【西武ライオンズ 今日の見どころ】武内夏暉 球団史上43年ぶりのデビュー先発3連勝なるか
●オール先発でのデビュー3連勝は 杉本正ひとりだけ
【11日◇ライオンズ‐イーグルス8回戦(ベルーナ)14:00】
13失点、18被安打、10与四死球。すべてが今シーズンチームワーストとなる惨敗で、4連敗は早くも4度目。しかも、この4連敗中の4試合で得点は合計4、失点が28と、ひとつも勝機のない試合を続けている。
開幕から33試合を終えて11勝22敗。1勝2敗ペースで、借金は今シーズンワーストの11となった。以前にも指摘したが、この勝敗ペースはシーズン途中で伊原春樹監督が休養した2014年とまったく同じだ。
現状、戦力になっている新外国人選手はアブレイユひとりだけ。シーズン途中での監督交代に至ってもおかしくないペースで負け続けている責任を、フロントは強く自覚して、補強やトレードに動く気概が欲しい。
この連敗のなか、先発するのがルーキーの武内夏暉。前回登板では福岡ソフトバンクホークス打線を、8回無失点に抑えて2勝目をマーク。試合後、敵将の小久保裕紀監督をも絶賛させるピッチングを披露した。
きょう勝てば、武内はデビュー3連勝となるが、これはライオンズのルーキーでは、2018年の伊藤翔以来。ただ伊藤の場合は、リリーフでの勝利があっての3連勝。すべて先発勝利でのデビュー3連勝となると、 1981年の杉本正以来、43年ぶりになる。
最長の8連勝をした稲尾和久を筆頭に、デビューから3連勝以上をしたライオンズの新人投手は過去7人いるのだが、すべて先発で3連勝したのは杉本ひとりだけ。もし武内が、オール先発でのデビュー3連勝を達成すれば、杉本に次いで球団2人目の偉業となる。
●初回の失点続くなか 武内はまだ立ち上がり無失点
4日のホークス戦から、現在ライオンズは5試合続けて先制点を奪われている。しかも、そのうち4試合が初回に失点して、先制を許している。
先輩投手たちが同じような失敗をくり返すなか、ここまで武内は4試合に先発して、初回に失点した試合が1度もない。三者凡退こそ1試合だけだが、走者が得点圏に進んでも、すべて後続をうち取って、必ず初回は無失点でスタートしている。
バッテリーを組む炭谷銀仁朗のリードのおかげもあるのかもしれないが、先制点を奪われた試合は、1勝17敗と悲惨なチーム状況にあって、武内の安定した立ち上がりは心強い限りだ
きょうの試合で5イニング以上投げると、武内はチームの規定投球回(34イニング)に到達する。現在の防御率が1.55の武内が、きょう5 1/3イニング以上を無失点に抑えると、今井達也の防御率1.29を抜いて、一気に投手成績のランキング1位に躍り出ることになる。
これほどチームが低迷するなか、ルーキーに連敗ストッパーを期待するのは申し訳ないのだが、現状では今井と並ぶ左のエースと呼ぶべき成績を、武内は残している。
もし、4連敗以上の連敗をルーキーがストップすることに成功すれば、2016年6月19日にプロ初勝利で、チームの連敗を5で止めた多和田真三郎以来になる。