示していたりします。

イークスリンク画像土語


※対応のお薬手帳アプリ一覧をcheckしてみよう!(出展:日本薬剤師会公式サイト)

3:おすすめ以外に自分で選べる

患者さんから、「薬局ですすめるアプリ以外は、ダメ?」と聞かれることがあります。答えは、Noです。
せっかく使うなら、自分で好きなアプリを便利に活用しましょう。

たとえば、アプリ内に ”薬局検索” という、一見、便利そうな機能があったとします。でも、検索できる薬局は、そのアプリの販売会社と契約している薬局しか、調べられなかったり…。

あるいは、この薬について知りたい!と思ったときに、薬の情報を検索できる機能が備わっているものもありますが、すべてのアプリにある機能ではありません。
最近では、LINEのトーク機能で簡単に薬局へ質問ができたり、処方せん画像が送れたりするアプリも登場!質問は、いつものLINEメッセージを送るのと何も変わらない操作のため、これまでの手帳アプリとは一線を画す機能ともいえるかもしれません。

そこで、いま使っているアプリから、ほかのアプリに乗り換えたい!と感じた人もいる筈。
実は、アプリによっては、これまでの蓄積したデータを、別のアプリに移行(エクスポート)できるものもあります。

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人によっては、「薬局はいつもの所にしか行かないから、そこでおすすめされたものでいい」と、考える人もいるかもしれませんね。
でも、緊急入院したり、引越したり…。状況の変化は予測できないもの。
どの薬局でも、どの地域でも使えるものが理想です。

4:手帳があると薬局の会計ちがう?

薬局でのお会計は、色々な条件や算定方法によって計算されていて、手帳の持参有無でも変わります。

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令和2年(2020年)3月末まで、薬局ごとの設備条件や経営体制などによっては、手帳の持参有無で変わらないところもありました。
令和2年4月から、手帳持参で会計が安くなった理由は、 ”調剤報酬制度” ※1 が改定されたからです。現在のところ、2年おきで見直し(改定)されています。
全国の薬局で、この制度にしたがって会計を算出し、公的な届出が必要なため、薬局独自に、高くしたり低くしたりはできません。

どちらに該当しているのかは、患者さんが見える場所に掲示する決まりになっているので、薬局内を探してみましょう。

実は、わざわざ掲示物を探さなくても、会計の詳細は、薬を受け取るときにもらう ”調剤明細書” に書かれています。
この明細書は、無料の場合でも、患者さんの断りがなければ貰えるものです。

※1 会計の算定方法における詳細は、とても細かい内容になるので、ここでは割愛し、別の記事で書きたいと思います。
イメージを参考になさりたい方は、令和3年4月1日 日本薬剤師会作成「調剤点数表」のうち、『第2節 薬学管理料』をご覧ください。

5:薬剤師の私がもつなら。

ここまでお読みいただいた方に、薬剤師の私がもつならコレ!というアプリを、個人的な見解からご紹介します。※2

私が重視するポイントは、上記2「基本的な機能」のほかに、次の機能があること。

【 薬剤師”酒ときどき薬” の重視する機能 】
☑ 血液検査値をグラフ化できる
☑ ワンタイムパスワードが発行できる
☑ 医薬品検索(市販薬ふくむ)ができる
【 薬剤師”酒ときどき薬” のおすすめアプリ 】
① ポケットファーマシー販売株式会社「Pocket Pharmacy®」
② ホッペ株式会社「ホッペ®」

上記の①②の共通点は、数々の実証実験をかさね、アプリ開発者とアカデミアや行政などが連携して、未来をみすえた機能を開発していること。
ちがいは、シンプルかボリューム満載か。
私的には、ITリテラシーの高い人へは②を、シンプルに必要最低限で便利に使いたい人へは①を、おすすめします。

とくに②では、コロナワクチンの接種記録もできるといった、まさに今時な機能も日々、更新されているみたいです。

※2 手帳アプリ選びで大切なのは、本人が楽しく使いこなせること。その人によって重視点もメリットも、感じる部分はさまざまです。

ー♪ー♬ー(*´з`)/ Thank You★☆彡ー

以上、今回は、薬剤師の私からみた、お薬手帳のほんの少しのデメリットをふまえた、インストール前に知っておきたいことについて、ご共有いたしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!

今、何かしらの疾病とともに生きている方へ、この記事が少しでも、”楽しく” 薬と向きあうキッカケとなりましたら、嬉しい限りです。

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