カウントダウン「LEGEND GAME 2024」#41 星野智樹編
星野 智樹(ほしの・ともき)
投手 左投げ・左打ち 1977年7月29日生まれ
ライオンズ在籍:1999~2012年
通算成績:456試合 14勝15敗 3セーブ 105ホールド 防御率3.91
背番号:26(99~12年)
当日所属:TEAM LIONS
三重県立四日市工高では1年生からベンチ入り。3年の春季大会では、海星高を相手に1試合20奪三振。夏の鳥羽高戦では15三振を奪ってのノーヒットノーランを達成した本格派サウスポー。
斎藤和巳(南京都高-福岡ダイエーホークス)、長谷川昌幸(市銚子高-広島)と並ぶ、高校生投手ビッグ3と呼ばれ、プロからも注目されていた。だが、夏の県大会決勝に大敗したことで、まずは社会人で鍛えることにする。
入社したプリンスホテルの1年先輩には、ライオンズでもチームメイトになる同じ左腕の土肥義弘がいた。在籍した3年間、全国大会での登板はなかったが、98年ドラフトでライオンズが3位で指名する。このときの1位指名が松坂大輔。もし3球団が競合した松坂を抽選で逃したときには、外れ1位で星野を指名する予定だった。
1年目から1軍スタートして、開幕3試合目の日本ハムファイターズ戦で、早々とプロ初登板。以来リリーフと“谷間”の先発で起用され、3度目の先発となった5月26日福岡ダイエーホークス戦、6回途中で左太ももが攣ってしまい降板はしたものの、3安打無失点に抑えてプロ初勝利をあげる。
だが、しばらくは1軍と2軍を往復するシーズンが続く。3年目の01年にはイースタンで10勝をあげて最多勝を獲得したが、2軍では先発で登板しながら、1軍に上がるとリリーフ起用と、調整の難しさも感じていた。
8試合の1軍登板に終わった03年のオフ、自宅のテレビで日本シリーズを観ていると、阪神タイガースの吉野誠、ジェフ・ウィリアムスが、ホークスの松中信彦、柴原洋、川崎宗則といった左の好打者を、完璧に抑え込んでいた。その姿に「変わるんだったら、今しかない」と、サイドスロー転向に挑戦。リリーフ一本で生きていくことを決意する。
左右は違うが、同じサイドスローの潮崎哲也のフォームと「絶対に身体を前に突っ込ませるな」とのアドバイスを参考に試行錯誤。最初は腕を振る感覚の違いやコントロールの付け方、これまでとは違った箇所の筋肉の張りなど、とまどいも多かった。だが、徐々にフォームが固まると、シーズン前の教育リーグや練習試合で「面白いように三振が獲れて」開幕1軍入りをする。
04年シーズンの開幕3戦目、7回裏無死1・2塁のピンチでリリーフした星野は、ホークスの左打者ペドロ・バルデスを三振にしとめると、そこから続けて打者31人をノーヒットに抑える快投で、伊東勤新監督の信頼を勝ちとってみせた。この年6月に土肥が横浜ベイスターズへ移籍していたこともあり、チーム最多の56試合に登板。左の中継ぎとして欠かせない戦力となる。
以来3年連続で、シーズン50試合以上に登板。05年には、左バッター相手に77打数6安打、被打率.078と、ほぼ完璧に封じ込め、翌06年には右・左打者をいずれも、1割台の被打率に抑えている。
腰痛を発症した07年こそ登板数は37試合にとどまったが、翌08年は自身最多となる63試合に登板。優勝争いが佳境を迎えたシーズン終盤には23試合連続無失点をマーク。最優秀中継ぎのタイトルこそ逃したが、リーグ2位の29ホールドポイントをあげる活躍で、日本一の立役者のひとりとなった。
この年の星野は、レギュラーシーズンのあとも、クライマックスシリーズで2試合、日本シリーズで3試合。さらに、韓国、台湾、中国のプロ野球リーグ王者と対戦したアジアシリーズでも3試合に投げている。あわせて71試合に登板するフル回転だった。
そんなタフネス左腕だったが、さすがに疲労が蓄積したのか。10年4月21日ホークス戦では、サイドスロー転向後ワーストの5失点するなど、精彩を欠く投球が目立ち始める。12年は4月までに6試合を投げただけで登録抹消。その後1度も1軍昇格することはなく、退団となった。
シーズン終了後の合同トライアウトで好投、秋季キャンプ参加を経て、東北楽天ゴールデンイーグルスに入団するが、1シーズン限りの在籍で戦力外に。15年間に渡る現役生活を終える決断した。
通算105ホールドは、ずっとライオンズの最多記録だったが、昨年7月30日に増田達至に抜かれて、現在は歴代2位となっている。
引退後は「ライオンズ・ベースボールアカデミー」のコーチとして、子どもたちを育成、指導。毎年12月に開催されている「NPB12球団ジュニアトーナメント」では、「ライオンズジュニア」の監督を務めている。
「LIONS CHRONICLE 西武ライオンズ LEGEND GAME 2024」
3月16日(土)12:00開場/14:00試合開始
会場:ベルーナドーム
配信:パーソル パ・リーグTV
放送:BS朝日(翌日録画放送)