見出し画像

under_the_leftさんに教わる鍵盤楽器のコード弾き(#under和音会) part I

under the left(@under_the_left)さんとは2020年の秋にあった、コンサートでご一緒して以来、着かず離れず、お付き合いさせていただいている音楽仲間です。underさんともleftさんとも呼ばれますが、私は少数派のunderさんと呼んでいます。(冒頭写真はunderさんのtweetから。右がunderさん)

その当時、underさんは電子笛を吹いておられて、自在なサックス演奏はみんなの憧れでした。underさんは小さい頃はいわゆる音楽教室に通っておられたようで、鍵盤楽器も弾かれます。音楽理論もみごとに習得されています。でも一つの楽譜をじっくり弾くというタイプでは無くて、耳コピをしてその場の雰囲気でどんどん演奏を進めるという方です。

そんなunderさんは2024年6月になって仲間に声をかけて、#under和音会 を始めました。underさんが鍵盤楽器でコード弾きを教えてくださるという、私にとっては願ったり叶ったりの素敵な教室です。私は普段は楽譜通りに弾くというタイプで、その場で弾いていくということができません。これまで何度かコード弾きに挑戦したことがあります。本を買ったこともあります。でもそのたびにくじけてしまいました。なんででしょうね? 必要性がそれほどなかったとか時間がないとかありますが、やっぱり腑に落ちないというのが一番大きいと思います。何か足りないのです。

今回の #under和音会 はまだ数回しか行なわれていませんが、まさに目からうろこが落ちる思いを毎回しています。楽譜が無いと弾けないという鍵盤弾きがコード弾きに挑戦するその様子をお伝えしたいと思います。そういうことで、この文書は私がunderさんの教室でどう学んだのか、どう苦労したのか、どう体得したのかを書いています。でも本文はunderさんによる監修をいただいておりますので、若干安心ですね。

レベル1 根音だけ片手で弾こう

CはドでDはレで、というのはご存じですよね。分からなければ調べてみてください。underさんは鍵盤に書いておくのもいいとアドバスされていました。

それで、コード弾きというのは、下の図のようなコードと歌詞だけで伴奏を弾いてみようということです。


普通の教室であれば、Dはレとファのシャープとラの3つの音を1の指と3の指と5の指で押さえて、それから……となるはずです。

いえいえ、underさんの場合、もっとも重要なのはルート(根音)で、Dであればレ、Aであればラ、Gであればソ、これを弾ければ伴奏になるいうわけです。確かにその通りで、1小節の最初の根音を外さないようにまぁちゃんさんからはいつも言われています。1小節の最初の根音を弾ければ80点だそうです。80点ですよ。ですからこのルートを弾いただけで伴奏はほとんど完成です。

その際に、DmでもD7でもDでも、根音はDなので、レと弾きます。まさしくその通りですよね。実際に弾くと意外といけます。根音はすごく重要。

レベル2 5度上の音を加えたパワーコードで弾こう

CDEFGABC(ドレミファソラシド)が分かっていれば、ルート(根音)だけで伴奏になるというのは凄いですよね! ここまで割り切った教え方も珍しい。underさんの #under和音会 はそういう意味ではまったくの鍵盤初心者からも入れるように作られています。

次は、5度上の音を根音に加えます。5度って「ピアノの白鍵と黒鍵の両方を数えながら7音右に移動」とか「全音、全音、半音、全音の完全5度」とか説明されますが、underさんの説明では、親指を根音において、小指のあるところ、ドだったらソ、レだったらラのように説明されます。根音と5度上の音を同時に弾くことを「パワーコード」と言うそうです。

このパワーコードを右手で、根音を左手で弾きます。根音と同じで、またDmとかD7は全部Dで弾きます。なんでかといえばDmもD7もDもパワーコードの部分はまったく同じだからです! すごい割り切り方! 

