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じゃない系の韓国移住#1土の上を歩く【コラム】

ときには動画を無視してコラムも書いちゃいます!


韓国でセカンドライフ始めました

Lita39は日本国内では東京も田舎も地方都市も住んだことがあります。そして中年となった今、韓国が住み心地がいいんですよ。韓国語はほとんどできないにもかかわらず。日本で韓国というと、芸能、コスメ、ファッション、グルメに興味がある人が多いですね。でもLita39はそのどれにも興味がありません。いわゆる「韓国ファン」じゃない系です。でも住んでみて「ここが好きだ!」と心から思います。その理由をお話ししようと思います。

韓国で知った「住みやすさ」

韓国でLita39が住んでいるのは、ソウル中心部まで地下鉄で1時間ほど、人口50万人程度の中規模都市です。ここは1980年代後半、韓国政府がソウルの一極集中を緩和すべくソウル郊外に計画建設した大規模ベットダウンの一つ。それまで一面の農地だったところへドーンと線を引いて居住区、商業区、レクリエーション区(?)などに分け、本来の地形を生かしつつも整然とした街を作りました。
計画都市と聞くと無機質なイメージですが、ところがです。計画都市であるからこそ、たくさん自然を残しているんです。便利なのに緑がいっぱい。人が多いのに静か。樹木や広場がたくさんあり贅沢な空間設計。計画都市の良さを毎日のように感じます。これが老いゆく私にちょうどいい住みやすさなのです。

Lita39の住むエリアは徒歩15分内にデパート2つ、大型スーパー3つ、スタバはたくさん、大体10分歩けば次の地下鉄駅に着きます。これほど商業地区が栄えているのに、家の前には一周徒歩1時間の大きな公園、森、自然遊歩道と自然だらけ。居住区と商業区をつなぐ道は両側に樹木が植えられた広い遊歩道で、車の騒音や商店の呼び込みに煩わされず地下鉄駅から家路につくことができます。

近所から延々と続く自然遊歩道
寒い時期なので川が凍ってます
もともとあった湖は大きな公園に

さまよう高齢者を生む日本の地方都市

Lita39が日本の地方都市に住んでいたとき一番つらかったのは、ほっと一息つけるような場所がないことでした。大きな自然公園は遠方にあり、車が運転できない私には行けません。近所で散歩をするときは車をよけながら住宅街のアスファルトを延々と歩くだけ。私は長い間「ああ森の中を、土の上を、くたくたになるまで歩きたい」と思っていました。

当時私は駅前の商業施設で働いていたのですが、ここは開店から閉店まで店内を亡霊のようにさまよう高齢者の吹き溜まりと化していました。商業施設側はそんなお年寄りを嫌って休憩用のいすを撤去したり、長時間占有禁止の張り紙をしたり。商業施設しか居場所がない高齢者がなぜこうも多く、そして放置されているのか。これは、人間の暮らしやすさや幸せを「物の豊かさ」や「街が賑やかになること」という経済発展と同一視してきた結果だと思いました。あちこちの地方都市で見られる現象ではないでしょうか。

韓国も経済発展至上主義ですから、このような高齢者はいることでしょう。しかし私がいま住む街に限って言えば、高齢者たちは家から徒歩で、あるいは地域バスに乗って公園や山にきてのんびり散歩しています。高齢者会館は元気な老人たちでにぎわっています。お金を使わなくても、四季折々の自然に囲まれ家族や友達とぶらぶらできる居場所がたくさんあるのです。豊かな社会」という言葉が頭に浮かんできます。

「丁寧な暮らし」では得られなかった「豊かな暮らし」

そうです、韓国がいい!っていうより自然のある街がいい!って話なんです。移住にあたって「国」はそんなに重要なことではないかもしれません。

では何が重要か?これは一人ひとり違うと思います。
Lita39には「空間」がとても大切です。これは頭で考えてわかるものではありませんでした。

私はずっと以前、東京で「丁寧な暮らし」をしていました。仕事の都合で仕方なく都心に住みつつも、できるだけ自然に近い暮らしをしようと衣食はオーガニックにこだわり、みそ手作りなどもけなげにやってました。ネット情報が今ほどなく「丁寧な暮らし」という言葉すらない時代。そんな暮らしは面白かったけれど、でも実はどこかに「これじゃない」感が常にあったのです。「これだ」という正解がわからないまま。

そして日本を飛び出し、韓国ではない、とある海外の大自然のなかで暮らしはじめて、その「これだ」が見つかりました。私が欲しかった自然に近い暮らしとは「オーガニック」でも「手作り」でもなかったのです。それは「空間」でした。視線をずっと空の先にのばしていけるところ、なん十キロも遠くから吹いてくる風を感じられるところ。人工物がなく広々とした爽快な空間。
食べ物やせっけんがオーガニックか否かなんて重要ではなかったんです。私が渇望しつつも名前を知らなかった暮らし。それはたとえていえば原始時代に我々の祖先が地平線に夕日を眺めている、そんな自然との繋がりを五感で感じる暮らしでした。

今Lita39が住む韓国の街は前述のように商業施設の栄えた所です。おしゃれなカフェ、おいしいレストラン、四季折々のイベントといった都会の良さがあります。ただより重要なのは、友とおしゃべりしながら歩き続けられる土の歩道があり、天気のいい日に鳥の声を聴きながら本を読めるベンチがあることです。そしてそれを私は韓国で見つけることができました。

日本人観光客の方へ

Lita39はソウルで働きソウル市内に住んでいたこともあるけど、郊外は雰囲気が全く別で人々もリラックスしています。観光日程に余裕のある方はぜひ郊外にも足をのばしてみてね💛Lita39の紹介した場所に興味があったら教えてくださいね。

それでは今日はこのへんで。
次回は韓国人についてです。アンニョン~

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Lita39(英中動画ウォッチングの会)
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