文学フリマ大阪に出店し、6冊頒布してきました
文学フリマ大阪、参加してきました。
こんにちは、瑞田多理です。9月になっても暑い日が続きますね。秋のない年が続きますが、皆さんのご商売は今年こそ盛況でしょうか?
瑞田はこの度、9/10(日)に開催された「文学フリマ大阪11」に個人サークル出展してきました。
そのスペースで、所属している物語愛好サークル《カンメラーのリスト》で作った寄稿集『カンメラーのフラスコ』を委託として売ることにもなりました。
置くからには、より多くの人に読んでもらいたい。そこでスペースの大部分を割いた宣伝を行い、頒布を試みました……が、結構苦戦しました。タイトルにもある通り頒布数は『カンメラーのフラスコ』が6冊、個人誌1冊、ボードゲーム(?)1つとなりました。
はい。「売れなかった、悔しい!」の吐露はここまでで終わりです。《カンメラーのリスト》の理念は一つ。
「常に面白くあれ」 この一点につきます。
ですから、今回のある意味での失敗体験も、面白そうな切り口から伝えていきたいと思います。
売れない、のはなぜか
同人活動の多角化
「伝える」ってなんだろう?
上記のことを考えながら、「めげずにやれる、精神的に持続可能な同人活動」の形を探っていきたいと思います。少々長くなりますが、お付き合いくだされば幸いです。
忙しい人向け
作品が売れないのは、作品の良し悪しとはあまり関係がない。むしろ「作品の存在をどれだけ知られているか」が重要。
同人誌を発行するのも一つの手段。情報発信の方法は(例えばこのnoteのように)いろいろある。
伝えるためには知ってもらう。知ってもらうためにはより多くのことを発信する。発信することで伝わる。このサイクルにどこから飛び込むかは、あなた次第。
頑張って書いたけど売れないなぁ、、、なんでだろう
「開いてさえもらえれば」という淡い期待
同人誌(特に創作文芸のジャンル)を作っていれば、誰しも一度は直面したことがあるのではないでしょうか。
書いた本が、なかなか手に取ってもらえない。 この問題に……。
とくにつらいのが、「サークルスペースで誰も立ち止まってすらくれない」まますぎていく時間です。顔を上げて興味がありそうな、声をかければこっちを向きそうな人を探してみますがそれも見当たらない。居た堪れない気持ちと、睡魔と戦うことになります。
「せめて本を開いてさえくれれば内容で勝負できる」
その通りです。それは間違いないですし、私もその力を信じていた時期がありました。
しかし残念ながら、座って待っているだけでは本を開かれることはほぼないです。個人参加してきた十数年の経験で裏打ちした真理です🥲
「開かれるための努力」ってなんだろう
では、本を開かれるためには何をしたらいいでしょうか。
ここで一旦、皆さんにはサークル参加者ではなく、一般参加者の気持ちになってもらいましょう。開場列に並び、一般通行証シールを胸に貼って、さぁ文学フリマの会場につきました! どうでしょう?
目の前のサークル数に、圧倒されませんか?
あなたにとってはたったひとつのサークルですが、一般参加者の目線からは800くらいの「サークル」の1つでしかないのですね。
その中から「あれもいいな、これもいいな」と巡回する一般参加者さんは、ウィンドウショッピングをしているような感覚でいるのだと思われます。本屋さんで本を買うのと同じような感覚の方が多そうな印象です。
では、手に取ってもらうにはどうしたらいいのか。逆に本屋さんで本を買う時のことを思い出してみてください。
たくさんの背表紙、平積みの表紙。扇情的な帯の煽り文。お店が作ってくれているPOP。あるいは、事前に仕入れた面白いという情報。これらによって「他の作品より目立った本」を買うことが多いのではないでしょうか?
そこで、サークルとして本を頒布ときにもこの機序を応用してみましょう。
まず、サークルスペースでできること……つまり本屋さんでできることは、こんなところでしょうか。
卓上の本はよく目立っていますか?
その本がどういう本なのかがすぐにわかりますか?
