プラントベースドがあたりまえの選択肢になっていく
冒頭の画像はオランダのバーガーキングより。
さいきん、すべてのビーフバーガーのパティが"ふつうのビーフ"と"veggie"すなわちプラントベースドミートと選べるようになったよ、とのこと。値段はどっちも同じ(メニューを一見したかんじ)。
職場の近くにバーガーキングがあって、たまたまその日お昼ご飯を忘れたので、veggieバーガーを試してみました。試したのはこちら、VEGGIE* DOUBLE CHEESEBURGER XXL、8€くらい。
お味は、ハンバーガーそのもの。食べた後ちょっとむなしくなる感じも含めめて。このバーガーはチーズが入っているので明らかですが、他のオプションもたぶんビーガンではなくてベジタリアンです。パティのやわらかさや香ばしさとか、お肉にかなり近いです。あえていうなら後味のビタミンBっぽい苦みと香りが残りますが、ほとんどの人はあまり気にならないと思う。ちなみにわたしはそもそもお肉が苦手なので、こうした代替肉より、きのこや豆腐やテンペがお肉のかわりになっている料理のほうが好きです。でも、お肉が好きな人にとっては、いい代替オプションになりそうです。
パティはオランダ発のvegetarische slager (直訳:ベジタリアンブッチャー)と一緒に開発したものです。2010年にはじまったvegetarische slagerのプラントベースドミートは、いまではどのスーパーでも見かけるし、バーガーキングやニューヨークピザといったチェーン店ともコラボをしていて、快進撃を続けています。
ちょうどスーパーでこうしたプラントベースドミートのラインナップが"1+1"セール(2つ買ったら1つ分の値段)だったので、"ソーセージ"と"チキン"を買いました。二つで3.5€くらい。こうなると、ふつうのお肉より安いくらいです。味としてはそんなに感動はしないものの(そもそもお肉が好きじゃないし)、たまにはこうした"肉にくしい"食卓を囲めるものぜいたくだなと思う次第です。ちなみに、プラントベースドミートのブランドはたくさんあって、vegetarische slagerはいまUnileverの傘下で、beyond meat、Nestle、Friesland Campinaなどの大手が参入しています。
オランダに来て驚いたのは、こうしたベジタリアンやビーガンの人向けの食品やメニューの選択肢がとっても広いこと。そしてそれはわたしが渡蘭して2年以上たった今も広がり続けています。こうなってくると本当に、プラントベースドの食べものが、日常の当たり前の選択肢になっていくのだろうと感じます。
その理由はいかに?そこにはトップダウンとボトムアップの動き、両方が働いているようです。2018年の時点でオランダ政府はCO2排出削減の観点から肉食から菜食にシフトすべきであると勧めているそうです(source)。一方で、もともと動物福祉の観点から工業的な畜産品への反対およびベジタリアン・ビーガニズムの草の根の動きがあって、それらの活動が功を奏してきているのでしょう。二つの力の動きによって、スーパーがプラントベースドの食品を増やしたり、レストランがビーガン・ベジタリアンのオプションを提供するといった目に見える結果が出てきているのだと思います。
日本でもプラントベースドミートが店頭に増えてきているとききます。でも、それが政府によって、または学術機関によって全面的にバックアップされているかというと、そうでなさそうな様子です。あくまで個人の選択肢の1つが増えたとか、豊かさが向上した、とかいう印象にとどまっているのでしょうか。だとしたら、なぜプラントベースドが促進されているのか、されるべきなのか、という一歩踏み込んだところまで、たった一部の人だけでなく、みんなで共有できるようになるといいなと思います。
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