ポルトガルの銀行口座開設方法について調べてみた（2022年9月現在）
こちらの記事でも書きましたが、私と同様の方法でポルトガルの居住権を取得する場合、SEFに申請する時点でポルトガルの銀行口座を開設しておく必要があります。（他のビザに関してはわかりません。）
私が開設した数年前は、「えっ、こんな簡単でいいの？」と思うくらい簡単でした。ちなみに私の銀行は開設が簡単だと噂に聞いていたActivoBank。
必要なものは「パスポート、NIF、住所証明書」のみ。
銀行の窓口に言って「口座を開設したい」と言い、言われるがままにタブレットに何度かサインし、その場でカードが発行され、窓口の人と一緒にATMでパスワードなどを決める操作をして、スマホのアプリと連携して終わり。
その日から口座もカードも使えるようになりました。
そしてこの「ポルトガルの銀行のカード」が生活する上で非常に便利。
デビッドカードのようになっていて、Multibancoというシステムでほとんどのお店での支払いはできるようになります。しかもパスワード入力不要でタッチで支払い完了。（高額な買い物だとパスワード入力も必要かもしれません。）
クレジットカードは使えないけどMultibancoは使えるというお店もあります。
そんなわけで銀行のカードがあれば現金はほとんど使わずに生活できます。私もいつも€10くらいしか財布に入っていません。
スマホのアプリには入出金がすぐに反映されるので、家計の管理にも役立っています。また、アプリから携帯電話料金や社会保険料の支払いも簡単にできます。
支払いに関してはもう一つ、「MBway」という便利なアプリがあります。
これに銀行口座を連携させると、電話番号のみで振込や受取が可能になります。個人間のやりとりには非常に便利です。（お互いMBwayを利用している場合）
また、ポルトガルのお店でオンラインショッピングをする時は、ほとんどの場合支払い方法でMBwayを選択できます。電話番号を入力すればあとは簡単なアプリの操作だけで支払いが完了します。
さらに、MBwayのアプリからQRコードを読み込んで支払う方法もあります。もし財布もカードも忘れてしまっても、スマホがあればレジでQRコードを読み込んで支払いをすることが可能です。
とにかく、ポルトガルで生活する場合にはポルトガルの銀行口座があると便利なのです。（留学やワーホリなどで期間限定の場合は必要ないかもしれませんね。）
で、本題です。
私がこのように簡単に開設できた銀行口座ですが、近年開設方法が厳しくなったと耳にするようになりました。
少なくとも、数年前のような「パスポート、NIF、住所証明書」だけでは開設できなくなってしまったようです。
そこで、今ポルトガルの銀行口座の開設にはどんな書類が必要なのか調べてみました。
問い合わせなどをしたわけではなく、インターネットで私のわかる範囲で調べただけです。不足情報もあるかと思いますがご了承ください。わからないところは翻訳機にかけています。
1. ActivoBank
まずは私が口座開設したActivoBank。
公式サイトのこのページを確認しました。
口座開設に必要な書類
●有効な本人確認書類（以下のいずれか）
・ポルトガルの市民カード
・ポルトガルの滞在許可証、またはパスポート／IDカード（EU、シェンゲン圏内、イギリスの国籍保有者のみ）
●有効なNIFの書類（以下のいずれか）
・ポルトガルの市民カード
・ポルトガルの滞在許可証
・納税者カード
・Registo Central de Contribuinte（NIFの手続き時にもらった書類のこと）
●12ヶ月以内の住所を証明する書類（以下のいずれか）
・国内の住所の場合：水道、電気、通信、保険などの領収書／銀行取引明細書／税務署の書類
・国外の住所の場合：居住国の財務局が発行したタックスクリアランス／領事文書
●6ヶ月以内の在職証明書（以下のいずれか）
・会社員の場合：給与明細／雇用契約書
・自営業の場合：Recibo Verde／自営業の登録証明／会社登記／商業登記証明書
・学生の場合：学生証、入学証明書、学費の支払い証明書
・失業者の場合：雇用センターの宣言書
・退職者、年金受給者の場合：報酬の明細／銀行取引明細書
・その他：IRSの書類／銀行取引明細書
え！？まってまって！
以下、個人的に気になったところです。
本人確認書類の二つ目について、原文は「Autorização de Residência em Portugal ou Passaporte/Bilhete de Identidade (apenas aceite se tiver nacionalidade na União Europeia, Espaço Schengen ou Reino Unido)」です。
