Amazon出版革命 KDP Print On-Demand攻略法
こんばんは、旭山リサです!
この度、POD業界を揺るがす大きなニュースが発表されました。
なんとAmazonさんで、紙本が個人出版できるようになったのです。
今までは、出版社やネクパブさんを通してしか、アマゾンで紙本を出版することができませんでした。それがKDPに登録をすることで、著者が直接出版手続きをできるようになったのです。
このKDP著者登録。少し難しいと感じる箇所がいくつかあります。これに苦手意識を感じたら、ネクパブさんから出版する方がハードルが低いですが、メリットには違いがあります。
①無料でISBNを付けられる
②販売価格を抑えられる
③ロイヤリティ(印税)が高い。
2021年10月29日現在「著者用コピー」と「ハードカバー」には対応していないので、自分の本を、自分の決めた小売価格+税込で購入せねばなりません。この点ネクパブは「印刷実費+送料」で本を購入できるのが良いです。
アマゾンさんの方で「著者用コピー」の発注はまだ対応していませんが、校正刷り(見本誌サービス)は開始されています。これについては詳しく後述しますね。
さて。POD出版は個人出版です。自費出版と違うのは。
①在庫を持たない。注文があったら刷って、読者に届ける。
②出版社を通さないので印税を多くいただける。
③流行りでないテーマでも本を出せる
出版社を通した商業出版と比べたデメリットは
①全部一人で作らなければならない
②書店に本が並ばない
③宣伝を全部自分でやらなければならない。
この3点です。しかしながら昨今、打ち切りされた商業本のなんと多いことか。出版権が出版社にある場合、商業打ち切りになっても、他社から同じ本を出すことは基本できません。商業出版には「宣伝」という大きなメリットがありますが、逆にリスクも多いと感じます。
はじめにネクパブさんを選んだのは「著作権・出版権は著者にある」と明記されていたからです。出版権がこちらにあるということは、自由に「出版方法」を変えることができるということです。他のプラットフォームから出すことも可能です。
▼このページに記載されています▼
今回、Amazon KDPから直接「紙本」の出版手続きが可能になったと先述しました。
ネクパブさんから本を出していても、出版権は著者にあるので、KDPプラットホームからも、新しい形の本を出して良いというわけです。
元々、ポリス・ラ・ポール【電書版】は、Kindle Unlimitedに登録するために、直接KDPから出版手続きをしていました。これに【紙本版】のサービスも追加されたのが、今回の【Amazon出版革命(勝手に命名)】です。
ネクパブさんでの出版手続きについては、以前の記事で紹介しています。こちらも併せて御覧ください。
では早速、KDPから直接【紙本】を出版する手順を見ていきましょう。
1■本の値段を決める
まず、自著の最低価格と印税をシュミレーションしましょう。
製本時の大体の【合計ページ数】を控えてください。予想でもOKです。最終的な合計ページ数は、各著者ご使用のワープロソフト、及びレイアウト、紙サイズによって違ってきます。一太郎を用いた作業については、以前の記事(後半部分)で紹介しています▼
大体のページ数が分かったら、いざ計算です!
