#014 本屋はじめます 【グランドオープン】 TSUNDOKU BOOKS
「本屋はじめます」もついに#014となりました。
これまで読んでくださっていたみなさん、そしてはじめて読んでくださっているみなさん、本屋『TSUNDOKU BOOKS 』(ツンドクブックス) は、2024年5月1日(水)15時に無事、青森県十和田市の商店街でグランドオープンいたしました。
改めまして。
はじめまして、TSUNDOKU BOOKSです。
毎月1日から15日までオープンし、16日から月末は定休日。営業時間は15時から21時、一日のおわりが見えてくる夕方からスタートする新刊書店です。
「学校や仕事の帰りに、お散歩のついでに、休日のリラックスタイムに。本が今日をもうちょっとおもしろい日にしてくれるかも!」
ポスターやちらしにそう書いたのは、わたし自身の気持ち。「あー、今日はなんだかツイてないなー」と思う日こそ、ささやかなおもしろを探したい。そんなとき、「本屋へ行く」という選択肢に支えられてきました。
本屋へ行くのも、本を読むのも、わたしは夕方や夜が多いので、同じような仲間たちが集まってくれたら、うれしいなーとも思ったりしています。
本は、料理の本、旅の本、エッセイや短歌の本、かわいい絵本、外国の本、本の本など。店主がこれまで「読んでよかった本」とこれから「読みたい本」が揃っています。まさに積読!
選書に関しては、#005もどうぞ。
月の前半に限定して営業するスタイルなのは、編集者の仕事をつづけながら、本屋をはじめたからです。昨日、きてくれたお客さまにそれをお伝えすると、「月の前半しかやってないのは、さみしいなと思ったけれど、前半に買った本を後半に読んでおけばいいんですよね」といっていただき、ああ、なんてすてきな方なのだと。ふたりで月の後半は『YONDOKU期間』と名づけました。ふふふ!
料理書の編集を数多く担当してきたのと、自分もおいしいものに目がないので、食にまつわる本がとても多い店になっています。加えて、食を求めて外国へ行くことも多く、旅の本や洋書(主にレシピ本や絵本)の棚も、比較的充実しています。
一方、メディアで話題の本はあまりないかもしれません。ビジネス書や小説も少ないです。というのも、十和田市内には大型書店がありますので、そちらで手に入る本はぜひそちらで! と思っているから、です。
この街には、ほかにも、本と出会える場所がたくさんあります。
旅の本をメインに扱う『旅空間』さん、予約制の絵本屋『絵本とサンポ』さん、わたしが幼い頃からお世話になっている『大七書店』さん、同様にたくさん通った『十和田市民図書館』は今、とてもすてきな建物に生まれ変わっています。
アートや建築の街として知られる十和田市ですが、本もどんどん身近になったらうれしいな、と、新入りのわたしがいうのは大変おこがましいのですが、じつはそんな想いも持っています。
オープンするにあたって、編集者の視点で勉強になったことは、各出版社のスタンスについて。ゼロから本を集める、交渉する、それぞれの版元の個人書店に対する対応、配本の方法、それらを目の当たりにして、とても学びが深かったです。もちろん、まだ出会えていない出版社もたくさんありますし、本そのもののセレクトは店主の趣味趣向が色濃く、版元の中でも担当者がたくさんいてもちろんテーマもいろいろ。わたしが感じることが「すべて」ではありません。
でも、好きな映画監督が、テーマがまったく違ってもなぜか自分の好きな映画を生み出すことが多いように、本もまた好きな出版社から好きな本が出ることがまちがいなく多いと思っています。
年間約7万冊、1日あたり約200冊。
日本の出版社に限定してもこれだけの新しい本が誕生しているといわれるのですから、ZINEや自費出版を含めると、どんな数になるのでしょう? 本との出会いは本当にご縁。それは読者としても、書店員としても。
TSUNDOKU BOOKSのInstagramでは、いま『ご縁あってTSUNDOKU BOOKSが直接取引をはじめさせていただいている出版社さん』ごとに本をご紹介しています。オープン直前で更新が止まっていますが、ゴールデンウィークが明けたらまた再開したいと思っています。
「直感的に気になる本を手に取る」、それはいわずもがな本屋へ訪れるいちばんの醍醐味だと思っていますが、「好きな出版社の動きをウォッチする」「応援する」のも、ちょっとツウというか、すごくおもしろいかもしれません。
オープン記念でつくったしおりを、本を買ってくれたお客さまにお渡ししているのですが、よく渡し忘れてしまいます。おととい、きのうとお渡しし忘れたみなさん、ごめんなさい。きょうは多分大丈夫だったはず。
身に覚えがある分、とっておきますので「この前、もらってないんですよ〜」と、お気軽にお立ち寄りください。
5月中はギフトラッピングもサービスしています。おくりものに「本」、もちろん、ご自身へのごほうびやプレゼントでもお包みします。メッセージカードもご用意していますので、ぜひ本と一緒にひとことどうぞ。
それから、3,000円(税込)以上、お買い上げの方には、TSUNDOKU BOOKS オリジナルシールをプレゼントしています(先着100名限定)。
ポスター、チラシ、しおり、シール、すべてのキービジュアルは、アーティスト「yurianew」の描き下ろし。十和田にきてもらって、まだ完成前のTSUNDOKU BOOKSを見てもらい、感じてもらい、わたしの話を聞いてもらい、描いてもらいました。
足したり引いたりして絵ができあがっていく過程は、まさにお店ができるまでのわたしそのものです。その制作過程を思いっきりビートがきいた音楽をのせて動画にしたのですが、驚くほど再生されています。クセになる動画になりました。よかったら、どうぞ!
ちなみにInstagramやX(Twitter)では、日本語に加えて英語ものせるようにしています。それは店主が旅好きで、外国へ行くとかならず本屋に立ち寄り、お店の方にたくさんよくしてもらってきたからです。
どの国も街の本屋さんは、街のことをとてもよく知っていて、その土地ならではの食べものや飲みもの、飲食店やおすすめスポットなどをたのしそうにリコメンドしてくれる方が多かったのです。それは大変個人的でありながら、ガイド本には載っていない生の情報ばかり。
わたしもそんな本屋でありたいので、なるべく日英でコミュニケーションができる店を目指しています。拙い英語で恥ずかしいのですが、致し方ありません。間違いも多いと思いますが、温かく見守っていただけるとうれしいです。
同時に国籍はもちろん、年齢・性別・職業そのたもろもろにとらわれず、「本が好きなひと」または「本はそうでもないけどTSUNDOKU BOOKSは好きなひと」にひらかれた場所をめざしています。キッズコーナーもとても評判がよくってうれしい。
この3日間、お立ち寄りくださったみなさん、本当にありがとうございました。そして、これからきてくださるみなさん、毎月1日〜15日、15時から21時までお待ちしています。
まだまだはじまったばかりのTSUNDOKU BOOKS。今度はつづけるためにできること、やるべきことをコツコツと重ねていきます。どうぞ末長くよろしくお願いいたします。
▼このnoteは Instagramの内容に加筆修正を加え、まとめて公開しています。前回の記事はこちら!
つづき(#015 本屋はじめました 【試行錯誤はつづく】 TSUNDOKU BOOKS)を読む。