せんみつ
『せんみつ』という言葉があります。goo!国語辞典で調べてみると
1. 《千のうち本当のことは三つしか言わない意》うそつき。
2. 《千に三つくらいしか話がまとまらない意》土地・家屋の売買や貸金などを斡旋 (あっせん) する職業。また、その人。「千三つ屋」
3. 《千品目出しても当たるのは三品目くらいの意》食品業界で、新商品の開発の難しさをいう言葉。
とありました。
『不動産は千件に三件ぐらいしか話がまとまらない』
『食品業界で新製品を出してもヒットするのはごくわずか』
確率で言えば0.3%。
今の時代、不動産や食品の業界に限ったことではなく、新商品開発・新規事業の成功確率は『千に三つ』とも言われています。起業したと言えば聞こえは良いですが、大きなリスクを孕んでいる事は確かです。そしてラッキーパンチというか、『大海で浮き木に出会う』ような事は事業のなかではまずありません。これらを踏まえてまず最初に下記のような事を考えておく必要はあります。
1.健全な戦略を立てて進んでいるか
最初から0.3%を見つけに行こうとしても難しいですが、世の中のためになる事を見つけ出し、イシューを明確化し仮説を立て戦略を組む。そしてそれを実践し検証・改善していけば他のものよりは可能性が高まる事もあります。この動きを繰り返し行えば成功への道が見えてくるのではないでしょうか。ここではイシューの立て方が肝になると思います。つまり問題の解き方ではなく問題の設定の方が重要であり、その問題の設定に対する戦略を立てて進んでいく事が成功確率を高めると考えます。
2.相応の覚悟があるか
確かに事業の成功確率がせんみつと言われる程低いかは定かではありません。ビジネスが成熟してきているなかでは、今までと同じことをやっていても維持するのがやっとであり衰退縮小する流れになる。それなら新たな時代に新しい挑戦をしていこうという気概は大いにありだと思います。それと共に、私たちはせんみつの時代に生きているというシビアな考えを持つ必要もあります。
・成功を引き当てるためにたくさんの量をこなす事
・走りながら考え、PDCAサイクルを早く回していく事
・失敗を恐れず、しかし失敗した際のインパクトの大きさも考える事
本質的な事として変わらないのは、『量が質に転換する』という事だと思います。ただ闇雲に量をこなすという事ではなく、問題解決のために立てた戦略を必ずやり切るという覚悟のもとに、スピード感を持ち効果的な行動をとっていく事が成功への道だと考えます。
3.撤退条件を考えているか
とても言い難い事ですが、戦略+覚悟をもって事業を推進していくなかでは『撤退条件』も重要なポイントだと考えます。これは単純にちょっとの事ですぐ撤退をしようというものではありません。しかし、策を練ってしっかり行動したが成果が出ない事もあります。そして、例えば人生を賭けた一大事業であればあるほど、撤退ができない状態に陥りやすくもなります。本当に立ち直れないような状態になると再起が望めなくなります。前のめりに倒れていく様を美化するのではなく、一生懸命やるからこそ成功を考え、だからこそ撤退条件も考えておくべきではないでしょうか。
『せんみつ』という厳しい時代のなかで高い志を立てる。私はそういう人財を応援したいですし、自分もそうなると誓って仕事をしています。