ジャンル
あらすじ
テーマ
頒布価格
次に、「事前に面白いと思ってもらう」ためにできることはなんでしょうか。
いわゆる宣伝の部分です。こんなことが考えられると思います。
SNSやメディアで本の情報を発信する
知り合いの口コミで本の存在を拡散する
多分、ここまでができて初めて「開かれて手に取られる、手に取られない」の土俵に上がれるのではないでしょうか。
サークルスペースでできることはすぐにできそうです。当日の設営を工夫すれば如何様にもなります。
しかし本を知ってもらうことはとても難しいですね。私も友達が少ないので、大変苦戦しています。
ただ、ここで一つ問いを立てることができると思っています。
「苦しんで戦うことが正解なのか?」
つまり、難易度の低い別のルートがあるんじゃない? という話です。
同人活動はいろんな場所(次元)でできる
同人誌を出す、だけが同人活動だろうか・・・
元々の問いは、「同人誌をいかに売るか」でした。
──上記は間違っています。
本当の問いは、「同人誌が売れることで物語が伝わる人を増やすために、売れる数をどう伸ばすか」でした。
私たちの物語、詩歌、随想、評論、……それら思いを伝えることは、周知の事実かもしれませんが、同人誌以外の方法でも実現可能です。
例えば以下。
Twitter小説(ニンジャナンデ!?)
note(私も使ってます)
小説投稿サイト(サイトごとに色がありますね)
なろう
カクヨム
ハーメルン
・・・
Web媒体であれば印刷費も、サークル参加費も遠征費用もかかりません。同人誌は発行冊数=伝わる上限ですが、Web媒体ではそんな縛りもありません。文字通り世界中の人が、あなたの作品を見てくれます。
これは、やらない手はないと思います。ぜひやりましょう。「伝えたい」というのなら、ぜひ。
同人誌(とリアル即売会)の魅力
はい。そのように割り切れないことを私もよく知っています。
今回の文学フリマ大阪でも、私はその喜びを知ることになりました。ぜっっっっったい出ないと思っていた式姫Projectの二次創作小説が、全くの偶然ながら一冊頒布できたためです。
その出会いはきっと私がその場にいて、同人誌を頒布していなければ起こらなかった出会いでした。互いに感極まって長話をし、新作早くだせよという念を送って互いの健勝を願いあったものでしたが、ともあれそういう「偶然の出会い」を一般参加者さんも求めてきています。
インターネットでの情報収集は、原則として「先鋭化」する探索方法です。必要とする情報以外を削ぎ落とすという側面。それから、「想定できないことは調べられない」という側面を持っています。
そういう意味でも、リアル即売会に出るということは偶然の出会いをもたらしてくれるでしょう。
その結果、会話に花が咲いたりして交流が生まれればなおのことよしですね。
「伝える」ってなんだろう
先にWeb媒体での発信をお勧めしたのは、いたずらに心を揺さぶろうとしたわけではありません。
作品……というよりも、作者を知ってもらうためには、依然としてとても有効な手段であるからです。
よくTwitter(頑なにそう呼ぶ)で言われる宣伝のジレンマは、以下のような三すくみで語られることが多いと思います。
宣伝するためのはフォロワーが必要
フォロワーを増やすにはコンテンツが必要
コンテンツを広げるには宣伝が必要
三重タマゴニワトリ問題です。でも、これって実は三すくみになっていないの、すでにお気づきですか?
コンテンツは、すでに私たちの手元にあるんです
なので、次に私たちがやるべきことはそれを拡散して「声を届ける」ことなのです。
声が届けば、人はついてきます。
人がついてくれば、作者やコンテンツに人気が出てきます。
こうなってくれば正のスパイラルに入っていきます。
同人誌を作り続けるのもいい。けれど一回、ためを作ってみてはいかが。
「伝える」ための、深呼吸する時間とでも呼べばしっくりくるでしょうか。
カンメラーのリストは深呼吸します。
そういうわけで、《カンメラーのリスト》はしばらく……来年春頃まではずっと、Web上での発信を強化していきます。
主にこのnoteでの発信になると思います。
メンバーがそれぞれ思い思いの事柄を書き綴っていきますので、ぜひご期待ください。
紀行文
小説
随筆
etx...
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大阪まで遠征し、スタッフに勧誘される瑞田でした。
それでは、今日はこの辺で。