ウクレレ初心者が60日後にライブ開催するまでの、血塗られた裏側。
2021年1月、一人のウクレレ初心者が「60日後に弾き語りライブをやります!」と宣言した。
ことの発端
そもそもなぜ唐突に、こんな誰の役にも立たない挑戦を始めたのか。
それは僕自身がコーチングを学ぶ中で、コーチとして人のチャレンジを後押しするのならば自分も挑戦の一つや二つ当然するっしょ、という話だった。
コーチングではめっちゃやりたい、かつやり方が分からないぐらい難しい現状の外側にゴールを置くことで日々のモチベーションを獲得する。
ウクレレ弾き語りをめっちゃやりたかった僕は、どのようにして現状の外側にゴールを置いたか。アイデアは色々出たが、今回は「曲の難易度」「期間」という軸で現状の外にゴールをぶっ飛ばした。
弦楽器を触ったことのない人間にとって、change the worldはコードが山盛りあって激ムズ、ましてや60日でライブ披露という時間設定は暴挙だった。初対面の先生に苦笑いされた。
というか元々は先生すらいなかった。どうやってウクレレを習得すれば良いか分からなかった(まさに"やり方が分からないぐらい難しい")ので、SNSで「助けて!誰か先生を紹介して!」と世に叫んだ。すると翌日には先生が8人も見つかるという事態。ウクレレ教えてくれる人ってこんなにいるのかという驚き。現状の外にゴールを置くと見える世界がみるみる変わっていく面白さ。
現状の外に向かう恐怖感
さらっと振り返っているが、SNS投稿時は震えた。こんなしょうもないことを発信してただ恥を晒すだけに終わったらどうしようと、激しく躊躇った。でも現状の外のゴールに向かう時は恐怖心があって当然。それぐらいの難しいゴールに向き合って、初めて僕らの脳は真なるクリエイティビティを発揮してくれる。だから躊躇は正しいゴール設定の心象風景であり、むしろ歓迎したい感情だと今なら分かる。
宣言する瞬間までは頭を抱えて数日過ごしたが、いざ宣言してみたあとは練習に没頭する清々しい日々が続いた。バンジージャンプは飛ぶ直前が一番怖くて、飛んでしまえば結構楽しい。そんな感じ。
60日ダイジェスト
60日の差分を以下に紹介しよう。まずはウクレレ初めて2日目:
指使いはおぼつかない。視線は左手に向けられ、雑音も混じっている。ウクレレに全神経を集中しており、同時に歌うなどもってのほか。そして動画映えを一切気にしないパジャマ。
その彼が50日後にはこうなる:
指使いスムーズ。意識は歌に向けられており、襟がだらしないものの、ちゃんとパジャマではない服を着ている。ちなみにこのSugarという曲はこの日初めて演奏した。初見の曲でもこれぐらい弾けるぐらいには、50日でウクレレが染み付いていた。
そして、60日目のライブの様子。ウクレレ弾き語りの他に、コーチングの話も沢山したので是非ご覧頂きたい。
60日間の裏側
さて、ライブ映像を飛ばしてここまでお読みいただいた方は「順調にウクレレが上達した話ね、はいはいすごいすごい」と思われるかもしれない。ただ、念を押してお伝えしたいのは、60日の道のりは実に険しく、様々な葛藤に襲われたという事実だ。
冒頭で「宣言してみたあとは練習に没頭する清々しい日々が続いた」と言ったが、それは宣言直後の話であって、時が経つと事態は大きく変わった。
まず焦りが半端ない。リズムの習得や演奏しながら歌うことなど、身につけるべきことが沢山あるが、それ以前にコードを抑えられないと話にならない。でもそのコードが難しすぎて、指が全然いうことをきかない。30日経ってもなお抑えられないコードがある。「あと半分しかない」「あと三分の一しかない」という焦りが日毎に大きくなっていく。焦りが転じて、ときにウクレレが辛くなってくる。やりたくて始めたはずなのに、自分の気持ちが分からなくなってくる。
加えて「自分なにやってるんだろう」感が襲ってくる。60日のチャレンジ中、仕事はどんどん忙しくなり、呑気にウクレレぽろぽろやってる場合じゃねえという佳境にすら至った。隙間時間は全てウクレレの時間なので、当然家族との時間も少なくなり、妻や子どもにも面目が立たなくなった。そこまでしてもやりたいことなのか、ウクレレが。と自問自答する日々。
支えてくれる人という絶大な存在
それでもなんとか60日間を走り抜けれたのは、ひとえに支えてくれたコーチと、そこで設定されていたゴールのお陰(そして言わずもがな、そんな僕のチャレンジを見守ってくれた妻のお陰)だった。
未来に向かう時の「やれるぞ!」という気持ちを上げてくれるのがコーチの役割だ。そのための脳の使い方とテクニックを知り尽くしているのがコーチという存在だ。だから「やれるぞ!」という気持ちが減衰したとき、一番頼りになるのはコーチなのだ。
(お前もコーチじゃないんかいというツッコミが聞こえるが、セルフコーチは極めて難しい。人間の認知には必ず盲点があり、主観ではなかなか気付けないことが多くあるのだ。)
コーチとの会話で常々立ち戻っていたのは、「ウクレレ弾き語りできるようになりたい」「現状の外に向かう心象風景を味わい、コーチとして将来のクライアントさんにお伝えしたい」という自分自身のピュアなwant toだった。この未来のwant toがあるから、足元の葛藤が乗り越えられた。
ライブでも話したが、会議中もウクレレを握ったり、毎朝5時に起きて練習したりと、とにかくストイックにウクレレと向き合い、なんとか当日を迎えることができた。朝起きるのが超苦手な僕にとって、これは革命的な生活変化だった。全て、現状の外のゴール設定が僕という人間に変革を起こしたことだった。
現状の外側を味わいたいすべての人へ
以上の経験をもって、自分らしい人生を生きる、一つの効果的な方法が、現状の外側のゴール設定だと確信している。自分らしい人生とは「自分のやりたいことを、濃密にやりきっている」ことだと思っている。ウクレレに没頭していた僕は、まさに自分のやりたいことにこれ以上ない密度で向き合えた。
対照的なのが他人軸で生きる人生だ。振られた仕事をこなして日々が過ぎていく、SNSで流れてくる情報を見て他人を羨む気持ちに襲われる、やりたいことが分からず悶々と過ごす。これら全て、コーチングで終止符を打とう。want toで現状の外に向かえば、他人軸で生きる人生とは別れを告げられる。やりたいことやって生きる人生こそ、幸せの形ではないだろうか。
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「やりたいこと見つからない症候群」の人はこちらの記事もご覧ください。
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