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ちびっこたちのボール並べ

練習場で、ボールが入ったカゴの前でぺたんと座ってる子どもの姿をよく見る。

練習するときはカゴから適当な量のボールをトレイに移しておいて、そっからひとつずつボールを拾ってマットなりティーなりに置いて打つわけだけれど、オトナはカゴを斜めに立ててトレイの端っこに引っかけとくひとが多い。そうするとクラブヘッドでザバーっと掻き出して一気にトレイに移せるからね。

けど、子どもはそれをしない。カゴは置かれた状態のまま。タテにもヨコにもナナメにも動かされない。そこからひとつずつ手で拾う子もいれば、カゴの中に無造作にクラブヘッドを突っ込んでどうにかこうにか取り出す子もいる。でも一番多いのは、ぺたんと座って、まずはトレイにきっちり並べていく、というパターン。集中してるわけでもなく雑にやってるわけでもなく、ただ日々の当たり前の作業をしているって風情。「ザ・秩序」って感じにボールを並べていく。なんならピラミッド状に並べていく。

すげえな、ちびっこのくせにちゃんと三次元の世界に生きてるんだ。というか、ちびっこだからこそかな。オトナはゴルフスイングすら二次元で考えちゃうのにね。


ギッチリ詰めるのがちびっこの基本


で、そこに子どもが複数名いるとき、

誰かが並べ始めると、それまでオトナみたいに打ってた子たちも一斉にストンとしゃがんで並べ始める。あくまで「真似っこじゃないですよ、お作法だからやるだけですよ」みたいに涼しい顔して。内心では「うわっ、夢中になって打ってるうちに整列が崩れてたじゃん!おれさまとしたことがだいしっぱいだ。あぶねえあぶねえ」とか焦ってたりするくせに。

一度もオトナになることなく小学生男子マインドのまま生涯を終えるつもりのわたしは、その光景を「尊い」と思う。よくわかんないけど毎回感動する。そして、ちきしょう、一緒に並べたいぜ!と身悶えする。

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リサオ / LISAO(大隈里砂)
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