KDP印刷コストおよびロイヤルティ計算ツールのリンクはこちら▼
注意1★【Amazon.co.jp】を選択しないと【日本円】で計算できません! 【Amazon.com】で計算すると、ドルで金額が出て来ます。私がこれにようやく気付いた時には時計の長針が一回りしておりました。
注意2★本の販売価格を決めるのは【合計ページ数】です。PODでは紙のサイズは関係ないです! 厚みが増すほどに本の【販売価格】は上がります。
注意3★計算ツールで入力を求められるのは【税抜き価格】です。日本の消費税は今10%ですので、1.1倍で値段を考える必要があります(2021.10.29現在)
例:本を960円(税込)で売りたい場合
960÷1.1=872.7円
873円(税抜)になります。計算ツールに873円と入力すると、ロイヤリティが表示されます。960円で入力すると、960円(税抜き価格)でのロイヤリティが表示されるので注意です。
さて★注意2★で本の厚みで、最低価格、印税が決まるといいました。ページ数と印税の関係を表した表がこちら▼
この表は税込価格でまとめています。960円の小売価格は873円となります。ここ、本当に注意です。1000円前後で価格を抑えたいと考えている著者の皆さんは、消費税込みで値段とページ数を考える必要があります。
ページ数ごとに印税が違うのは勿論、注目して欲しいのは出版社のところです。KDPから直接手続きをすると「Independently published」が出版社名になります。ネクパブさんの方は「NextPublishing Authors Press」です。
私の場合、130Pあたりで、印税が逆転しているのが分かります。88円と84円。著者のロイヤリティは近い額ですが、販売価格は1200円代と900円代。この大きな差こそが、KDPで直接出版手続きするメリットなのです。
さて。上記の表を見て分かるとおり、KDP出版でも、ネクパブさんを通した出版でも同じなのは「本の厚みが薄くなれば、利益が上がる!」こと。
逆に言うと……。
本の厚みが増せば利益が下がる!!(゚◇゚)ウピョー
余談ですが、Kindle【電書】は印税が違います。
また私はUnlimitedに登録しているので、2通りの印税を得られるのです。
Kindle電書の印税は30% 70% のどちらかを選べます。ただし70%の印税を得られるには条件があります。
条件★ Amazonのみで販売すること★
他の電子書籍書店で販売しないメリットは大きいです。私のポリスシリーズですと500円(税込)なので、税抜き454円となり。
454円✕0.7=317.8円 つまり印税318円となります。
データ配信料は1円です(データが大きいと配信料が加算されるみたいですが、小説は文字のみなので、ほとんど引かれない)
1冊まるっとお買い上げいただかなくても、売上が入ってきます。それが二つ目の収入源【Kindle Unlimited】です。Kindle Unlimitedは月額980円の読み放題プランのこと。これに加入している読者様が私の作品を開いてくれると印税が入ります。印税額はとてもシンプル。
1ページ約0.5円 ✕ 読者の既読ページ数
投稿サイトで言うなら、1PV=0.5円と言ったところでしょうか。つまりある程度、読み応えがあった方が売上が良いということになります。もちろん途中で読むのを止めてもらっても、読まれたところまで印税が入ります。
私の【単行本1冊】の印税を表にまとめてみます。
新刊【第3巻 ポリスラポール 魔女と球児】の内訳です▼
※KDP・B6版(ヒロイン表紙)は準備中※
この1冊の売上では、やぶれた襖から隙間風が吹くようです。
けれどもこの本が、1冊、また1冊と増えていくと状況は変わります。
知り合いの作家さんに「Amazon出版はロングテール戦略だよ!」と励まされました。これは恐竜の尻尾に例えられた戦略です。
売上が少ない商品でも、恐竜の尻尾のように商品の数が横長くなれば売れ筋の恐竜本体よりも大きな売上になるというもの。Amazonさんはこの戦略で成功した良例です。多くの「売れない商品」で巨額の売上を出しています。
私の恐竜の尻尾は、今どのくらいの長さなのでしょうか。
うーん、まだまだですね。
下手な鉄砲も数打ちゃ当たる。売れない商品を増やして富を得たのがアマゾンなら、自分もそれに倣えば良い。1冊、2冊の既刊による印税で悲観的にならず、楽観的な戦略でこのまま順調にコンテンツを増やしていきます。
2■判型を決めよう!
