『newtone / 声を。』考察 


『newtone / 声を。』とは?

『newtone / 声を。』とは、2023年5月8日にnewtoneさんがYou Tubeに投稿したnewtone名義では初めての楽曲です。

静かなメロディと盛り上がるサビ、そしてインフルエンサーの初楽曲ということが話題を呼び、投稿から三週間でサウザンドヒットを記録しました。

楽曲には株式会社テクノスピーチの開発したAI歌唱ソフトウェアChis-A(知声)を使用し、曲調にあった美しい歌声を聴くことができます。


『newtone / 声を。』のタイトルに込められた意味とは


曲名『声を。』は、後述しますが『ある人』の声をさしており、newtoneさんが人生に迷ったとき、彼を導いてくれた声のことです。
『迷ったときはその声を信じて一歩踏み出してみる』
そんな決意が込められた曲名だと思われます!

また、この曲は歌詞のいたるところで『時間に関わるワード』が登場します。これがこの曲のキーワードであり、newtoneさんはこの曲を通して『浪人時代の葛藤』を描いていると解釈できます。

彼の20年という人生のうち、受験に囚われた1年間というのはどれほど辛いものだったのか、想像もつきません。

では以下の歌詞考察でこの葛藤を紐解いていきましょう!

前半

いつもの日々を繰り返す
変わらぬ時と空の色
孤独に見える海も星も
形を変えども進む
定まらぬ音に飲まれて
水へ浮かぶ夜明け
呼びかけるあなたの
影と幾つもの
選んだ道夢はいつも
見えない先進み続けた
愛してそばで咲かない笑顔
信じた 信じて 声を

『newtone / 声を。』より

考察

前段落で『受験』という視点を手に入れた読者のみなさんには、初めて曲を聴いた時とはずいぶん印象が変わって見えるでしょう。

変わらない日々、ゆっくりと変化していく海と星。
この美しい対比は
『月やあらぬ春や昔の春ならぬ
   わが身一つはもとの身にして』 
という伊勢物語での在原業平の歌を彷彿とさせます。

自分は”変われない”ままでいるのに、自分以外の一切は変わってしまった。その中での孤独を歌っているのです。

同じに聞こえて同じものはなく、絶えず生まれては消えていく『波の音』を儚く虚しいものの象徴として、いつも変わらないと信じていた明け方の白んだ空すらもその波に飲まれ、『かつて見たあの空はもう無い。』という無常観を歌っています。

そしてサビに入ります。

『選んだ道 夢はいつも見えない先進み続けた』

『newtone / 声を。』より


どれだけ過去に思いを馳せようと、選んだ現在から後戻りはできず、見えない未来を恐れようとも、時間は残酷に進み、いずれ向き合わねばならないことを示しています。

受験を終えたみなさんなら共感できることだと思います。
「あのときあっちの学部(大学)に出願していれば…」
「浪人を決意せずに私立に進学していれば…」

そんな後悔を振り払って先に進む決意をした、
newtoneさんを導いた『声の主』とは、もうお分かりですね?

newtoneさんの第一志望『東京工業大学』だったのです!

newtoneさんに東工大がほほ笑む、そんな日を信じて進み続ける。
いつかは出会う運命だったnewtoneさんと東工大の出会いの物語だったんですね。

よって前半ではnewtoneさんの『過去との決別と未来(東工大)との邂逅』を歌っているのだとわかります。

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