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【西武ライオンズ 今日の見どころ】新人開幕戦マルチ安打、シーズン50盗塁… 金子侑司を最後に 達成者の現れない記録が多数あり

●プロ1年目から開幕スタメン デビュー戦でマルチ安打 

【15日◇ライオンズ-マリーンズ20回戦(ベルーナ)18:00】
ライオンズ一筋に12年間プレーした金子侑司の、現役生活最後の一戦になる。打順やポジションは不明だが、先発での出場が濃厚だ。

立命館大時代は、大学球界を代表する俊足ショートで、中島裕之(中日ドラゴンズ/現・宏之)が、アメリカに移籍したばかりのライオンズが、2012年ドラフト3位で指名した。

空席となったショートをめぐるレギュラー争いが、オープン戦から白熱するなか、渡辺久信監督は開幕スタメンを高卒2年目の永江恭平に決定する。

それでも、オープン戦で打率.292、12球団2位の5盗塁と猛アピールした金子も外すとこはできないと、本来のポジションではない外野での起用を決断。北海道日本ハムファイターズとの開幕戦で、7番ライトに抜擢する。

この開幕戦にはファイターズの高卒ルーキーだった大谷翔平もスタメン出場。注目はそちらに集まるなか、金子は慣れない守りでミスも犯したものの、4打数2安打と期待に応えてみせた。

プロの壁にぶつかった時期もあったが、1年目から94試合に出場。9月15日の千葉ロッテマリーンズ戦では、延長11回裏に試合の決着をつけるサヨナラヒットを放っている。

開幕戦でマルチ安打をしたライオンズのルーキーは、1981年石毛宏典と、この金子侑司のふたりしかいない。またサヨナラヒットを打ったルーキーも金子が最後で、もう10年以上現れていない。

●ライオンズ最後のシーズン50盗塁 225盗塁は歴代5位

自慢の武器である俊足の威力を存分に発揮したのが、プロ4年目だった16年だ。後半戦では秋山翔吾に代わり打順1番に定着、初めて規定打席に到達したこのシーズン、53盗塁を決めて初の盗塁王を獲得する。

シーズン50以上の盗塁をしたライオンズの選手は、秋山幸二、松井稼頭央、片岡易之、そして金子侑司の4人しかおらず、こちらも金子が最後となっている。

また、この16年シーズンに打った122安打は、金子の自身最多記録になるのだが、その1/4以上の32本が内野安打だったのだ。このシーズン32本の内野安打は、球団歴代3位タイの本数となっている。そして、シーズン30本以上の内野安打を打ったライオンズの選手も、やはり金子が最後なのだ。

通算225盗塁は、ライオンズ歴代5位。プロ1年目から記録した8年連続二桁盗塁も、ライオンズ歴代4位タイの記録となっている。

数年前、中村剛也が規定打席到達したシーズンは、すべて本塁打王を獲得していることが話題になったが、金子侑司も12年間のキャリアのなかで、規定打席に到達した16年、19年は、いずれも盗塁王を獲得しているのだ。正直、そうした旬の時期が短かった感は否めないが、ライオンズの歴史に残るスピードスターであることに間違いない。

●17年から外野手登録 帽子を飛ばして数々のファインプレー 

入団3年目までは、内野で出場するほうが外野より多かったのだが、やはりプロ4年目の16年に初めて外野での出場機会のほうが多くなり、翌17年からは登録も外野手に変更した。

ゴールデングラブにこそ縁がなかったが、ひじょうに守備範囲が広く、辻󠄀発彦元監督などは、その能力を高く評価していた。気がつけば、帽子を飛ばしてのランニングキャッチが、ライオンズファンおなじみの光景になっていた。

とりわけ印象深いのは18年9月16日、10年ぶりのリーグ優勝を目前にして迎えた、2位福岡ソフトバンクホークスとの直接対決でのプレーだ。

1回表、いきなり1死2塁のピンチで、3番中村晃の打った当たりは、右中間最深部への大飛球。

先制二塁打、あるいは三塁打を覚悟する打球だったが、ライトを守っていた金子侑司がトップスピードで背走した勢いのまま、右中間フェンスに沿うような形でウォーニングゾーンを疾走。グラブをはめた左腕を目一杯伸ばして、最後は身体を投げ出しダイビングキャッチ。優勝を争うチームと先発の今井達也を救う”金子侑司にしかできない”スーパーキャッチだった。

知らない、視たことがないという方は、球団の公式You Tube(1分51秒あたりから)に動画がアップされているので、どれほどの超絶プレーだったのか。ぜひその眼で1度ご確認ください。

渡辺久信監督の抜擢によってスタートしたプロ野球人生。同じ指揮官のもとで、ピリオドを打つのも、何かの縁なのだろう.

きょうの千葉ロッテマリーンズの先発は、佐々木朗希だ。完全燃焼するには、この上ない相手になる。金子侑司には走攻守のすべてにおいて、思い切りベルーナドームを駆け抜けてもらいたい。

金子侑司 
内野手・外野手 右投げ・両打ち 1990年4月24日生まれ
ライオンズ在籍:2013~24年
通算成績:1019試合 3018打数 729安打 打率.242
     21本塁打 223打点 225盗塁 
背番号:2(13~17年)、8(18~19年)、7(2020年~24年)

                       本文中含め、記録はすべて24年9月14日現在


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