【西武ライオンズ 今日の見どころ】甲子園決勝の日に 1998年生まれの今井と由伸 同学年対決
●ベルーナドームで5連勝中の山本由伸
【23日◇ライオンズ‐バファローズ19回戦(ベルーナ)18:00】
前の試合で17安打していたライオンズ打線を、4投手のリレーでわずか3安打、西川愛也のソロ本塁打による1点に抑えたバファローズ。3ヶ月半以上Bクラスに沈んだままのチームと、パ・リーグ首位を独走するチームとの違いを、まざまざと見せつけられた。
これでバファローズ投手陣は1973年以来、球団50年ぶりとなる5試合連続の1失点以下となった。もし、きょうの試合もライオンズ打線を1点以下に抑えて、6試合連続となると、さらに歴史をさかのぼり、56年6月以来、67年ぶりのこととなる(ちなみに、球団記録は1941年8月2日から12日に記録した7試合連続)。
そんな快記録の懸かった試合の先発が、山本由伸。ライオンズとは今シーズン4度目の対戦となるが、ベルーナドームで投げるのは、今回が初めて。
じつは山本は2021年7月2日の登板から、ベルーナドームで現在5連勝中。通算13勝4敗と、ただでさえライオンズ戦を得意にしている上に、苦手を公言している投手も多い敵地ベルーナのマウンドを、通算防御率1.24と、完全に味方につけている。
●今井対由伸 今シーズン初 通算7度目の同学年対決
そんな難攻不落の山本に対するのは、同じ98年生まれの今井達也だ。1年前の8月には19日、26日と2週続けて投げ合うなど、同学年のふたりの先発対決は、今回で7回目となる。
これまでは今井の2勝3敗、山本の4勝1敗となっている。
きょう22日には、全国高校野球の決勝戦が予定されているが、いまから7年前の16年、作新学院のエースとして、チームを54年ぶりの甲子園優勝に導き、夏の主役になったのが今井達也だった。
だが、プロの世界で先に頭角を表したのは、甲子園出場経験のない山本由伸のほう。高卒1年目の17年8月には、早くもプロ初登板初先発。デビュー2戦目で初勝利をあげると、3年目には最優秀防御率のタイトルを獲得。
今井をはじめ、同世代の多くの選手たちが伸び悩んだり、回り道に迷い込んだりしているうちに、ひとりそのまま日本球界の頂点へと登り詰めていった。
この世代の選手たちを観ていると、高校時代の「ビッグ3」とか「四天王」といった肩書や評判は、将来の成功を何ひとつ約束してくれないことが、よく分かる。
ただ、マリーンズの種市篤暉がキャリア初の二桁勝利をあげ、ジャイアンツの山﨑伊織も二桁に王手、今井は7月に月間MVPを初受賞するなど、ここに来て同世代の投手たちが、それぞれの球団でエース格に成長。山本由伸と並び立つくらいのピッチングを見せ始めている。
背番号48になってからは、山本と初対決。今井達也には、夏の甲子園の決勝戦の日に、この世代の主役を奪い返すくらいの意気込みで、7度目の対決を制してもらいたい。