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【西武ライオンズ 今日の見どころ】二桁勝利懸かる武内夏暉 QS率では松坂超えの可能性

●新人の二桁勝利 規定投球回は いずれも07年岸孝之以来

【30日◇ライオンズ-ファイターズ24回戦(ベルーナ)18:00】
ドラフト1位ルーキー武内夏暉が区切りの10勝を目指して、今シーズン21試合目の先発マウンドにあがる。

すでに紹介してきたように、ライオンズの新人投手の二桁勝利は、2007年岸孝之以来17年ぶり。また、武内の投球回数は現在137  1/3イニング。きょう5  2/3イニング投げると、シーズン規定投球回に到達する。こちらもライオンズの新人では、岸以来17年ぶりになる。

きょうの試合前の時点で、武内の防御率は2.29。たとえ完封勝利をしても、トップのモイネロ(福岡ソフトバンクホークス)の1.94には及ばないものの、堂々防御率ランキング2位に躍り出る可能性がある。

セ・リーグでは2020年に、新人の森下暢仁が防御率1.91でリーグ2位になっているが、パ・リーグで防御率ランキング2位以内に入った新人投手は、1990年に最優秀防御率投手に輝いた野茂英雄(近鉄バファローズ)が最後。ライオンズでは、やはり最優秀防御率投手だった1956年の稲尾和久以来2人目となる。

シーズン規定投球回まで残り7 1/3イニングで、防御率1.92の宮城大弥(オリックスバファローズ)の動向にもよるが、10勝目だけでなく、武内の防御率の推移にも注目したい。

●QS率75.0%超えなら 松坂以来パ・リーグ新人史上5人目

新人離れをした安定感を誇る武内は、ここまで20試合に先発して、6イニング以上を投げて自責点3以下だった試合、いわゆるクオリティ・スタート(QS)だった試合が15あり、先発登板数に占めるQSの割合(QS率)は75.0%となっている。

パ・リーグ史上、シーズン規定投球回に達した新人投手が、昨シーズンまでに全部で62人いる。そのなかでQS率が75.0%を超えたのは、1954年宅和本司(南海ホークス)、58年杉浦忠(ホークス)、1980年木田勇(日本ハムファイターズ)、そして1999年松坂大輔。この4人しかいない。

きょう武内が6イニング以上投げて自責点3以下だと、QS率は76.2%になり、球史に名を残す投手たちに肩を並べるだけでなく、松坂を超えて、パ・リーグ新人史上4番目に高いQS率となるのだ。

1週間前と同じカードとなる北海道日本ハムファイターズ戦、相手先発も同じ山崎福也だ。前回は武内に勝ちをつけようと、打線が奮起。同点に追いつかれた直後の7回裏に、佐藤龍世、野村大樹の2者連続ホームランなどで勝ち越してみせた。

ところが一転、この土曜、日曜の千葉ロッテマリーンズ戦では、攻守にミスを連発。併殺打や犠打の失敗などの拙攻を重ねて、2試合で1得点しかできていない。不甲斐ない先輩たちばかりだが、きょうばかりは先週のような、チーム一丸となった攻撃の再現が不可欠だ。

きょうから武内夏暉、今井達也、隅田知一郎と、二桁勝利の懸かった投手の登板が、おそらく続くことになる。ラスト3試合。今シーズン野手陣は、再三投手陣に迷惑を掛けてきたのだ。せめてもの罪滅ぼしの援護をする義務がある。

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