入院して「ホッとする」って?!
甲状腺乳頭がんで、甲状腺全摘手術を受けた3か月後。予定されていた追加の治療のため、再度同じ病院に入院しました。手術時ほどの不安や緊張感はなかったものの、「ああ、またしばらく入院生活か…」という気の重さはありました。でも、一方で「ああ、ここに帰ってきた」とホッとしている自分もいたのです。
我ながら、「あれ?入院してホッとするってなんだ??」と違和感を感じました。早く退院したくてしょうがないのに。入院中、時間は山ほどあるので(笑)じっくり考えてみました。
そして気づきました。ホッとしたのは、ありのままの自分をさらけ出せる場所だから!!がんで当たり前、手術してて当たり前、首に傷あるの当たり前。首の開いたパジャマを着ても、誰にも何にも言われない場所!!同じ大部屋の患者さんは同じ手術の経験者、廊下ですれ違う人はみな、甲状腺の病気を経験している「お仲間」ばかり!!
そう思った時、いかに自分が術後の日常生活で気を張って生活しているのかに気づかされました。
がんって伝えて引かれたらどうしよう?傷を見られたくない!周りの人に必要以上に心配かけたくない。この人に内緒にしているの心苦しい。同情されたくない!どのよう伝えるべき?どのタイミングで?○○さんに言ったけど、■■さんにも伝えたほうがいいかなあ?もし傷を指摘されたら、どのように説明しようか…などなど。今自分は「ありのままでいられていない」んだな、と改めて感じさせられました。
病状や治療の状況は違っても、がんを経験した人が「ありのまま」でいることは結構難しいのかもしれないな、と思います。自分はもう大丈夫!と思っていたけれど、たまには「いつも気を張って大変だね~おつかれ~」と自分を褒めてあげたいなと思います。
がんの経験者の周りのみなさん、手術や治療が終わっても、こんな気持ちをもっている患者さんも多いと思うので、「そっか~、こんな気持ちになることもあるんだな~」と知っていていただけると、経験者としてはとても嬉しいです。
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