私とレット・イット・ゴー〜ありのままで〜
数年前に映画「アナと雪の女王」が大ヒットしていた時期の話です。
劇中でエルサ役を演じられた松たか子さんの歌のイメージはあまりなかったのですが、聞いてみると力強い歌声で勇気をもらうこともありました。
そんなレット・イット・ゴーにまつわるエピソードがあります。
私が入社した会社では入社して3ヶ月後くらいのタイミングで、全社員が参加するパーティのようなものが催されていました。
そこでのコンテンツの一つに新入社員からの出し物ということで、新入社員だけでダンスをしたり、小芝居をしたり何か行うというものがありました。
社員数がそこまで多い会社ではなく、新入社員も人数が多くないため、新入社員全員で何かをやらせるということで同期の絆を深めるという目的があったようですが、当時はいきなりこれから長い間仕事を共にしていく諸先輩たちの前で下手なことはできないというプレッシャーを抱えて同期で悩んでいました。
出し物を考えていた際に、ちょうどアナと雪の女王や進撃の巨人、あまちゃんが流行ったりと色々なコンテンツが流行していたので、同期でそれぞれ流行のものにコスプレをしてモノマネをしていくということをやることにしました。
最後に色々なコスプレが入り混じり、全員で女々しくてを踊って歌うということで楽しく締めるということでなんとか乗り切ろうと決めました。
次に配役を考えることになったのですが、同期からの押し付けと私自身の希望(私の希望が多くの理由でしたが笑)で私は初っ端にアナと雪の女王の「エルサ」役を女装して登場し、レット・イット・ゴーを歌う役を担いました。
なんと言っても歌声の力強さが必要だと思い、本番までの間に何度お風呂場で歌ったか分かりません。
練習を重ねて歌詞を覚えて、高音のところも裏声を使って歌うことにして自分的には形になったと思いました。
問題は衣装でした。
ネットでエルサのなりきりセットのカツラと青いドレスを注文したのですが、カツラはサイズがあったものの、ドレスはぎりぎり入るくらいで着ると息苦しさを覚えるサイズ感でした。
前日に試しで来てみようと思い、届いたドレスを一人暮らしの部屋にいる時に着たのですが、着れたはいいものの汗でドレスが体に張り付いてどうやっても一人で脱ぐことができません。
本番に着るのでドレスを切ったりすることもできないため、焦って余計に汗を書いてドレスが張り付く一方の状況でした。
ただ、幸いなことに当時は会社で用意されたマンスリーマンションに同期が住んでいたため、連絡をして家に来てもらい無事にドレスを引き剥がしてもらいました。
同期は急に呼び出されて部屋に行ってみるとドレスを中途半端に脱ぎかけの私を見て、爆笑していました。
もし同期が同じマンションに住んでいなかったら、つぎはぎドレスのエルサになるところでした。
そんなこともありながら発表当日を迎え、練習した歌は緊張で声が裏返ってしまい悔いが残りましたが、おおむね好評で終えることができました。
なかなか松たか子さんのように力強く歌うことはできなかったので、いつかまたエルサの格好をして歌えるようになりたいと思います。