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#015 本屋はじめました 【試行錯誤はつづく】 TSUNDOKU BOOKS
2024年5月1日のグランドオープンから、もうすぐ4ヶ月が経とうとしています。
本屋『TSUNDOKU BOOKS(ツンドクブックス)』をあけているのは、月の前半だけですが、1〜15日のあいだは曜日を問わず、休みなく営業するスタイル。ちょうど4ヶ月分の営業を終えたところ。あっという間に1/3年が過ぎました。
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つまり、今はお店自体の「定休日」なのですが、わたし自身は休んでいるわけではありません。今週は、地元の高校生にバイトにきてもらい、棚卸し。バイトを募集していたわけではなかったけれど、彼女はプレオープンから店に通ってくれており、その上で「夏休みに働いてみたい」と思ってくれ、そして勇気をもって申し出てくれたので(だって募集してないのよ?)、その心意気を採用しました。実際、とても助かりましたし、たわいもない話ができてとても楽しい時間でした。
「高校生のとき、あったらうれしかった本屋」は店づくりの裏テーマであり、かなりコアな部分でした。なので、こうして本や本屋の仕事に興味を持ってくれるのは、ただただうれしいこと。最近は高校生、大学生、20代のお客さまも多くなり、世論が叫ぶ「若年層の読書離れ」と現実は、若干違うような気もしているところです。
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いずれにせよ、グランドオープンしてからずっと本の在庫管理がまったくできていなかったのですが、今月から仕切り直して再出発ができそう。うれしい。明日からは9月の本棚づくりに入ります。
小さい本屋ですが、小さい本屋だからこそ、月ごとに本棚を一新するようにしています。
お客さまに支えられ、当初の事業計画を遥かに上回る冊数の本をご購入いただいています。その分、新入荷することができるのです。本当にありがたく思っています。勇気をもって扉をあけてくれるみなさん、そして毎月通ってくれるみなさん、心からありがとうございます。
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並べ方を変えるだけでも、主役が代わり、本の違った顔が見えてきます。これが本当におもしろい作業ですし、考え方としては本の編集とまったく同じだな、と思います。
こうして、わたしなりに「月に一度いきたくなる本屋」を体現するため、ありったけの知恵を絞って試行錯誤がつづきます。月末はマックを食べながら夜中まで本棚とにらめっこするのが恒例となってしまいました。
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この4ヶ月、たくさんのメディアで紹介していただきました。
まずは青森県で最も大きな地方紙・東奥日報さん。書籍『シソンヌじろうの自分探し』を入荷する際、TSUNDOKU BOOKS の存在を知ってくれ、編集部にお繋ぎいただきました。ということは、これはじろうさんのおかげといっても過言ではないかもしれない。
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本好きの記者さんだったので、興味津々にインタビューしてくださり、それが伝わってきたのでこちらもうれしくなってついつい支離滅裂に語りまくってしまいましたが、そんなわたしの言葉を簡潔に。さすが新聞記者。
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新聞を見てローカルテレビにもお声がけいただきました。ATV青森テレビ『わっちNEWS』さんでは驚くほどにしっかりと特集を。こちらもディレクターさん&カメラマンさんと、深く話すことで、自分の頭の中がまとまっていくのがわかりました。
ABA青森朝日放送『ハレのちあした』さんの取材では、中学時代から知っているd-iZeさんとひさびさに再会。おそらく、大学生ぶり。今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人気ローカルタレント! 放送のあと、たくさんの常連さまにうらやましがられ、その人気を実感しているところです。なによりも「お互い、歳を重ねたよね〜」とにこにこ語らえる未来がきたことがうれしいです。お忙しいと思うけれど、また遊びにきてね。
また、伊奈かっぺいさんの最新刊『言葉のびっくり箱』を入荷したところ、RAB青森放送ラジオ「旅の空 うわの空」でかっぺいさんご本人が「わたしの本を置いてくれているえらい本屋があるんですよ」と紹介してくださいました。かっぺい節に感無量!(本の泉社さん、伝えてくださりありがとうございました)
かっぺいさんはTSUNDOKU店主が幼い頃から活躍されており、数年前ライブにも初めて足を運びました。横浜(神奈川の、ですよ)のホールをいっぱいにするのを見て正直、驚きました。
言葉を、そして日常をおもしろがる天才だと思っていましたが、大人になって読むと、よりその非凡な才能がわかります。さらにその生き様もまたレボリューショナリーというか。当時、青森で会社員をしながら、全国ネットのテレビに出たり、局をまたいでマルチに活躍するって、本当にすごいこと。新しい働き方を切り開いてきた方だなぁと思っているので、そういう意味でもヒントをいただいています(もちろん、ご本人はそう思ってやっていないと思いますが)。
十和田新報さん、八戸経済新聞さんにもご紹介いただきました。みなさん、ありがとうございました。
目立ちたくない! 穏やかに店をやりたい! とずっといってきました。それは今でも変わらないですし、取材を受けるってだいぶパワーを持っていかれることもわかりました(これまで取材をしている側でしたが、想像しきれていなかったので反省です)。でも、メディアでご紹介いただくことでうれしい出会いと再会の数が桁違いになったことは事実です。もちろん、いいことばかりではありませんが、本屋をはじめる前と後では、心が躍る瞬間が格段に増えました。
なにより、お客さまとのやりとりから前に進む力をもらっています。
同時に「お別れ」も立て続けにあった8月。たった4ヶ月ですが、「最後に本を一冊えらんでほしい」と立ち寄ってくれたり、十和田市を離れる前に親御さんを連れてきてくれたり。ほんとうに本屋冥利に尽きます。これからもこんな別れがたくさんやってくる思うと、寂しくて胸がキュッとなるけれど、「新しい場所で各々たのしくやろうね」と祈って、またいつか。
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わたしの街にはおおよそ58000人が住んでいて、その1%は580人。
1%のひとが2ヶ月に1冊、本を買ってくれたらギリギリ継続できる、という事業計画で本屋をはじめました。もちろん世の中は約30%が高齢者だし、肌感覚では近隣の市町村からきてくれるひとが半分くらいいるからあくまでも目安。
1%って30人のクラスでいえば0.3人。3クラスあって、たったひとり大好きな友達に出会えることは、十分にうれしいし、たのしいこと。この指針がないと、のひのび選書して自信を持って店をあけることなんでできないなと思っています。
顔が見えない「みんな」に合わせようとして、だれにもおもしろがられない店にならないように、通ってくれているひとたちの顔を思い浮かべながら、ここからも自分が頭に思い描いていることを順番に形にしていこうと思います。
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「お気に入りの店になりました」とか、「好きなお店が増えました」とか、とびきりうれしいコメントです。いちばんじゃない感じがとてもリアルでよいというか。そのひとが今まで集めてきた「好き」に仲間入りできることがむしろたまらなくありがたい気持ちになるのです。生きるごとに好きが増えていく人生はいい。ただ、本を売るだけでなく、そういうことを共有できる場所になればいいなと思っています。
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「変な言い方になってたらあれなんだけど、ああいうおしゃれなお店が地元にあってね、“そこで本を買ったおれ” みたいなことでもいいんだよ、若いときは。むしろ、そういうのがいい。だから、すごくいいと思ってる」
ある日、飲み屋さんでいまはなき地元の本屋の書店員だった方とあったとき、一字一句はちがうかもしれないけれど、こういうことをいってくれて。じつはいま、ひたすらに励みにしています。
ブレずに、でも柔軟に。コツコツ、そしてたんたんと。次は9月1日〜15日。来月もどうぞよろしくお願いします。
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