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注意欠陥・多動性障害(ADHD)ってそもそも何だ?~自分の障害特性②

全3回。前回のASDについて解説した記事はこちら。

ADHDをわかりやすく言うと、
生まれつきの脳機能の違いにより、落ち着きと集中力に由来する物事への取り組み方に支障が生まれる障害。

あらかじめ自分の特性を知っておくことで、ミスや失敗をある程度予測して事前に防ぐことができます!

ADHDの症状について

ADHDの要素が強いと、衝動性・集中力の波・時間管理の苦手さが影響する。

① 集中力・注意の特性

過集中と無関心の振れ幅が異常

今現在自分が興味関心のある事柄であれば何時間でも集中できるが、興味がない事柄に関しては全く意識が向かずシャットアウトしてしまう。オタク的な興味関心の幅というよりかは、今現在やっている行為行動に関しての集中。

「勉強そっちのけでゲームをやったりスマホをいじって、翌日の定期テストがボロボロになる」という学生時代のあるあるが病的な次元まで行ってしまう。その結果締め切りギリギリまで動けなくなったり、1~2分の遅刻を繰り返したりする。

気が散りやすく、思考が飛びやすい

やらなきゃいけないタスクの最中、頭の中に別の事柄が浮かんでくるあまり作業に集中できなくなる。結果的に作業そっちのけでSNSやサブスクを見たりする。もうホントにこのイラストの通りです。

「ぼーっとしているように見える人は、頭の中で別のことを思考しているのだ」というのがまさにそうで、知らない間に思考と集中力がどこかに飛んでいる。過集中のフラグ。

優先順位をつけるのが苦手

やるべきタスクを並べた時に、「今はそれをする時間じゃない」と分かっていながらもやめられない。結果的におもいっきり遅刻する。

やりたいことが多すぎるあまり、本当にやらなきゃいけないことに対してプライオリティが下がってしまう。行動だけではなく、会話中にどうでもいい部分まで事細かに話してしまって「クドい奴だ…」と思われる。僕は初めて行ったメンクリで、この特徴から自分の障害を見抜かれる。

時間感覚がズレやすい(時間を見積もれない)

移動時間や準備、仕事に対してどの程度時間がかかるか推定できないので、いつも時間配分を見失いがち。処理速度も低いので、周囲を見つつ「自分もこのくらいか…」と予測しづらい。

制限時間ありきで、80%の完成度でテキパキ物事を終わらせることが求められる仕事でも、ヘンな部分にこだわるがあまり正確ではあるけれども時間がかかりすぎてしまう。細部にこだわらなくていいならあらかじめ言っていてほしい。

先延ばし癖がある(タスク開始が遅い)

追い込まれて危機感を感じてようやく動こうとする。現実逃避癖。

タスクの先延ばしだけでなく、浪人・就活失敗とか、大抵のつまづきの根底にあるのはこれ。「何とかなるっしょ」が結局ならない。危機感を感じた時にはもう遅い。ただ一度ヤバさを知った物事には強い。

②多動・衝動性由来の特性

脳内多動

頭の中で常に様々なことを考えていて、休まらない。よくよく考えてみれば注意欠陥の全ての元凶な気がする。投薬で頭が静かになり集中できるようになるのもこの理屈。

印象に残った音楽が頭の中でループするように、その日の出来事や興味関心のある出来事などが常に頭の中をよぎっている。あまりに当然すぎて、自分はこれがとんでもなく強いというのを社会人になるまで気付かなかった。

軽い身体的多動

1箇所にずっと止まっていられたとて、周りをキョロキョロ見渡したり手遊びをしたり足を動かしたりと軽い多動が止まらない。幼少期から現在にかけて徐々に減少傾向にある。

駅のホームにじっと立って電車を待つことができない。常に両端を行ったり来たりしている。映画館は毎度かなりの苦痛だが、ゴムボールを手にして最大限配慮しつつ握りしめていたらだいぶストレスが和らぐというライフハックを発見した。

衝動性と飽き性

思いついたことを突発的に口に出すようなデリカシーの無さ、気になったらすぐ調べてイベントに参加したり本を買ったりという異常なフットワークの軽さ。その分マイブームが過ぎ去るのも早い。

時にアクティブな人間に見られるのはこういう理屈。だが先を見ることができずに後で痛い目を見たり、買っただけで読んでいない本が増えたりするのが情けない。

③動作のコントロールへの支障

動作が不器用

体を動かす際の「力の加減」がコントロールしづらく、動きが衝動的になる。注意しないとドアにぶつかったり物を壊したりする。Aの行為をしながらBをするというマルチタスクに苦戦したりする。手先も不器用。

いつまで経っても楽器が上達せず音楽を諦めた自分がその典型例。ドラムを叩けば無駄な力が抜けず、弾き語りをしようにもコード進行を覚えながら歌が歌えない。おまけに体の力が抜けない。難なくこなす周囲を見て努力の限界を悟った。

注意力の散漫さでミスが増える

今やっている物事に100%集中しきれず、結果としてミスが増える。結果としてヒヤリハットが増える。見逃してはいけないものを見逃したり、絶対に忘れてはいけないものを忘れたりする。無くしものや課題の失念なども多い。

あまりの運転の下手さに、取得した自動車免許の更新を意図的にほっぽらかした。きちんとメモやスケジュール管理をしていないと、予定自体を忘れることもある。そのたびに冷や汗をかく。

まとめ

ASDはコミュニケーションや物事のインプットの回路の問題に起因する特性が多いイメージがありますが、ADHDは思考の多動や注意の方向性のばらつきによる日常生活への支障がメインであるという印象があります。

自分自身の体感ではASDが9に対してADHDが5くらいの割合で混在しており、時にASDの几帳面さがADHDのテキトーさを打ち消すこともしばしばです。

周囲の適切なサポートがあれば、「愛すべきダメなヤツ」という評価で済まされるケースも多いそうですが、その度に弊害が出ているようではやはり笑い話では終わりません。僕自身は世渡りが全くうまくないので、あらかじめこのように自分の特性を認識し、弊害を最小限で済ませられるように日々工夫を重ねています。

次回の記事では自分自身の症状を踏まえて、どんな環境や仕事が自分にとって向いているかを考察していきます。

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