パスポートかその他の身分証明書が有効なのはEU、シェンゲン圏内、イギリスの国籍保有者のみ、と読み取れます。（よね？）
つまり、ポルトガルの滞在許可証（レジデンスカード）を持っていない日本人はこの時点で詰むのでは？滞在許可証の申請に口座の開設が必要なのに…。
そして在職証明書について。
私の場合、自営業の登録をした時にポルトガルの銀行口座情報が必要でした。じゃあこれも無理じゃないか…。
というわけで、現在のActivoBankの口座開設はハードルが高い！ていうか滞在許可証取得前にはほぼ無理！ということがわかりました。
2. Millennium bcp
次に、街中でもよく見かける大手銀行Millennium bcpについて調べてみました。
公式サイトにあったPDFです。
https://ind.millenniumbcp.pt/pt/Particulares/Contas/Documents/aberturadeconta/CheckList.pdf
口座開設に必要な書類（非居住者）
●身分を証明する書類（以下のいずれか）
・身分証明書
・パスポート
・滞在許可証
・写真付きの有効な身分証明書（EU加盟国によって発行されたIDカード）
・未成年の場合：出生証明書／身分証明書
●住所を証明する書類（以下のいずれか）
新規の顧客の場合
・水道、電気、電話、ケーブルテレビ、Via Verde（ETCみたいなもの）の領収書
・運転免許証
・OICステートメント
・IRSの書類
・Junta de Freguesia（町役場みたいなところ）の住所証明書
・申告した住所宛の公的な文書
●NIFの書類（以下のいずれか）
・納税者カード
・NIFの手続き時にもらった書類
（国内のNIFを持たない非居住者でも口座開設が可能。顧客の税務上の居住国に税務番号がある場合は、その情報を登録する必要がある。と注釈あり）
●職業や勤務先を証明する書類（以下のいずれか）
・プロフェッショナルIDカード
・給与明細
・雇用者の宣言書
・Recibo Verde
失業中の場合：雇用センターの宣言書／Junta de Freguesiaからの証明書
成人した学生の場合：学生証／在学証明書
うーむ…やはり今は口座開設には職業関係の証明書が必要なのか…？
身分証、住所証明、NIFに関してはなんとかなる。でもこれから滞在許可証を取ろうとする人が職業関係の書類を準備するのって難しいのでは…？
「プロフェッショナルIDカード」はなんのことだかわからず。「雇用者の宣言書」は雇用契約書でもいいのかな？（ちなみにActivoBankの説明でも出てきた「Recibo Verde」はポルトガルでフリーランスとして働く場合に大事なものですが、ここでは説明を割愛します。冒頭の記事に詳しく書いていあります。）
というわけで、MIllennium bcpも口座開設は難しそうということがわかりました。
でもこの口座開設に必要な書類一覧表PDFにわざわざ「非居住者」の項目があるということは、私が見落としている方法があるのかも…？直接問い合わせてみた方が良さそうです。
3. Santander
この結果ではあんまりなので、もう一つ調べてみました。
Santanderもわりと見かける銀行です。（ちなみに今回はActivoBank以外はイメージで大手っぽい銀行について調べましたが、どこがいいとかおすすめとかは正直わかりません。）
公式サイトのこのページを確認しました。
口座開設に必要な書類
●身分証明書（以下のいずれか）
・ポルトガルの市民カード
・IDカード
・パスポート
●NIFが記載された書類
以上。
え！？住所証明とかいらないの！？
でもこのページには口座開設に必要な書類としてたった二行、二つの書類しか書いてありません。さっきまで必要書類が細かく記載されたページを見ていたので拍子抜け。
そしてこのページにこんなことも記載されていました。
「給与を新しい口座に振り込む場合は、給与明細、プロフェッショナルカード、勤務先からの申告書などが必要です。」
ActivoBankやMillennium bcpで開設する時に必要な職業関係の書類についても、もしかしたら、給与振込口座として指定したい場合には必要という可能性もあるかも…？わかりませんが。
どちらにしろ、公式サイト上の情報を見る限りは、Santanderがいちばん口座開設しやすそうです。
銀行口座開設について調べてみて、私が開設した数年前と比べて必要書類が増えていることがわかりました。
弁護士を挟んだら裏技を使ってできたりするのかなぁ。わかりませんが。（二回目）
これ、移住希望者はどうしたらいいんだろう？D7ビザって申請時にポルトガルの口座は必要ないのかな？（D7に関しては無知です。）
というわけで、もやっとしたままですが終わります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？