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【Investor's Sight #5】「合意形成のやり方を変える、という最初のビジョンをやり続けていく」ー 日比谷尚武さんとの対話

株式会社Liquitousは2022年5月に、さらなる事業促進にむけた資金調達を行いました。それぞれの分野でご活躍の皆さまに出資いただき、新たなシナジーの創発も展開していきます。

出資という形で、弊社の取り組みを応援いただいている皆様にインタビュー「Investor's Sight」を行い、弊社に期待することなどを伺いました。

今回お話を伺ったのは、広報、マーケティング、新規事業の支援、コミュニティ作り、官民連携促進を中心に活動されている、Kipples 代表の日比谷 尚武さんです。

――Liquitousの事業に対する率直な印象は

最初はパブリックセクターとテクノロジーがもっと融合するといいなと思う場面が多々ある中で、Liquitousの取り組みを知りました。もともと、台湾などを中心にシビックテックという動きがはやっていることは知っており、市民参加の合意形成が効率化されるといいなと思っていました。 
    
一方で、シビックテックという領域で、うまくいっていないことも多々聞きますし、Liquitousの事業の概要を聞いたときも、こうした取り組み・活動が広まったらいいなと思った一方で、どうやって広めていくのだろうかという純粋な疑問が湧いていたという印象です。私自身もうまく答えが出せていなかった領域でしたからね。

――投資という形でLiquitousの事業を「応援」しようと決断いただいた背景はなんでしょうか?

乱暴に言えば、やってみるしかないと思っていて。これはどんな技術でもそうですが、実装してみないことにはどう展開するかわからないわけですよね。

その意味において、Liquitousのみなさんは真摯に活動されていて、ある意味「商売下手」というかビジネスのためにやろうとしているわけではないから、合意形成のやり方を変えるという最初のビジョンをやり続けていくんだろうなと思ったところです。

過去に見てきた他の事業の中には、マネタイズの問題でピボットせざるを得ない状況に陥っているところもありましたが、Liquitousならば、結果が出るまでやり続けてくれるだろうなと感じています。

――「テクノロジーを用いた、市民参加による合意形成」の大切さと難しさはどこにありますでしょうか

その大切さは疑いようのないものだと思っていて、手紙が時代とともにEメールに変わっていったように、コミュニケーションの形も変わっていくのだろうと思っているんですよね。まちのこと、地域のルールを考えるやり方も当然変わっていくべきだと思いますが、そこにまだ技術がついてきていないだけなのだろうと考えています。

難しさは二つあるなと思っていて、一つはコミュニケーションの方法が必ずしも合理性に基づいて変革するわけではないというところです。長い目で見れば必ず変わるとは言いましたが、世の中の在り方の合意形成で言えば、様々なバックグラウンドを持っている人がいるので、一つの方法で皆さんが参加するわけではないじゃないですか。人それぞれ発信の仕方も様々なので、それを一つのフォーマットにおさめるのは元来難しいプレイだよなと思っています。

もう一つは、公共のルールを合意形成で作るのは難しいと考えられるところです。特にルールを変えるとなれば、そこに不利益を感じる人も少なからずいるわけですから、どうしても難しいですよね。その中で関係性を構築していくという意味で広報は非常に重要になりますよね。

――Liquitousの取り組みは、理想とする社会の姿が最初にあって、それを解決するための手段を提供する、と表現できます。何かの特定の課題を解決する、というよりは、目指す社会のあり方に共感いただいて事業を進めています。

先ほども言いましたが、僕自身もまだこの取り組みがどう事業として回っていくのかという部分の答えは出ていませんが、そこに向かってどうにかもがいて実現する姿勢に私自身も関わっていきたいと思っています。

私自身、もともとスタートアップの取り組みをすることが多々ありました。自分達で事業をする難しさを感じる一方で、様々なことをやりたいなとも思っていたんです。その中のひとつに、頑張ってらっしゃる方の背中を押したいというものがありましたが、ただ儲かるだけの取り組みにはあまり興味がなくて。世の中の仕組みになるものや価値観を変えるものとご一緒したいという気持ちが根っこにあったのが投資の背景ですね。

――日比谷さんとLiquitousの関係の理想像は

世の中に対しては、こう言った取り組みやサービスがあるんだということをもっと知ってもらいたいという気持ちがあります。その一つがLiquitousです。
基礎自治体を舞台に、市民同士のコミュニケーションや合意形成をやっているということを知っている人が増えるといいなと思います。そういった意味で、Liquitousの取り組みを当事者として周りに語っていきたいと思っています。

おそらく業界の動きだとか、プロダクトの開発といったことは皆さんが決めていくことですが、Liquitousと社会の接点を増やすといったことを、発信という意味でやっていきたいと思っています。

数年前であれば、なかなか進まない取り組みだったとは思いますが、最近様々なアプローチで社会変革をめざしている地域もあります。本気で社会をよく変えようと思っている、攻めの姿勢を持った方々としっかり繋がっていけるといいですよね。

日比谷さん、ありがとうございます!