実際に弾いてみると、これだけでかなり豊かになることが分かります。えええってくらい音色が豊かになります。

underさんによれば、パワーコードはロックみたいなエレキギターでよく使われる手法であるんだそうです。

レベル3 リズムをつけよう

ここまでのところは楽譜弾きの私は問題ありませんでした。瞬時にどのコードも出せます。B♭でもD#でもすぐできます。もっともunderさんは、A#(B♭)とBだけは、黒鍵と白鍵が入り交じるけど、あとは根音が白鍵であれば5度上は白鍵、根音が黒鍵であれば5度上も黒鍵と教えてくれました。なるほど、この覚え方だったら初心者でもすぐに取り組めるでしょう。

それで、ここから私は悩みました。さっきのキラキラ星はただ、淡々と抑えていけばいいのでOKです。理屈もOKです。でも、次にunderさんからカラオケで歌えるくらいに慣れ親しんでいる曲を選んで弾いてごらん、って言われて曲をえらびました。でも、それからどのようにリズムをつけたらいいんでしょう?

underさんによれば、左手はバスドラムに、右手はスネアに合わせて弾きなさいとのことです。バスドラムはたぶん、あのドスドスドスドスとあるやつでしょう。スネアって? あー、検索するとでてきますね。小太鼓ね。ということは、原曲をYouTubeとかで聞いて、耳コピしてみなさいということなんですよね。いえ、それが私には難しいのです。

そこで、underさんにどのようにリズムをつけるのですか? お手本はって頼んだら、その場で弾いてくれたのですが、すでにちゃんと原曲っぽい感じで「ずんちゃちゃ、ずんちゃ」と弾くと示してくれました。ここで「ずん」はバスで、「ちゃちゃ」はスネアです。それぞれ左手と右手で弾きます。をを! 伴奏になっている! 感動!

ずんちゃちゃ、ずんちゃ

underさんによれば、「左手ベース、右手でギターみたいな上の方」という表現もできるとのこと。なるほどですね。

学んだこと

一曲に拘らず、たくさん弾いてみる

楽譜弾きは、一曲の完成度を上げるために、楽譜を読み込み、考え、弾いてみては、さらに工夫を凝らして……。ということで、かなりの時間を一曲にかけます。数年経って同じ曲に戻っても、技術や解釈が向上しているので、さらに上を目指してまた楽譜を研究して、読み込みます。

ですが、コード弾きは一曲を大切にしないという訳ではありませんが、むしろたくさんの曲にあたって、慣れることや手癖をつけることや、いろいろなパターンを身に染み混ませることを目指します。改めてこれを認識しました。これは大発見でした。だからキラキラ星はもう一回弾いたらいいんです。次に行けるんです! 完成度を上げるよりも次に行きましょう。次の曲も「ずんちゃちゃ、ずんちゃ」を弾けるようになったら、次に行きましょう! 別なリズムを身につけた方がいい。この目から鱗が落ちる思いはunderさんに感謝しても感謝しきれないほど大きな転換でした。もう立ち位置がぜんぜん違う。チャレンジすることに大きな意味がある、次の曲から学ぼう、とても励まされる思いでした。

実際、この立ち位置が全然違うことが分からなかったから、腑に落ちなかったからこれまでの私のコード弾きの試みは失敗していたと思います。underさんにとにかく感謝です。なぜコード弾きなのか? この原点を見た気がします。

楽譜を書くよりも、体で覚える

「ずんちゃちゃ、ずんちゃ」の時には思わず、分からないので楽譜で書いて欲しいと頼んで書いてもらったのですが、underさんの期待していることは、むしろ耳で聴いた音を手で再現することです。

どうしても楽譜弾きは、楽譜がないと弾けないという見えない心の縛りがあります。これから脱する必要があります。私は聴いて、曲を再現することもできないし、歌うことも苦手です。こんな曲でしたと伝えることができないです。ソルフェージュは嫌いだったし、鍵盤弾くのになんの意味があるか理解できませんでした。

そもそも楽譜弾きは聴き取って再現するということよりも、読み取って再現することを重視していたので、またしても立ち位置がコード弾きとは全然違うわけです。聴き取りのレベルはかなり違うのですが、ここはチャレンジして聴き取ったレベルで、再現できるレベルで再現することを繰り返すことが重要です。

つづく

次はたぶん3度を入れるのでしょうね。そうするとメジャーとマイナーがでてきて、それから7thかな。私は転回も興味あるのですけど。続きをおたのしみに!

おまけ

まだ大活躍しているということはないですが、レベルが上がってくるときっと五度圏表が活躍することになるでしょう。underさんのBoothで販売中です!

謝辞

「音楽性の違いにより解散」がまかり通っているこの音楽の世界で、underさんとなんとなくご一緒できていることは本当にありがたいことです。今回は #under和音会 を主宰してくださり、私は念願のコード弾きの入口に立つことができるようになりました。私にとって技術面もとても勉強になりますが、むしろ立ち位置や考え方がとても勉強になっています。重ねてunderさんに感謝申し上げます。


いいなと思ったら応援しよう!