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『終わりを考えてはじめる』経営を野球に例えてみた。3/3

〇企業規模に見る、野球チーム内の各役割と経営者の役割との共通点

企業の規模や経営者の性格・スキルなどによって、経営者の取る行動は大きく違う。特に企業規模の大小は経営者がやる事を大きく変える。それと野球チームにおける役割を重ね合わせてみた。

①社員3~5人の小規模の事業経営者=ピッチャー:ゲームの行方について70~80%はピッチャーで決まるといわれるほど、野球の試合におけるピッチャー個人のスキルは重要である。相手との間合いを感じ状況判断をしながら1球1球自らが投げる。つまり戦略・戦術・戦闘を常に繰り返す。ピッチャーの経験がある人は分かると思うが、打たれた時の責任も抑えた時の称賛も一身に受ける。経営に置き換えるとまさに少人数で企業経営をする場合の経営者に似ている。経営者の力量で乗り切る場面は必ずある。まさに打って投げて、自身の力量・リーダーシップ・責任で状況を打開する点は小規模の事業者との類似点だ。

②社員10~30人の中小企業=キャプテン:野球チームも強くなると個のスキルだけではなく、チームを統べるリーダーシップやチームワークも重視されるようになる。いくら技術力が高くてもチームワークがないと連携がうまくいかず、ゲームに負ける可能性が高まる。逆に個人個人のスキルがそこまで高くなくとも連携を強化する事で試合巧者ぶりを発揮することが出来る。『部活』における精神的つながりが強まるのはキャプテンをはじめとする部員のリーダーシップとコミュニケーション、そしてルール作りが重要となる。強いチームには勝ちパターンが出来てくるが、中小企業においても自社の強みを活かした勝ちパターンづくりと『仕組』が必要となってくる。まだまだ現場と経営を行き来するプレイングマネージャーとして動く中小企業経営者は皆を引っ張りながらも全員の力を引き出していくキャプテン的要素が求められる。

③社員40名以上の企業経営者=監督:経営者が現場から離れて経営(目的の共有・ゴールの設定・人の育成・仕組の最適化・お金の工面)に専念できるようになると、企業として組織化が出来たという事になる。これは野球チームで言うと監督的な立場と似ている。野球に対する基本的な考え方の共有・チームの特色づくり・選手のスカウトなど、全体戦略について考えていく。日々の細かい事に左右されることがなくなると、一見自由な時間が増えたように思うが、ここでのんびりすると目標達成への時間もかかるし、成長スピードは鈍る。スピードの速い成長だけが評価基準ではないのは確かであるが、『計画と比べてどうか』は見ておく必要があると思う。野球チームにおける監督の立場は経営者そのものであると考える。逆に組織化を目指す企業は野球チームの姿を見て組織構成を考える事もできると思う。

〇まとめ

この記事を読んでいただいてる方は、現在どのポジションで、どんな戦況でいらっしゃるだろうか。勝利(=目標)はどこにあって、そのためにゲーム開始からどんな気持ちで何をしようとしている(いた)のか。そもそも、試合当日を迎えるまでの準備はどのような事をしてきたのか。この繰り返しがさらに大きな目標達成へのきっかけ・足掛かりとなり、それが伝統・歴史となる。

さて私はというと監督的立ち位置での試合を一旦終了し、ピッチャーまたはキャプテンという立場で次の試合を始めている。売上高2.7億円で事業承継した会社をHD化、グループ売上約23億円まで拡大したのちに、最も大きな売り上げを出していた事業会社をM&Aで事業譲渡をした。これには『しくじり先生』の部分も大いにある。経営論については偉そうには言えないが知っている事や経験したことをもとにお伝えできればと思っている。言い訳のようになるが地方中小企業・ファミリービジネスにおける事業承継からの事業展開はとても難易度が高い。次の試合先発をする人も、急遽リリーフ登板した人も、そのゲームの終わらせ方(勝ち方)を考えなければならない。

これからみなさんはどういう試合をしていかれるのでしょうか。また共有できればと思います。

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