グランド・ブダペスト・ホテル(2014年)|あらすじ・レビュー
映画『グランド・ブダペスト・ホテル』予告編
監督/脚本 ウェス・アンダーソン
出演:トニー・レヴォロリ レイフ・ファインズ
2014年/ドイツ・イギリス/100分
あらすじ
1932年、格式高いグランド・ブダペスト・ホテルには、“伝説のコンシェルジュ”と呼ばれるグスタヴ・Hがいた。究極のおもてなしを信条とする彼は、宿泊のマダムたちの夜のお相手もこなし、多くの客が、彼を目当てにホテルを訪れる。しかし、彼の人生は一夜にして変わる――
長年懇意にしていた“マダムD”が殺され、貴重なルネッサンス時代の絵画と莫大な遺産争いに巻き込まれたのだ。ベルボーイのゼロとともにコンシェルジュ・ネットワークを駆使するグスタヴは、誇りをかけて謎を解き、ホテルの威信を守ろうと大戦前夜のヨーロッパ大陸を飛び回る!
感想
左右対称を意識して映されているシーンが多く、好みのアングルが多かった。
この記事をレビューの参考に読んだが、ここがなるほど!と。
マダムが住む古城のキッチンの場面や、ホテルの従業員の部屋は、極端に細い部屋には、まだ時代的に使われてなかったはずの天井の蛍光灯が、遠近感をより強調するために効果的に使われています。
引用元:『グランド・ブダペスト・ホテル』―インテリアを通じて映画鑑賞してみよう!!―|MAGAZINE|Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE
蛍光灯を使うなど、遠近法や画面の構図にこだわる映像作りが、すこし小津監督に似ているなと思う。小津監督も、画面の構図にこだわって、よく小道具なんかを動かしたりしていたので。
また、繰り返されるシーンが多くて、映像として気持ちいいというのを優先している取り方が散見されている。映画というよりは映像美という感じが強い。
品があって美しい。そして、それは美術品とかそういうたぐいの美しさに似ていると思う。
調度品もひとつひとつが可愛らしくてよかった。紫の制服も可愛いくておしゃれよね。
絵本ちっくなシーンや、絵画っぽいシーンもあり、なんとなくおとぎ話感があった。
神経衰弱で、療養中の作家に、語りかける形式だからというのも大きい。
現代は16:9、回想は4:3、最後の列車の中の回想は4:3でモノクロと、形式を使い分けており、わかりやすい。
黙祷をするシーンで、少し黙祷して、はい、終わり!いこ!みたいな切り替えとか笑った。意外とそんな感じのものなのかもしれないなーと思ったり。
ストーリーは特筆して面白いかというとそうでもないが、映像が美しいので、見る価値はありです。
あと、調べてたら、グスタフってウォルデモート卿だった。びっくり。
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2019.10.12 PrimeVideoにて鑑賞。