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エスカレーター上で自分に笑う

いつものように、左側か右側かであたふたしたながら、エスカレーターに乗り込んだ。横浜に住み始めてもうすぐ2年だというのに、未だ左側に慣れない自分に笑えてくる。

ふと顔を上げると、終着点が見えないほど長い長いエスカレーターの左側に、人々がきれいに1列でずらーっと並んでいる光景が視界全体を覆った。まるでこの世の王様が通るかのように、きっちりと右側が空いているその景色が不思議に感じた。いつも見慣れている光景なのに、なぜかそのときだけ僕の脳内ではクエスチョンマークが大量発生していた。

なんでみんな立ち止まってるんだろう、なんで両側に立たないんだろう、という子供っぽい疑問が頭の中に溢れ出すのが楽しく心地よさまで感じてくる。思い切って右側に立ち、そのまま右側を歩きのぼった。左側からの視線を敏感に感じながらぐんぐんのぼっていく。こんなことで冒険欲が満たされている自分に、またも笑えてきた。


400字エッセイ書いています

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