僕の体が抵抗している

サウナで自分を限界まで追い込んだときのように顔が熱く、止まらない生唾を吞み込むとみぞおち付近にキュッと鋭い痛みが走る。首から上がやけに重たく感じ、頭を左右に振ると頭の中で何かがぶつかり合う。熱いからといって半袖半ズボンに着替えると、急に悪寒が足元から駆け上り、思わず両腕で自分の体を抱きしめる。静かに本でも読もうとするけど、思考を3分巡らせるだけで脳はスリープモードに遷移し、目頭の上に誰かがオモリでも載せているかのようで、目も満足に開けていられない。

中学生の時にインフルエンザにかかって以来、体調不良とは縁がないという人生で唯一の自慢をもう使えないことは、残念を通り越して悲しくもあるけど、「体内の何かが必死に抵抗してくれている」という考えは素直に素敵だと思えた。そして、体が素直に反応していることが嬉しかった。そんな体とこれからもずっと親友でいたい。


400字エッセイ書いています。

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