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短編小説【白い猫の秘密】 #5

こんにちは!

早いもので、この小説は完結話となります。

1話から4話を読んでない方は
ぜひ、こちらから読んでみてくださいね!


試練を乗り越えた主人公が、新たな道を歩み始める瞬間が訪れます。

白い猫との出会いの結果は、彼にどんな影響を与えるのでしょうか?
運命の導きに従い、彼はどのように成長していくのか、見逃せません!

彼の旅の終わりが、新たな始まりにつながることをお楽しみに。







白い猫の秘密






第5話



試練を乗り越えた僕は、大学の教授から助手として誘われた。


教授と話す日々が続く中、僕は次第に彼の研究に魅了されていった。白い猫が言っていた「試練」とは、まさにこのことだったのかもしれない。孤高の存在だった教授は、僕との会話を重ねるごとに少しずつその壁を下ろし、ついに僕を助手として迎え入れることを決断した。


「君、私の助手にならないか?」教授はいつもと同じ無表情で、そう提案してきた。その瞬間、未来が明るく開けるような気がした。


「助手ですか?」僕は思わず驚き、言葉を失った。あの冷たく孤立していた教授が、僕を信頼してくれるなんて、ただただ嬉しかった。

それに、宇宙の研究に関わることができるなんて、僕にとって夢のような話だった。


「君には、宇宙に対する純粋な好奇心がある。それに、少し…特殊な縁を感じているんだ。」


その言葉の意味を深く考える暇もなく、僕は助手の仕事に挑むことになった。




白い猫に大学での出来事を早く話したくて、いつものカフェに足を運んだ。


しかし、あの白い猫の姿は見当たらなかった。


いつもそこにいて、僕を見つめていたはずの白い猫が、その日はどこにもいなかったのだ。


少し寂しさを感じつつ、僕はその日は深く考えずにカフェを後にした。


それからというもの、白い猫を見かけることは一度もなかった。




数日後、またカフェに寄った僕を店主がカウンター越しに迎えてくれた。


「探しているのは、白い猫かい?」
不意に店主が問いかける。


「あ、そうです。最近見かけなくて……」
僕は自然に返事をした。


店主は少し微笑み、
「あの猫はね、悩んでいる人にしか見えないんだよ。」
と静かに言った。


「え?そうなんですか?」僕は驚いた。


「そうさ。白い猫は、心に悩みを抱えた人の前に現れる。彼が君に助けを求めるように導いてくれたのかもしれないね。」

その言葉に、胸が熱くなった。白い猫との出会いは、僕にとっての試練の始まりだったのかもしれない。これから先、彼の存在がどれほど大切だったのか、改めて実感した。


そして、店主は続けた。

「彼を見なくなったということは、君が自分の道を見つけた証拠だよ。しかし、彼の教えは決して忘れないでほしい。」


その言葉に頷き、心の奥に暖かさが広がった。

白い猫が教えてくれたこと、試練を乗り越えたこと、それらは今後の人生においての大切な指針となるだろう。


あの白い猫は、僕が都会の生活に苦しんでいた頃、そばにいてくれた。

だけど、

「今の僕にはもう必要なくなったんだ。」

と、僕は思った。


その時、ふと窓の外を見ると、薄暗い道を横切る白い影が目に留まった。

驚いて目を凝らすと、やはりあの白い猫だった。

カフェの外に立ち止まり、僕を振り返ってじっと見つめている。


一瞬心臓が高鳴る。

あの猫は、もう見えないと思っていたのに。

だが、僕は何か言葉をかけることもできず、ただ猫の姿を見つめ返した。


彼はゆっくりと去っていく。


その後、僕は一人静かに考えた。

白い猫が現れた理由はもう必要ないと感じたけれど、彼が僕に与えた教えや経験は、これからの人生において欠かせないものであることを確信した。

彼の姿は見えなくなっても、彼が僕に教えてくれたことは、決して忘れることはないだろう。






いかがでしたか??

【白い猫の秘密】完結しました✨

始めて小説を書いてみてのですが、
どうだったでしょうか?

自分で書いてみて、改めて小説家のすごさを実感。
もう、偉大すぎます、、、

でも、元読書家からしたら
小説を書いてる時間はすごく楽しい時間でした😊

よかったら感想をコメントで聞かせてください😣

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