【西武ライオンズ 今日の見どころ~開幕戦編】森友哉の抜けた穴 守備面の不安はなく
●捕手別の防御率に大差はなし 勝率トップは柘植
【31日◇ライオンズ‐バファローズ1回戦(ベルーナドーム)18:00】
炭谷銀仁朗がジャイアンツにFA移籍してからの4年間、扇の要を一手に担っていた森友哉が、今度はバファローズにFA移籍したことで、正捕手の座が横一線で争われることになった。
昨シーズンの1軍公式戦で、マスクをかぶった捕手は6人。開幕早々に右手人さし指を骨折した森の離脱があったことで、結果的に柘植世那、古賀悠斗、牧野翔矢が、多くの試合経験を積むことになった。
キャッチャーごとの防御率を算出しても、森の数字が特に抜きん出ていたワケでもなく、キャッチャー別に先発した試合の勝率を比較してみても、最も良かったのは柘植の.567。そのほかの捕手は5割前後で、大差はなかった。
2019年に捕手史上4人目となる首位打者に輝き、通算打率が.289の森が抜けただけに、攻撃力の低下は否めないだろうが、少なくとも守りの面では、大きな影響はなさそうだ。
●柘植と古賀の正捕手争い オープン戦では決着つかず
今シーズンのオープン戦では、基本的には柘植と古賀が順番に起用され、ふたりとも防御率は1点台と、遜色のない結果を残してみせた。また昨シーズン1度も相手の盗塁を刺せなかった古賀が、4割を超える盗塁阻止率をマークして、成長のあとをうかがわせている。
投手によっての極端なバッテリーの使い分けもしておらず、現段階でふたりの立ち位置はほぼ互角。シーズンが始まってもしばらくは、先発投手との相性やバッティングの状態、コンディションなどを考慮しながら、両選手を併用していくことになりそうだ。
1980年代前半の大石友好と黒田正宏、東尾修監督時代の伊東勤と中嶋聡のように、過去ライオンズの正捕手争いというと、はえぬきの一番手捕手を移籍加入の選手が刺激していく構図が多かった。今回の柘植と古賀のような年齢の近いキャッチャー同士となると、2学年違いだった細川亨と野田浩輔の関係が最も近いだろうか。
いま25歳の柘植世那と23歳の古賀悠斗が、この先長きに渡るライバル関係を築いていくのか。中熊大智、古市尊、さらには新入団の是澤涼輔といった育成入団組が、そこに割って入るのか。
そして、忘れてはいけないのが岡田雅利の存在だ。FA権を行使しての残留を決めた‘頼れる男’の完全復活を、ライオンズファンは心待ちにしている。