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『終わりを考えてはじめる』経営を野球に例えてみた。1/3

『7つの習慣』では第二の習慣で『目的を持って始める(終わりを思い描くことから始める)』が成功の要素であると伝えている。ミッション・ステートメント(人生の構想図のようなもの)を作り、海をさまよう流木のような人生ではなく、目的地に行くために航路を決めて進む船のような人生を生きよう、というものである。

これはスポーツの世界でも置き換えて考えることも出来る。例えば野球の試合で考えてみるとどうなるか考えてみた。

『ゲームの進め方・終わらせ方をゲーム前に考える』

試合に臨む際に、ただ我武者羅に勝つ事を考えるだけでは足らない。試合前に想定されることを考えて(想定外の事が起こるとも考えて)いかに勝つか、どう進めてどう終わらせるかという考え方も必要だと思う。もちろん策士策におぼれてはいけないが、『敵を知り己を知らば百戦危うからず』である。

①外部環境の確認

まず野球というゲームは外で行われる。開催される球場の特徴(広さやグランドコンディション)・当日の天候や風向きなどのいわゆる外部環境がゲームに大きく影響する。

今回試合の行われる球場は海に近く時に浜風が吹く。両翼100m・フェンスは高く本塁打はうまれにくいが守備力が求められる。そして本ゲームは甲子園のような真夏の炎天下で、トーナメント制。次の試合もある程度考えながらゲームを進める必要もある。戦場がどこで、どのような環境下でゲームが開催されるのかは、それを確認しているといないでは大きな差が出てくる。

②チーム状況(内部環境)の確認

チームの状況としては、各選手のコンディションやコミュニケーション状況、目標に向かうモチベーションなど、試合に際してのスキルとマインドを確認することになる。

自分たちのチームは基本的に守備が堅く個々の能力というよりは連携を強みにしている。出塁すればバントで送り、走塁も絡めてコツコツ点を取っていくチーム。ただ一人、強力な4番バッターがいるので、たまに波に乗って大量得点がある。強豪チームと対戦しても接戦が多く、粘り強い野球をする。ピッチャーはひとりだがそこそこに抑えてくれる。140km/h台のストレートとカーブ・フォーク・チェンジアップといった球種を持ち、防御率は2点台でスタミナはそこそこ。ただ三振が取りに行きたいタイプで、特に好打者とはついつい個人勝負をしにいってしまう。ケガ人はおらず、チーム内のモチベーションも高い。

③対戦相手(競合)の確認

対戦相手を事前に分析する事でどのように戦うかが具体的に見えてくる。分析には詳細で正確な情報収集に加え、自チームとの戦力比較によって想定されることは何かなどを考える必要がある。

相手チームは打撃のチーム。走塁や守備は雑なところもあるが、相手の主軸打者は注目のバッター。主軸の3人を抑えるのはかなり難易度が高いが、ウィークポイントの想定はある程度できている。投手陣は継投で相手を交わしてくる。投手は5人いるが皆平均的で目立った特徴はない。チームとしては大胆な作戦をうってくる事もあり、奇策に注意しておかなければならない。チームにけが人はおらずチームワークもそこそこだが、試合運びにあっさりしている所も見られる。

【戦力分析】

自チーム:打力3・守備力5・投手力4・走力4・総合力4

相手チーム:打力5・守備力4・投手力3・走力4・総合力4

【作戦概要】

両チームとも総合力では均衡しているが、特色の違ったチームである。今回、相手チームの投手力と自チームの打撃力から見た場合、こちらは取れても5点だと仮定した。自チームとしては『4点以内に抑える』という設定が生まれる。つまり、このゲームは『5点以上-0~4点』で勝つ、という設定になる。双方のチームの打力・守備力・投手力・走力に加えチームワークや先発メンバーの能力などを確認し、『試合をどう進めていけば勝てるか』という作戦(戦略)を立てる。また相手チームが考えそうな作戦をあらかじめインプットしておく。完封する必要はないが、一人で9回を投げ抜く必要があるので投手として自分が崩れるとゲームが大きく不利になる。したがってスタミナ配分を考えて三振を取りに行く投球ではなく、打たせて取るスタイルを選択し変化球を効果的に配給し球数を抑えたい。力が均衡している場合、延長戦も考えられるなどの想定外の事態も頭に入れながら進めていく。

この野球の試合概要は以上となる。

監督・主将・投手・野手など立場によってやる事が違うが、投手の目線からみるとプレイングマネージャーとして働いている経営者が考える経営戦略にも似ている。

~次回に続く

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