印税、合計ページ数、販売価格の関係が分かったら、次は判型です。
まず【KDP表紙計算ツール】を開きます。
私はB6版でよく出版します。
128✕182mm(青年コミックと同じサイズ)です。
小説本の場合、用紙はクリームが良いと思われます。クリーム紙の方が目に優しいからです。
情報をすべて入力したら【サイズの計算】をクリック。
【テンプレート用ダウンロード】をクリックしてください。
ダウンロードされたデータは圧縮されています。
【すべて展開】をクリックします。
私が使うのは、真ん中の「PNG」ファイルです。
このPNG画像をPower Pointに入れます。
スライドサイズ(274.48mm ✕ 188.35mm)です。
横の長さ「274.48mm」は、本の分厚さで変化します。
分厚い本と薄い本では、背表紙の横幅が変わります。
【表紙計算ツール】に「ページ数」の入力項目があったのは、その為です。
パワーポイントの【ユーザー設定のスライドサイズ】で入力します。
Power Pointは「cm」入力なので「mm」との違いに気を付けてください。
スライドサイズが変更され、画像がすっぽり収まったら、ダウンロードした【テンプレートPNG画像】を【透明化】します。
透明化させた画像の【赤線・黒線】の枠や【裏表紙バーコード】の位置に文字を配置しないよう調整しながら【イラスト】【タイトル】を配置します。
①調整が終わったら【透明化したPNG画像】を消去
②PDFデータとして出力。
③KDP出版申請ページを開きます。
3■出版手続き
まずはKDPで「著者登録」をしましょう。少し難しいです。前の記事でも書いているのですが、この著者登録の方法については、Kindle名人の方々が、詳しいやり方をブログやYoutubeで解説しているので割愛します。どれを見たら良いか分からない方に、ワンポイントアドバイス。【更新日時が新しい解説サイト・動画】を選ぶと良いです。
著者登録が終わったら、画面上部の【本棚】をクリックします。レポート、コミュニティ、マーケティングと書かれているところです。
▼本棚▼をクリックすると……。
電子書籍 も ペーパーバックも【出版手続きの過程】は同じです。
①本の詳細入力 ②コンテンツ・アップロード ③価格設定
このように3段階構成になっています。
⬇ 以下の画像の通り ⬇
全ての項目に『下書き保存』のボタンが設けられています。
③価格設定で【ペーパーバックを出版】を押さなければ、何度でも【下書きとして保存】できます。
途中から始めるときには【本棚】に戻って、編集したい本の【…】をクリックするだけです。
②コンテンツ登録が済むと「校正刷り(見本誌)」の依頼ができます。
試しに【新書版サイズ】を登録し「校正刷り依頼」を送信! 数時間後にAmazonから支払いに関するメールが届きました! メールの案内に従って支払い手続きを完了、数日後に本が届きました!
見本誌の発注はネクパブさんにも同様のサービスがあります。
ここで2つの見本誌を見比べてみたいと思います。
左【B6】128ページ = ネクパブは1500円(送料込)
右【新書】152ページ = KDPは889円(送料込)
★B6と新書、紙のサイズが違いますが……何度も申している通り、本の値段を決めるのは……
【紙の大きさ】ではなく【合計ページ数】です!
合計152ページでも、KDPの方が安くなりました。
では、印刷の具合はどうでしょうか?
色合いには、ほとんどに違いはありません。
右【KDPの見本誌】には黒帯が入っています。これは【校正刷りの証拠・再版防止用】だそうです。KDPカスタマーセンターに問い合わせたところ、担当者の方が丁寧に教えてくださいました。
左【ネクパブ版】は、ほぼ完成品の見本誌です。お値段が高いだけあって出来も良いです。クリーム紙の肌触りも柔らかいです。ただしこの見本誌は、ネクパブさんの契約する印刷会社で作っているものなので、実際に読者の元へ届くのは【Amazon印刷機】で製本されたもの。本物と近いのはKDPの見本誌になりますが……。
889円で黒帯が入る【右:KDP】は、すこーし微妙な気分(=_=;)ウーム。再販防止用ですから、仕方無いとは分かっています。
そしてネクパブさんの……1500円は、すこーし高い(^◇^;)ウヒョー
見本誌の発注は有料なので必須ではありませんが、私は必要だと考える派です。印刷物を手に取って初めて気付く「ミス」はかなり多いからです。
お知らせ
ネクパブさんを通して出版した本は販売を継続します。
けれどもKDPから直接出版した本との値段に大きな差が出ては、ばらつきがあって見た目が悪いので、以下のようにします。
▼これからの出版物▼
取り急ぎ【新書版】を出版しました!(2021.10.29現在)
ポリス1、ポリス3の出版手続きがまだ終わっておらず「在庫がありません」の状態で表示されていますが、数日中に「販売中」に変わるようです。手続き完了に最大3日~5日かかるそう(2021.10.29現在)
1 ▪ 開きやすく読みやすい、B6版
2 ▪ 持ち運びしやすい、新書版
3 ▪ あらゆる端末で読める、電書版
皆様の読書生活にフィットしたものをお手に取っていただけたら幸いです。
本の数が増えたことで作品検索が難しくならないよう【旭山リサ・公式ホームページ】で、各書へのリンクを分かりやすく掲載しています。ぜひ御覧ください。
▼下のバーナーをクリックしてね★
公式ホームページは、随時更新していますので、いつでも遊びに来てください!
以上、旭山の【出版攻略法 KDP編】でした!
宣伝❤♡【新書版】全巻999円 です❤♡
▼この記事で使用したフリー素材イラスト▼ACグループ様より
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?